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MotoGP/Moto2

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。

Rd.11 7月13日 ドイツ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第11戦ドイツGP
■開催日:2025年7月12日(土)予選・スプリント
■開催地:ザクセンリンク/ドイツ(3.671km)

MotoGP
■コースコンディション:ウエット
■予選 気温:15度/路面温度:17度
■スプリント 気温:14度/路面温度:18度
■周回数:15周(55.065km)
■PP:M・マルケス(1分27秒811/ドゥカティ)
■FL:M・マルケス(1分28秒826)

Moto2
■コースコンディション:ウエット
■予選 気温:14度/路面温度:18度
■PP:J・ディクソン(1分33秒487/ボスコスクーロ)

REPORT

MotoGP

Monster Energy Yamaha MotoGP
クアルタラロ選手が3位表彰台獲得

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手が灰色の雨雲に覆われたザクセンリンクで輝いた。予選7番手、スプリントで3位を獲得し、同レースで自己通算2度目となる表彰台に上った。チームメイトのA・リンス選手はスタート直後の第1コーナーで大きくはらむアクシデントがあったが、15番手まで挽回してチェッカーを受けた。

クアルタラロ選手はウエット・コンディションで行われたQ2で7番手を獲得。スプリントではグリッド2列目から好ダッシュを決め、そのまま果敢に攻めて3番手につけた。3ラップ目にはF・モルビデリ選手(ドゥカティ)が転倒したため自動的に2番手に浮上。その後は2ラップ連続でファステストラップを記録するなど好調を維持し、ハイペースでトップのM・ベゼッキ選手(アプリリア)を追って行った。しかし追いつく前に後方からM・マルケス選手(ドゥカティ)が迫り、8ラップ目には抑えきれずに3番手に後退。さらにはF・ディ・ジャンアントニオ選手(ドゥカティ)が少しずつ差を詰めてきたが、懸命に守り切って3位でチェッカーを受けた。トップとの差は4.361秒だった。

リンス選手はQ1で8番手。スプリントはM・ビニャーレス選手(KTM)の欠場を受けてグリッド17番からスタートした。しかし直後の第1コーナーで大きくはらんで最後尾まで後退。ここから挽回を目指し、小椋藍選手、R・サバドーリ選手(ともにアプリリア)、L・マリーニ選手(ホンダ)らを次々にパスし、またモルビデリ選手の転倒もあり4ラップ目には15番手に浮上した。このあとはJ・ミル選手(ホンダ)の後方につけてオーバーテイクのチャンスを窺うも、わずかに届かず、そのまま15位でチェッカー。トップとの差は23.575秒だった。

この結果、クアルタラロ選手は合計74ポイントでランキング10位、リンス選手は合計35ポイントでランキング18位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計109ポイントでチーム・ランキング7位、ヤマハは合計105ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。

Prima Pramac Yamaha MotoGP
ミラー選手が5位獲得 オリベイラ選手は11位

Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手がスプリントで今季自己ベストタイとなる5位を獲得。チームメイトのM・オリベイラ選手も11位と健闘した。

前日から好調ぶりを見せ、プラクティスでは8番手につけてQ2に進出したミラー選手。Q2序盤で転倒がありマシンを乗り替える事態となったが、ウエット・コンディションに最適なセッティングでないにもかかわらず懸命にペースを上げて9番グリッドを獲得した。

スプリントでは好スタートを切ったあと、2速にシフトアップしたところで捨てシールドに乗りリアタイヤがスリップ。これにより11番手まで後退してしまったが、すぐさま挽回し、1ラップ目でF・バニャイヤ選手(ドゥカティ)とJ・ザルコ選手(ホンダ)、続いてB・ビンダー選手(KTM)、さらに3ラップ目にはA・マルケス選手(ドゥカティ)を捉え、モルビデリ選手の転倒もあり6番手に浮上した。

8ラップ目にはP・アコスタ選手(KTM)がコースアウトする間に5番手に浮上。終盤はほぼ単独走行のままポジションを守りきり、第3戦アメリカGP以来2度目となる今季最高の5位でチェッカーを受けた。

一方、Q1からQ2進出を目指したオリベイラ選手はトップ2にわずかに届かず3番手にとどまったが、M・ビニャーレス選手がスプリントを欠場することとなったため12番グリッドにマシンを並べた。

しかしスタート直後からリア・グリップに苦戦して思うようなプッシュができず、慎重な走りでポジションをキープ。終盤はバニャイヤ選手やアコスタ選手とのバトルのなかで奮闘し、11位でゴールした。

この結果、ミラー選手は合計38ポイントでランキング16位に浮上し、オリベイラ選手は合計6ポイントでランキング22位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計47ポイントでチーム・ランキング11位をキープしている。

Moto2

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
アルボリーノ選手がフロントロー獲得 ゲバラ選手は11番グリッド

断続的に雨が降る難しいコンディションのなか、BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手が予選3番手と健闘。チームメイトのI・ゲバラ選手はQ1で3番手を獲得してQ2に進出し、予選11番手、グリッド4列目につけた。

このところマシンのフィーリングがつかめず苦戦していたアルボリーノ選手。しかしこの日は不安定なコンディションのなか、持ち前のウエット・スキルを発揮して好位置をキープした。午前中に行われたフリープラクティス第2セッション(FP2)ではトップタイムをマーク。Q2でも好調を維持し、3番手につけて今季初となるフロントロー・スタートのチャンスを獲得した。

ゲバラ選手も堅実な走り見せた。前日はチャタリングの問題に苦戦していたが、しっかり対応し、Q1で3番手と健闘。しかしQ2ではリアタイヤのフィーリングに変化があり、同様のパフォーマンスができずに11番手で終えた。

MotoGP QUALIFYING RESULT

MotoGP SPRINT RESULT

Moto2 QUALIFYING RESULT

COMMENT

MotoGP

Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(3位)

「1ラップ目が超重要だということはわかっていました。そして私自身、始めからプッシュできると確信していました。その後はタイヤ・グリップがもっと落ちてくると予想していましたが、加速が非常にスムースで、スライドしないように気をつけながら何周にもわたりペースを維持することができました。雨のなかでこれほど速く走れるとは思っていませんでした。明日もベストを尽くし、最大限を注ぎ、結果を待ちます」

A・リンス選手(15位)

「ファビオ(クアルタラロ)やジャック(ミラー)と同等のペースで走ることはできませんでした。原因を探らなければなりません。ほとんどずっとミル選手の後ろについていましたが、どうやら第2セクターで差をつけられてしまうようでした。これも解決しなければなりません。明日の決勝も間違いなく厳しい戦いになりますが、ポジティブな気持ちを維持して頑張るだけです」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)

「今日はコンディション変化に苦しめられました。雨が弱まったり、また激しくなったりとコンディションを予測しにくく、ライダーにとっては非常に難しい状況でした。そしてスプリントの15ラップのなかでも変化は続きました。ファビオは路面が最も濡れていたスタート時に素晴らしい仕事をしました。このときの計算された大胆なオーバーテイクが表彰台へのポジションを確立したのです。一方でアレックス(リンス)は難しい展開を強いられました。グリッド17番からスタートしたあと第1コーナーではらんでしまい、そこから挽回を目指しました。明日の天気はまだ不確実です。午前中のウォームアップ・セッションのコンディションが午後の決勝まで続くという保証もありません。つまり私たちはウォームアップ・セッション、決勝のサイティング・ラップとウォームアップ・ラップ、さらに最初の数ラップでコース・コンディションに適応する必要があるのです」

Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(5位)

「アップダウンの激しい一日でした。FP2(フリープラクティス第2セッション)は好調で、マシンがとてもよく走っていて、さらにどんどん良くなっていく感じがありました。そのあとのQ2では、リアにミディアム・コンパウンドを履いて出て行ったら雨が少し強くなり始めました。そのなかでもタイヤの右側をうまく使おうと苦心していたのですが、第3コーナーの立ち上がりで方向を変えて左側に負荷をかけた途端、私は月まで飛ばされてしまいました。すぐにピットに戻って別のマシンに飛び乗りましたが、これがちょっと問題で、基本的にサスペンションを柔らかめにしたドライ用のセッティングになっていて、リンケージもホイールベースもこの状況には合っていませんでした。そのため非常に滑りやすかったのですが、なんとか数ラップ頑張って走り、グリッド3列目を手に入れました。スタートダッシュはうまくいきましたが、そのあと捨てシールドに乗ってしまい、マシンがスライドして加速できず、ポジションを下げてしまいました。そのため序盤の数ラップは遅れを取り戻すために懸命にプッシュしなければなりませんでした。バニャイヤ、ザルコ、それからビンダーとアレックス・マルケスを抜き、ディジア(ジャンアントニオ)とアコスタを追って行きました。ペースは同等でしたが、十分に詰め切ることができませんでした。最後はタイヤをいたわってオーバーヒートを避け、堅実に5位で守り切りました」

M・オリベイラ選手(11位)

「Q1ではリアにミディアム・コンパウンドを履いてスタートし、すぐさま良いフィーリングをつかめたのですが、路面が乾き始めたのでタイヤを交換しようとピットに戻ったところで雨がさらにひどくなりました。わずか3ラップの間に決断しなければならないことで、残念ながらそれがうまくいきませんでした。スプリントはリアにソフトを選びましたが、ほとんどグリップしてくれませんでした。午前中のFP2(フリープラクティス第2セッション)と同じ問題にぶつかり、マシンが安定せず、推進力もグリップも得られませんでした。セッティングについて何らかの見直しが必要です」

G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)

「ポジティブな一日だったと言えます。ジャック(ミラー)のレースは素晴らしく、無用なリスクを避けてスマートに展開し、5位という見事な成績を持ち返りました。クアルタラロ選手が表彰台に上り、ジャックも5位と健闘したことはヤマハにとってうれしい結果です。ミゲール(オリベイラ)はリア・グリップに悩んでおり、その原因を調査する必要があります。明日もまたウエットなのか、そうではないのか気になるところですが、今は今日の結果をシーズン最高のレースの一つとして受け止めたいと思います」

Moto2

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(3番手/1分33秒562)

「天候変化に翻弄され、コーナーごとに状況が違うような難しいコンディションでしたが、そのなかで好結果を得ることができとてもうれしいです。どこでグリップし、どこでグリップしないかを判断するのが難しく、マシンは激しくスライドしていました。コンディションに関するチャレンジに加え、予選セッションでは、あまり気に入らなかったセッティング変更を行いました。でもリズムをつかむことに集中するうちに少しずつ良くなっていきました。フロントローは私たちの目標でした。オーバーテイクが非常に難しいこのコースでそれを達成することができ、序盤でタイヤをコントロールするためにも重要な成果が得られたと考えています。先週、ヨーロッパ選手権でボルハ・ゴメス選手が亡くなり、正直言えばここに来たくないような気持ちでした。明日の決勝は彼に捧げます」

I・ゲバラ選手(11番手/1分35秒867)

「Q2進出を目標にしていたので、今日の結果に満足するべきでしょう。大量の水がコースに出ていて、その状況が刻々と変化するなかで、すべてを完璧に揃えるのは簡単ではありません。もともとグリップの低いコースであり、とくにわずか3カ所しかない右コーナーではタイヤを十分に暖めるのが大変です。Q1では好タイムを記録できましたが、Q2では同様のフィーリングが得られず、たった数分前にできたプッシュを再現することができませんでした。前方グリッドでもないしオーバーテイクが難しいコースではありますが、明日はトップグループについて行くため全力を尽くします」

A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)

「天候以外は良い一日でした。コース・コンディションが次々に変わり、フルウエットになったり完全に乾くかに見えたりと難しい状況でしたが、トニー(アルボリーノ)は午前中のセッションからずっと速さを維持していました。私たちは彼が画面に映るたびにわくわくさせられ、同時に、彼自身の士気を高めるためにも重要な機会になったと思っています。イサン(ゲバラ)もまたいい仕事をしてくれました。彼のチームスタッフも同様で、午前中は問題にぶつかったもののセッティングを改良してQ1では大きくジャンプアップしました。ラップを重ねるたびにどんどん良くなっていき、Q2に進むことができました。しかしQ2ではタイヤに悩まされ、Q1と同様のフィーリングが得られず最終的に11番手となっています」

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