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MotoGP/Moto2

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。

Rd.10 6月29日 オランダ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第10戦オランダGP
■開催日:2025年6月29日(日)決勝
■開催地:アッセン/オランダ(4.542km)

MotoGP
■周回数:26周(118.092 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度 ■路面温度:41度
■PP:F・クアルタラロ(1分30秒651/ヤマハ)
■FL:F・バニャイア(1分32秒220/ドゥカティ)

Moto2
■周回数:22周(99.924 km)
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:23度 ■路面温度:38度
■PP:D・モレイラ(1分34秒777/Kalex)
■FL:D・モレイラ(1分35秒580/Kalex)

REPORT

クアルタラロ選手10位、リンス選手13位

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンス選手はレース序盤の混乱の影響を受けて大きく後退。そこから挽回を目指して懸命にプッシュし、それぞれ10位と13位でチェッカーを受けた。

Monster Energy Yamaha MotoGPとPrima Pramac Yamaha MotoGPの4名のライダーは、ヤマハ発動機の創立70周年を記念するスペシャル・カラーのマシンで出場。そこには同社のレースの伝統と両チームの団結力が表現されていた。

ポールシッターのクアルタラロ選手はスタートでやや出遅れて最初の2ラップで7番手まで後退。その後トップグループから徐々に離されると、後方からは数台が追い上げてくる展開となった。そして5ラップ目にM・ビニャーレス選手(KTM)、6ラップ目にF・アルデゲル選手(ドゥカティ)に抜かれた直後、アルデゲル選手が目の前で転倒。これを避けてコースアウトを強いられ、この間に13番手まで後退してしまった。

ここから挽回を目指したクアルタラロ選手は13ラップ目にJ・ザルコ選手(ホンダ)をパス。続いて9位争いの3台との差を詰めていき、18ラップ目にJ・ミラー選手、さらに3ラップ後にB・ビンダー選手(KTM)をとらえて10番手に上がった。残り数ラップはE・バスティアニーニ選手(KTM)の後方に迫り、オーバーテイクのチャンスを窺うもわずかに届かず、10位でチェッカーを受けた。トップとの差は23.743秒だった。

リンス選手は18番グリッドから挽回を目指したが、オープニングラップの混乱に巻き込まれてポジションダウン。しかしその後、前方でライバルたちの転倒があり、6ラップ目には14番手まで挽回した。この時点で目の前が開けた状態だったため自分のリズムを守って走行。レース中盤には自己ベストを記録するなど順調に周回を重ね、徐々にミラー選手やザルコ選手に近づいていった。残り3ラップでふたりをパスし、さらに最終ラップではビンダー選手の背後に迫ったが、ゴールライン直前でザルコ選手に抜き返されて13位となった。トップとの差は24.882秒だった。

この結果、クアルタラロ選手は合計67ポイントでランキング11位、リンス選手は合計35ポイントでランキング17位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計102ポイントでチーム・ランキング7位タイ、ヤマハは合計98ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。

次回、第11戦ドイツGPは2週間後の7月11~13日、ザクセンリンクで開催される。

ミラー選手14位、オリベイラ選手は転倒リタイア

伝統のアッセンTTサーキット第100回大会となった今年のMotoGPは、ウイーク通算200,104人、決勝日だけで109,499人の大観衆を集めた。そのなかでPrima Pramac Yamaha MotoGPは、ヤマハ発動機の創立70周年を祝うスペシャル・カラーのマシンを走らせ、J・ミラー選手が14位を獲得、M・オリベイラ選手は8ラップ目、オープニングラップの転倒で損傷したハンドルバーの不具合によりリタイアした。

レーシングラインが狭く、オーバーテイクが難しいこのコースで二人は苦戦を強いられた。ポジションアップよりもリズムをキープすることが重要という状況のなか、ミラー選手はグリッド・ポジションと同じ14位でフィニッシュ。その走りは常に安定しており、7ラップ目に一時10番手まで上がったあと9~18ラップは11番手をキープ。最後の数ラップでライバルたちと激しく競り合い、最終的に14位でチェッカーを受けた。

オリベイラ選手は絶好のスタートを切ってポジションを上げるも、すぐさまオープニングラップの混乱に巻き込まれてしまう。第5コーナーでは前の数台が突然ペースを落とした影響でオリベイラ選手のリアに接触があり、その衝撃で隣を走っていた小椋藍選手にぶつかってしまった。2台はコースアウトし、オリベイラ選手はフロントカウルとハンドルバーを損傷。ピットに戻り、カウルを交換して1ラップ遅れでコースに復帰したが、ハンドルバーのダメージが予想以上に大きく、安全な走行が継続できないことから8ラップ目にリタイアを決めた。

この結果、ミラー選手は合計33ポイントでランキング18位、オリベイラ選手は合計6ポイントで23位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計42ポイントでチーム・ランキング11位となっている。

このあとオリベイラ選手はチェコのブルノ・サーキットに移動してプライベート・テストに参加。ミラー選手は8月2日に開催される第46回鈴鹿8時間耐久レースのテストのため日本へ向かう。チームは7月11~13日の第11戦ドイツGPで再び合流する。

Moto2
アルボリーノ選手13位、ゲバラ選手は転倒リタイア

10万9千人の大観衆が見守るなか行われた決勝でBLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手は13位、I・ゲバラ選手は2ラップ目に転倒してリタイアとなった。

ウイーク初日は素晴らしい走りを見せていた二人だが、決勝ではポテンシャルを出しきれなかった。アルボリーノ選手は第1コーナーで2台のマシンの間にはさまる格好となり、スロットルを戻してポジションダウン。レースを通じてペース自体は良かったものの、オーバーテイクに手間取り十分に挽回することはできなかった。

ゲバラ選手は18番グリッドから絶好のスタートを切り4つポジションを上げたが、2ラップ目の第8コーナーでフロントを滑らせて転倒した。幸い怪我はなかった。

この結果、ゲバラ選手は合計37ポイントでランキング15位、アルボリーノ選手は合計34ポイントでランキング17位。BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は合計71ポイントでチーム・ランキング10位となっている。

チームは2日後の火曜日、チェコのブルノ・サーキットでテストを行い、7月11~13日の第11戦ドイツGP(ザクセンリンク)に備える。

MotoGP RACE RESULT

MotoGP LAP CHART

Moto2 RACE RESULT

MotoGP RIDERS RANKING

MotoGP CONSTRUCTORS RANKING

Moto2 RIDERS RANKING

COMMENT

MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP

F・クアルタラロ選手(10位)

「スタートはあまり良くなかったのですが、それほどひどかったわけでもなく、他のライダーたちが素晴らしかったということです。序盤は非常に厳しい展開でグリップがまったく感じられませんでした。何かが足りないのです。前を走っていたフェルミン(アルデゲル)が転倒したときに、コースアウトして8~9秒遅れてしまいました。すぐ目の前だったので、どうすればいいのかわからなくなってしまったのです。コーナリングを続けたかったのですが、マシンとフェルミンがこちらへ向かってきたので、私はスロットルを開けてグラベルに突っ込んでしまいました。ポジションを下げてコースに戻ったあと、そこからのオーバーテイクはとても難しい状況でした。今日は、とくにレース後半は、ライバルたちの後ろについていなかったとしたら、もっとずっと速く走れたと思います」

A・リンス選手(13位)

「これが精一杯という状況で、非常に厳しいレースになりました。1周目の第5コーナーでオリベイラ選手が他のライダーと接触し、それを避けるために私も転倒しそうになりました。そのあとはポジションの挽回を目指し、前との差を詰め、ようやく14位か15位まで上がりました。懸命にプッシュし続けて数台を抜くこともできました。しかし、仮にオープニングラップのアクシデントがなかったとしても、難しい展開に変わりはなかったと思います。苦戦の原因はわかっているので、その解決にしっかり取り組む必要があります。私たちとしては、コース上で全力を尽くしています」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)

「今回のレースが楽ではないことは初めからわかっていました。それに加えて、ふたりはコース上で起きたさまざまなアクシデントに対応しなければなりませんでした。ファビオ(クアルタラロ)はポールポジションからスタートしましたが13番手まで後退し、そのあと挽回して10位となりました。アレックス(リンス)は18番グリッドからスタート後、序盤は混乱に巻き込まれ、中盤は良いペースで走行して13位でゴールしました。残念ながら、創立70周年を祝うレースに期待していた目標には届きませんでした。次のドイツGPまで休むことなく作業を続けます。このあとはブルノに移動して2日間のプライベート・テストを行います」

Prima Pramac Yamaha MotoGP

J・ミラー選手(14位)

「レース中はほとんどずっと、集団の真ん中に閉じ込められたような状況でした。長い間エネア(バスティアニー二)の後ろにつけていましたが、結局どうすることもできませんでした。ファビオ(クアルタラロ)が抜いていったときでさえ、彼に一体何ができ
るのだろうと考えていたくらいです。彼のほうがスピードはありましたが、それでも前に出られず閉じ込められていたのです。皆がほとんど同じペースで走っているとすれば、基本的に誰かのミスを待つしかありません。それ以外にはオーバーテイクは本当に難しく、実際にできることはほとんどないのです。その他にはエンジン・ブレーキに少し問題がありました。3ラップ目にマップ2に変更し、10ラップ目にマップ3に変更したのですが、もうそれで終わりという感じになり何もできませんでした。このウイークを通じて価値あるデータを集めることができました。良かった点もありましたし、改善が必要な部分もありました。次のドイツに期待します」

M・オリベイラ選手(DNF)

「非常に残念なスタート直後のアクシデントでした。今回も好スタートを切って3つポジションを上げ、すべてが順調に進んでいました。ところが第5コーナーで他車のリアタイヤに接触して投げ出されそうになりました。しかし幸い小椋選手がそこにいて、私を支えるような格好になりました。しかしそのあとは2台ともコースアウトしてしまい、彼は転倒し、私はなんとかコースに復帰しましたがフロントカウルが壊れ、ハンドルバーも曲がっていました。それでも走行を続けようとして、一旦ピットに戻りカウルを交換してコースに戻りました。レッドフラッグを期待しましたが数ラップ後にリタイアせざるを得なくなりました。今日は必ずいいレースができる自信がありましたし、トップ10を目指していたので本当に残念です。結局、ポイントを獲得できずにウイークを終了することになってしまいました。これが現実です」

G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)

「ヤマハにとって大切なレースだったので本当に残念です。もっと良い成績を持ち帰ってきたかったです。私たちはおもに決勝ペースに重点をおいています。いくつかアイディアもありすでに取り組み始めているので、できるだけ早く結果につなげられるよう期待しています。ふたつのチームの協力関係は素晴らしく、好成績を目指すモチベーションが高まっており、それほど遠くない時期に良い成績を達成できると信じています。このあとはブルノで2日間のテストを行います。前進を目指します」

Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2

T・アルボリーノ選手(13位)

「絶好のスタートを切ってすぐにポジションを上げました。ところが第1コーナーの混乱のなかでディクソンとファン・デン・グールベルグの間にはさまってしまい、スロットルを閉じるしかなく大きく遅れてしまいました。ペース自体はトップグループとほとんど変わらなかったので残念です。その後はオーバーテイクに苦戦し、最終的には数ポイントを持ち返るだけになってしまいました。今回は、マシンのフィーリングをどうすれば改善できるかを、よく理解しようとしたレースでした」

I・ゲバラ選手(DNF)

「今季中、最も奇妙なレースウイークだったと思っています。初日は絶好調で、トップグループとほぼ同等のペースが出ていました。ところが予選で困難にぶつかり、18番グリッドからのスタートとなってしまいました。決勝のフィーリングは良かったのですが、2ラップ目に転倒してしまいました。しかも実際に何が起きたのか未だによくわからない状態です。このあとブルノで数日間のテストを予定しています。作業を継続し、問題を解決して本来の力を発揮できるようになるための重要なチャンスです」

A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)

「イサン(ゲバラ)の転倒は非常に残念です。昨日は絶好調で、とくにFP2ではトップグループと互角に戦えるだけの素晴らしいペースを見せていました。今日の決勝でもラップタイムが好調ぶりを証明していたのです。怪我がなかったことが幸いです。ブルノのテストにも参加できそうです。トニー(アルボリーノ)のほうは、残り5ラップまで3位のライダーと同等のペースで走っていました。ここまでの数戦と比べて大きな進歩です。しかし残念ながら、前のライダーにペースで優ってもオーバーテイクは難しい状況でした。また終盤は腕に問題が出始めてペースダウンを強いられました。このような結果に終わりましたが、今回はマシン・セッティングの面で手応えを感じることができました。改善につながる何かが見つかったと確信しています」

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