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MotoGP/Moto2

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。

Rd.10 6月29日 オランダ

 

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第10戦オランダGP
■開催日:2025年6月27日(金)プラクテイス、28日(土)予選・スプリント、29日(日)決勝
■開催地:アッセン/オランダ(4.542km)

CIRCUIT DATA

■開設:1955年
■コース長:4.542km
■ベストレースラップ:1分31秒866(2024年:F・バニャイア)
■オールタイムラップレコード:1分30秒540(2024年:F・バニャイア)
■2024年の優勝者:F・バニャイア(ドゥカティ)

REPORT

MotoGP
ヤマハ70周年を目前に控えた重要な一戦へ

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンス選手は今週末、オランダはアッセンTTサーキットで第10戦オランダGPを迎える。

クアルタラロ選手はMoto3デビュー・イヤーの2015年に2位、2018年にMoto2で同じく2位、MotoGPでは2019年に3位、2021年に優勝、2023年のスプリントで3位など多くの好成績を残してきた。今回はもう一つ好成績を積み上げ、ランキング10位からの上昇を目指す。

リンス選手もまた、このコースとは相性がいい。2013年と2014年にMoto3でそれぞれ3位と2位、Moto2に昇格した2015年は4位、MotoGPでは2018年に2位を獲得して表彰台に復帰した。今シーズンは第9戦終了時点でランキング17位にとどまっており、最大限のポイント加算を目標としている。

アッセン・サーキットは、世界的なパンデミックの影響を受けて中止となった2020年を除き、1949年以来毎年、モーターサイクル・レースの世界選手権を開催してきた。当初は公道を使って行われていたが、1955年にオランダGP開催の目的でTTサーキットが建設された。現在のコースは全長4.5キロ。合計18(左6/右12)の高速コーナーと低速コーナーがバランスよく組み合わされており、なかでもメインスタンド前に設けられた最終シケインが最大の見どころとなる。モーターサイクル・レーシングの'カテドラル(大聖堂)'などと呼ばれるように、多くのライダーやファンに愛されている。

ヤマハ発動機株式会社が7月1日に創立70周年を迎えることから、今大会はMonster Energy Yamaha MotoGPおよびPrima Pramac Yamaha MotoGPにとって特別な大会となる。

Prima Pramac Yamaha MotoGP、アッセンへ向けてシフトアップ

第5戦イタリアGPから1週間、Prima Pramac Yamaha MotoGPはオランダへ移動し、'カテドラル'として広く知られる伝統的TTサーキットで第10戦に臨む。ヤマハ発動機株式会社の創立70周年を祝う大会として重要な意味を持ち、J・ミラー選手、M・オリベイラ選手をはじめチーム全員が好成績の獲得に意欲を燃やしている。イタリア・ムジェロでは良い結果を残せなかったが、YZR-M1の強みを活かせるテクニカル・コースでリベンジを目指す。

アッセンTTサーキットは流れるようなレイアウトが特徴的な高速コースとして知られ、ヘビーブレーキング・ゾーンは多くない。最も大きな違いを生むのはマシンの俊敏性と安定性で、これは、このサーキットがかつて"University of Motorcycle Racing(モーターサイクル・レーシング大学)とも呼ばれた要因である。ブレーキシステム・メーカーのブレンボによればコース全体のブレーキング負荷レベルは6段階中の下から2番目とされ、全18コーナーのうち 'ハード・レベル'にランク付けされるのは第1コーナーと第16コーナーの2カ所のみ。第1コーナーではわずか3.7秒間で時速約292キロから116キロへの減速が要求される。

イタリア・ムジェロでは過酷な暑さに苦しめられ、YZR-M1の強みを発揮することができなかったが、天気予報によれば、今回はウイークを通じてより穏やかな天候と気温に恵まれる見込み。ヤマハのエンジニアにより投入された最新技術を活用する絶好の機会となりそうだ。

アッセンはミラー選手にとって、とくに思い出に残っている特別な場所。雨に見舞われた2016年、19番グリッドから追い上げてMotoGP初優勝を成し遂げた。そのほか2017年と2022年はトップ6と健闘し、Moto3に参戦していた2014年にはポールポジションも獲得している。

オリベイラ選手もMoto3で2014年に3位、2015年に優勝など好成績を残しているほか、2013年にはポールポジションも獲得。MotoGPでは2021年の5位がベスト・リザルトとなっている。

第99戦終了時点でミラー選手は合計31ポイントでランキング19位、オリベイラ選手は合計6ポイントでランキング23位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計40ポイントでチーム・ランキング11位につけている。

Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2、アッセンへ

第9戦イタリアGPからわずか数日、BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ選手とT・アルボリーノ選手は新たな戦いに気持ちを集中している。アッセンTTサーキットで前回7位と活躍したゲバラ選手は上位キープ、実力を出し切れずに終わったアルボリーノ選手はリベンジを目指す。

ここアッセンはモーターサイクル・レーシングの歴史において最も重量な場所の一つ。流れるような高速コーナーを中心にトラクション重視のテクニカルな低速コーナーが組み合わされたコースレイアウトにより、スリリングで予測のつかないレース展開となる。また変わりやすい天候でもよく知られており、過酷な暑さの翌日に秋のような寒さに見舞われることもあり、雨がたびたび展開を左右する重要なファクターとなってきた。

ゲバラ選手はMoto3チャンピオンに輝いた2022年、グリッド3列目から挽回して2位表彰台を獲得。アルボリーノ選手もまた、2019年にはグリッド3列目から優勝したほか、Moto2では2022年と2023年に7位、2024年は6位などコンスタントに好成績をおさめている。

第9戦終了時点でゲバラ選手は合計37ポイントでランキング14位、アルボリーノ選手は合計31ポイントでランキング17位。BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は合計68ポイントでチーム・ランキング10位となっている。

COMMENT

MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP

F・クアルタラロ選手

「先週のイタリアGPは予想以上に苦戦していまいました。でもそれはもう過去のこととして、今はオランダGPに気持ちを集中しています。私はムジェロが大好きですが、アッセンも本当に大好きです。しかも実際にはアッセンのほうがヤマハには合っているかもしれないのです。だから全力尽くして、結果がついてくることに期待します。目標はいつも同じです。金曜日に直接Q2に進出し、予選でいい走りをすることです。今週はもっと上のポジションを狙っていきたいです」

A・リンス選手

「ムジェロでは良いところと悪いところがありました。たとえばQ2のスピードは素晴らしかったのですが、スプリントと決勝ではグリップもフィーリングも十分ではありませんでした。今週もその部分が課題になると思いますが、アッセンはそうした取り組みに適したコースです。さらに前進を目指します」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)

「ムジェロからアッセンへやって来ました。仕事の再開を楽しみに待っているところです。アッセンは理論上、アラゴンやムジェロよりもヤマハに適しています。しかもウイーク中は好天が予想されているので、時間を有効に使って重要な作業に取り組めそうです。また毎年応援に来てくれる大勢の熱狂的ファンも、私たちにとってはうれしい存在です。ヤマハ発動機の70周年を記念する特別な大会でもあるので、素晴らしいショーをお見せできるよう頑張ります」

Prima Pramac Yamaha MotoGP

J・ミラー選手

「ムジェロは本当に苦しい戦いでした。そのあとの数日のオフが大きな助けになり、今は気持ちをリセットして次の戦いに集中しています。バイクに乗るたび、究極のベストを尽くしたくなります。とくにこのコースではいい戦いができると信じているので、ウイークのスタートが待ちきれません。アッセンは大好きで、高速コーナーと流れるようなレイアウトの特徴が私のライディング・スタイルに合っています。そしてもちろん、MotoGP初優勝を実現した場所でもあるので特別な思い入れがあります」

M・オリベイラ選手

「ムジェロでは私たちのこのところの難しい課題が浮き彫りとなりました。そのなかでも全力を尽くし、できるだけ多くのポイント獲得を目指し、厳しい状況のなかでの最大限の結果を得られたらと思っています。ここアッセンではもう少し良い戦いができると期待しています。予選のペースを向上し、良いグリッド位置を獲得してポジティブにレースを進められるよう頑張ります」

G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)

「レースとテストが集中した緊張の1ヵ月間がまもなく終わろうとしています。今回、その成果をどこまで発揮できるか非常に楽しみにしています。理論上、アッセンはYZR-M1に適したコースであり、加えて今週は前回のムジェロよりもずっと気温が低くなると予想されているので活躍が期待できます。気持ちは非常にポジティブです」

Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2

I・ゲバラ選手

「前回のムジェロはウイークを通じて仕事のリズムが素晴らしく、決勝でも非常にいい戦いができました。ボスコスクーロ勢の上位をキープしており、このあともさらに向上することを目標としています。2週連続の開催をエンジョイしており、今回のアッセンもとても楽しみにしています。好きなコースなので、チームの全員の望みである次なる目標"表彰台"にさらに一歩近づけるよう頑張ります」

T・アルボリーノ選手

「ムジェロは期待通りにはいきませんでした。またプラクティス中のペースに基づく予想にも届きませんでした。それだけに1週間後にまたレースに臨み、新しいチャレンジに集中できることをとてもうれしく思っています。アッセンは素晴らしいサーキットです。ここでレースをするのが大好きで、優勝経験もあります。チームとともにいい仕事をして、ウイーク初日から高い競争力を発揮できることを期待しています」

A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)

「アッセンのレースはいつも、予想のつかない展開となります。おもな要因が天候です。私たちはウエット・コンディションに強いので、雨が降るとすれば何も不安はありません。もちろん、ドライだとしてもイサン(ゲバラ)には好成績を持ち返ってくれるよう期待しています。このところ非常に好調で、たびたびトップに近づいているからです。トニー(アルボリーノ)については現在、あらゆる状況下でより安定性をつかむことに注力しています」

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