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MotoGP/Moto2

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。

Rd.11 7月13日 ドイツ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第11戦ドイツGP
■開催日:2025年7月13日(日)決勝
■開催地:ザクセンリンク/ドイツ(3.671km)
■観客数:256,441人

MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度/路面温度:27度
■周回数:30周(110.13km)
■PP:M・マルケス(1分27秒811/ドゥカティ)
■PP:M・マルケス(1分20秒704)

Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:14度/路面温度:18度
■周回数:20周(73.42km)
■PP:J・ディクソン(1分33秒487/ボスコスクーロ)
■FL:D・モレイラ(1分33秒487/カレックス)

REPORT

MotoGP

Monster Energy Yamaha MotoGP
クアルタラロ選手4位、リンス選手10位

第11戦ドイツGP決勝は、完全なドライ・コンディションで行われたにもかかわらず大勢が転倒する波瀾の展開。そのなかでMonster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンスは完璧な走りを見せ、粘り強さが実ってそれぞれ4位と10位を獲得した。チェッカーを受けたのは出場全18台中わずか10台だった。

前日のスプリントで転倒したF・モルビデリ選手の欠場により、クアルタラロ選手とリンス選手はグリッド・ポジションをひとつずつ前に進め、それぞれ6番手と16番手からスタートすることとなった。

クアルタラロ選手はオープニングラップの混乱のなかでポジションを下げて8番手。2ラップ目にはPrima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手に先行されたが、4ラップ目に前方で転倒があり再び8番手となった。そして9ラップ目にはミラー選手を抜き返して7番手。次のターゲットとなるJ・ザルコ選手(ホンダ)からは1秒以上離されていたが、少しずつその差を詰めながら数ラップにわたり懸命の走りを続けた。レース後半には第1コーナーで3台が次々に転倒したため自動的に4番手に浮上。後方からはF・アルデゲル選手(ドゥカティ)が近づいて来ていたが、これを抑えきってそのままゴールした。トップとの差は18.738秒だった。

リンス選手はオープニングラップを16番手で終えたあと小椋藍選手(アプリリア)に先行されて17番手。しかし4ラップ目に前方で2台が転倒したため15番手に浮上した。その後はほとんどの時間帯で単独走行となり、自分のリズムに集中して我慢の走りを続けるうちに、さらに5台が転倒。これにより自動的に10番手に上げてゴールし、6ポイントを手中にした。トップとの差は39.419秒だった。

この結果、クアルタラロ選手は合計87ポイントでランキング10位、リンス選手は合計41ポイントでランキング18位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計128ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計118ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。

Prima Pramac Yamaha MotoGP
ミラー選手8位、オリベイラ選手は転倒リタイア

Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手が8位獲得と健闘。チームメイトのM・オリベイラ選手は3ラップ目に転倒リタイアした。

ドライ・コンディションにもかかわらず大勢が転倒する'サバイバルレース' となった決勝で、ミラー選手は最後まで走り切り8位でゴール。オリベイラ選手は3ラップ目の最終コーナー進入で転倒し、早々にリタイアとなった。

ミラー選手とオリベイラ選手はそれぞれ8番グリッドと11番グリッドからスタートし、序盤の混乱を抜けて順調にペースを上げていた。F・モルビデリ選手(ドゥカティ)の転倒後、ミラー選手はラインを外してふたつポジションを下げたものの、すぐさま挽回し、4ラップ目にはP・アコスタ選手(KTM)の転倒もあり7番手まで上がっていた。

オリベイラ選手はこの時点ですでに戦列を離れており、チームはミラー選手に希望を託すのみ。18ラップ目にはF・ディ・ジャンアントニオ選手(ドゥカティ)とJ・ザルコ選手がほぼ同時に転倒し、ミラー選手は一時6番手まで浮上した。その後はL・マリーニ選手(ホンダ)やB・ビンダー選手(KTM)と激しいバトルを展開しながら懸命にポジションをキープしていたが、終盤はタイヤの消耗が激しくなり、ふたりを抑えきれずに8番手に後退した。

スプリントと決勝で計13ポイントを加算したミラー選手は合計46ポイントでランキング16位、オリベイラ選手は合計6ポイントでランキング23位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計55ポイントでチーム・ランキング11位となっている。

Moto2

Blu Cru Pramac Yamaha Moto2
ゲバラ選手8位、アルボリーノ選手は転倒リタイア

Blu Cru Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ選手は8位を獲得し、T・アルボリーノ選手は転倒リタイアに終わった。アルボリーノ選手は予選3位と好調で、決勝でも好成績が期待されていたが、6ラップ目に転倒した。

アルボリーノ選手はシグナル・グリーンとともに飛び出してトップで第1コーナーに進入。D・オンジュ選手、B・バルタス選手、S・アギウス選手(いずれもカレックス)がこれに続き、トップ集団を形成した。2ラップ目にはオンジュ選手が前へ出たが、その2ラップ後の第1コーナーでアルボリーノ選手が迷うことなく反撃。さらに2ラップ後に再びオンジュ選手がトップに立ったときも楽について行ったが、下りの難所「ウォーターフォール・コーナー」に続くブレーキング・ゾーンで転倒を喫した。

レースはその後、20ラップ目に赤旗が提示されてそのまま終了。ゲバラ選手は挽回のチャンスを得られないまま8位でゴールした。11番グリッドから好スタートを切り序盤でふたつポジションを上げていたが、その後はリアグリップ不足もあり、リズムをつかむことができなかった。転倒車の影響で最終的に8番手まで上がり、貴重なポイントを持ち返った。

この結果、ゲバラ選手は合計45ポイントでランキング15位、アルボリーノ選手は合計34ポイントでランキング17位。BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は合計79ポイントでチーム・ランキング10位となっている。

MotoGP RACE RESULT

MotoGP LAP CHART

Moto2 RACE RESULT

MotoGP RIDERS RANKING

MotoGP CONSTRUCTORS RANKING

Moto2 RIDERS RANKING

COMMENT

MotoGP

Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(4位)

「トリッキーなコンディションでした。グリップが少し落ちていたのだと思います。でも私にとってはあまり大きな問題はありませんでした。前方で4台が転倒したので、今日の4位は'本物のパフォーマンス'とは言えないかもしれません。実際、フィーリングは最初から最後まであまり良くなかったこともあって、心から喜ぶ気持ちにはなれません。ミスはありませんでしたが、ラップタイムは希望に届かず、トップから大きく離されてしまいました」

A・リンス選手(10位)

「今回はいつもとは違っていました。非常に厳しいウイークでした。初日の問題が最終日まで続いてしまいました。今日は最初の3~4ラップでは小椋藍選手やR・フェルナンデス選手とバトルできましたが、彼らがプッシュを強めると途端について行けなくなりました。他のヤマハ勢には同じ問題が出ていないようですが、私はペースを上げることができませんでした。次のブルノで改善できるよう、分析と作業を続けていきます」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)

「今日のレースではこのコースの難しさを改めて思い知らされたと同時に、私たちのライダーの粘り強さを証明することができたと思います。ファビオ(クアルタラロ)は昨日のような絶好のスタートにはなりませんでしたが、そこから懸命に挽回して最大限の結果を持ち返ってくれました。ライバルのミスによるものであることは間違いありませんが、終盤の堅実な走りは彼のスキルの高さを大いにアピールしていました。アレックス(リンス)はウイークを通じてマシンに好感触を得られないまま終わってしまいました。しかし幸い次回が翌週に迫っているので、自信を取り戻させるべくチーム一丸となって後押しします」

Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(8位)

「誰にとっても非常にトリッキーなレースでした。そのなかで最後まで走り切り、ポイントを獲得できたことをうれしく思っています。好スタートを決めて混乱の第1コーナーを切り抜けたあとは、マシンのフィーリングが良く、とても気持ちよく走ることができました。序盤でザルコとクアルタラロを捉えようとペースを上げましたが、中盤あたりからは少しずつ苦戦するようになってきたので、やや力を緩めて残り8ラップまでは何とか乗り切りました。そこでマップ3に変更すると、突然難しい状況になり、最終コーナー立ち上がりと第11コーナー進入の向き替えで苦戦するようになってしまいました。おそらくマッピングとタイヤとのコンビネーションの問題だと思いますが、あのあとはどうすることもできず、マリーニとビンダーを抑えたかったのですが、最後は先を譲ることになってしまいました。それでも両レースでポイントを獲得できたので全体的には好調なウイークだったと思っています。もっと上げられれば良かったのですが、今は次のレースに気持ちを切り替えていきます」

M・オリベイラ選手(DNF)

「最終コーナーでフロントから転倒してしまいました。第8コーナーでラウル・フェルナンデスに抜かれたあとイン側に戻って抜き返しましたが、その時点でマリーニからやや離されてしまいました。それでも少しずつ追い上げていたのですが、最終コーナー進入でわずかに早くブレーキをかけ、いつもより3度傾け過ぎた感じになり転倒してしまいました。レースが始まったばかりの奇妙な転倒でした。決勝でどこまでペースを上げられるか楽しみにしていたのでとても残念です。あのあと大勢がリタイアしたので、私は貴重なポイントを失ってしまったような気持ちです」

G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)

「楽な戦いではありませんでしたが、ジャック(ミラー)については、誰にとってもタフなレースで素晴らしい仕事をしたと思います。終盤は残念ながら、何かが足りずにポジションを下げましたが、転倒車が続出したなかでは完走することが非常に重要でした。無用なミスをせず、とてもスマートなレース展開でした。ミゲール(オリベイラ)のほうは残念な結果になりました。ここまでの調子を見る限り、進化をアピールして間違いなくトップ10に入っていたずです」

Moto2

Blu Cru Pramac Yamaha Moto2
I・ゲバラ選手(8位)

「始めからあまり気持ちよく乗れていませんでした。リアタイヤが適切に機能せず、どうすることもできない状態でした。なんとかポジションを守ろうとしましたが、みんなが私を抜いて行きました。レース後半になると少しずつ状況が良くなってきて、少なくとも安定したペースをキープできるようになりました。しかし序盤の数ラップの影響が大き過ぎました。次のブルノで同じことが起こらないよう、今日のデータを徹底的に分析する必要がありそうです」

T・アルボリーノ選手(DNF)

「最高のチャンスを逃してしまいとても残念です。でもあの瞬間までの展開は満足できるものでした。オンジュは坂を下りきったところのブレーキングがうまく、そこで抜かれたわけですが、それまではほとんど私が前を走っていたので彼の限界を見極めるチャンスがありませんでした。彼のオーバーテイクに反応し、抜き返したかったのですが、現実的には場所もタイミングも最適ではありませんでした。非常に残念ですが、レースはこういうものです。今回は初日からずっと好調を維持してきて、そのことが最も重要なので、ここからさらに積み上げて前に進んでいくだけです」

A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)

「このスポーツには転倒がつきもので、そのなかでトニー(アルボリーノ)に怪我がなかったことが最も重要です。それに彼の今回のパフォーマンスにはとても満足しています。ウイークを通じて順調で、ウエットでもドライでも上位をキープしました。決勝では絶好のスタートを切り、最高の形でレースをリードしました。その後も懸命にプッシュし、後続を引き離そうとさえして彼の真の速さを証明しました。そのあと転倒し、計画は狂ってしまいましたが、彼がドライ・コンディションでも着実に進化しているという認識に変わりはありません。イサン(ゲバラ)はあまりペースが上がりませんでした。リアグリップ不足を感じていることと、このような変わりやすい天候のなかでは、私たちもセッティングを十分に詰め切るチャンスがありませんでした。いずれにしても彼は自分の力を最大限に発揮してチャンピオンシップの重要なポイントを持ち返ってくれました」

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