MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.09 6月22日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦イタリアGP
■開催日:2025年6月21日(土)予選/スプリント結果
■開催地:ムジェロ/イタリア(5.245km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:30度/路面温度:46度
■スプリント 気温:32度/路面温度:51度
■PP:M・マルケス(1分44秒169/ドゥカティ)
■FL:F・ディ・ジャンアントニオ(1分45秒341/ドゥカティ)
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:32度/路面温度:53度
■PP:D・モレイラ(1分49秒745/Kalex)
REPORT
MotoGP
スプリントでクアルタラロ選手10位、リンス選手は18位
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンス選手はスプリントで難しい戦いを強いられ、それぞれ10位と18位にとどまった。
クアルタラロ選手はQ2で4番手を獲得。スプリントはグリッド2列目から好スタートを切り、トップを激しく競り合ったあとオープニングラップを終了時点で再び4番手につけた。その後はディフェンシブな走りとなり5ラップまでは後続を抑えていたが、後半で徐々に順位を下げ、最終的にトップから11.096秒差の10位となった。
リンス選手は9番グリッドからスタートし、第1コーナーの混乱を慎重にすり抜けて11番手を確保。3ラップ目にはJ・ミラー選手、E・バスティアニーニ選手、F・アルデゲル選手とバトルを展開し、ミラー選手をパスして一時10番手に浮上した。しかし3台の競り合いはその後も続き、13番手へ後退。ここから懸命に挽回を目指していたが、第10コーナーで他車を避けようとしてコースアウトしてさらに遅れてしまった。最後尾まで後退したあと1台抜き返して18位でゴール。トップとの差は24.661秒だった。
この結果、クアルタラロ選手は合計59ポイントでランキング10位、リンス選手は合計31ポイントでランキング16位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計90ポイントでチーム・ランキング7位、ヤマハは合計89ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
オリベイラ選手13位、ミラー選手16位
Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手とM・オリベイラ選手はQ1でそれぞれ3位と7位。ミラー選手は0.014秒差でQ2進出を逃した。スプリントではフロントにハード・コンパウンドを選択する賭けに出たが成果を得られず、好スタートのあと徐々にポジションを下げて16位。オリベイラ選手は13位となった。
チームのピットにはこの日、2006年のワールドカップ・チャンピオンで元イタリア代表チームキャプテンのファビオ・カンナバーロ氏が応援に訪れていた。同氏はスプリント・レースのチェッカーフラッグを振る栄誉も務めた。
この日のムジェロ・サーキットは過酷な暑さに見舞われ、路面温度は51度まで上昇。Prima Pramac Yamahaのふたりはスプリントでマシンの激しい振動に悩まされた。ミラー選手は好スタートを切ってオープニングラップで10番手に浮上したが、フロントのハード・タイヤが不利に働き徐々に後退。オリベイラ選手も同様に厳しい展開を強いられ、17番グリッドからスタート後、一時13番手まで挽回したものの、左コーナーでの激しい振動で本来のアグレッシブな走りができなかった。
この結果、ミラー選手は合計31ポイントでランキング16位、オリベイラ選手は合計3ポイントでランキング23位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計37ポイントでチーム・ランキング11位となっている。
Moto2
アルボリーニ選手10位、ゲバラ選手13位
Moto2予選は路面温度53度という過酷な暑さのもとで行われた。BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手とI・ゲバラ選手はボスコスクーロの気温に対する'繊細さ'に戸惑いながら、Q2でそれぞれ10番手と13番手を獲得した。全19ラップで競われる決勝は終盤のタイヤ・コントロールが重要な鍵を握ることとなる。
ボスコスクーロのマシンは気温変化に敏感なことで知られている。前日のプラクティスでは6台がトップ10に入ったが、より気温が上がったこの日の予選セッションではアルボリーノ選手を含むわずか2台に減少した。
Q2終盤、アルボリーノ選手は多くの転倒車やイエローフラッグに阻まれた。ゲバラ選手もまたクリーン・ラップを見つけられず、タイム更新がかなわなかった。その結果、グリッド・ポジションはそれぞれ4列目と5列目にとどまったが、依然としてハイペースを維持しており、決勝はトップグループでの戦いを目指す。
MotoGP QUALIFYING RESULT
MotoGP SPRINT RESULT
Moto2 QUALIFYING RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(10位)
「昨日から肩の痛みが続いていて、朝起きた時点で昨日より悪化していました。でも私はとても元気です。今日の結果は肩のせいではなく、チャタリングの問題に悩まされていたのです。それがなぜ決勝だけで出てしまったのかとても気になっています。私たちは着実に向上していますが、もっと改善が必要です」
A・リンス選手談(18位)
「第10コーナーでジャック(ミラー)をパスしようとしました。まさにそのとき限界ぎりぎりの状態で、彼に追突しそうになり、それを避けようとしてコースアウトしてしまいました。でもそれは小さなアクシデントで、それよりも今日はマシンのフィーリングに苦戦していました。Q2は非常に好調だったのですが、スプリントではその感触が十分に得られなくなっていたのです。予選は全員がとても速くて、私も1分44秒8という好タイムを記録し、自己ベストを約0.4秒も短縮できました。そのことにはとても満足しています」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「予選はとても好調で2列目と3列目を獲得できたのですが、スプリントは厳しい展開となりました。ファビオ(クアルタラロ)もアレックス(リンス)も予想に反し、ポジションを守ることで精一杯の状態でした。午後になって気温がかなり上がり、マシンの挙動が大きく変化してしまいました。そのためグリップ不足と振動に悩まされることになりました。さらにはアレックスが接触を避けようとしてコースアウトしてしまいました。データを分析し、明日に向けて改善できる箇所を探していきます」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
M・オリベイラ選手(13位)
「レースはとても難しく、本当に大変でした。とくに左コーナーで振動がひどく、3ラップ目以降はあらゆる状況がどんどん悪化していきました。タイヤの問題だけではないと思いますが、それに関連があるはずです。ヤマハ勢でポジションを上げることができたのは私だけだったと思いますが、それも非常に厳しい状況でした。明日も同様にハードな戦いになると思います。データをすべて分析し、変更を試み、何とか良いリズムをつかんで上を目指していきたいです」
J・ミラー選手(16位)
「ハード・フロントをトライしました。暑さのなかで何らかの力を与えてくれるかもしれないということと、明日の長い決勝も考慮してのことでした。しかしうまくいきませんでした。タイGPで経験したのと同様に、暑さにはハード・タイヤが良い選択だと信じていたのですが、今日はそれをうまく機能させることができませんでした。第4コーナーから第5コーナーにかけては、ブレーキを離すたびにフロントを失うような状態でした。アラビアータ・コーナーはまさに悪夢で、最終コーナーも同様に最悪でした。それでもリアタイヤをできるだけ使いながら懸命にプッシュし続けました。今は少なくとも答が出ました。もしもハード・タイヤを試していなかったとしたら、明日に向けて未だにそのことを考えていたでしょう。今の時点で状況を把握できたのはむしろ良かったと思います」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「今日もまた、気温上昇の影響の大きさを思い知らされました。Q1ではジャック(ミラー)がトップ2に僅差と迫ったことからわかるように、1ラップの速さにおいてはそれほどでもないのですが、決勝では未だに十分なペースがつかめません。やるべきことはたくさんありますが、それは初めからわかっていることで、何も恐れてはいません。ジャックは明日のことを考えてハード・タイヤを試しましたが非常に苦戦しました。選ぶべきでないものが、今はわかっています」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(10番手/1分50秒173)
「もっと上へ行けるとチームの誰もが思っていましたが、私は決してがっかりはしていません。今日の午後はマシンの感触がこれまでとは違っていて、あらゆることが難しくなっていました。コンディション変化に大きな影響を受けてしまう難しいマシンなのですが、ここまでにその対処の仕方を学んできました。あとは明日の決勝に備え、タイヤ・コントロールに重点を置いてセッティングを慎重に調整していくだけです。それが力強い走りと安定したラップタイムを維持し、レース終盤でいい戦いをするための重要な鍵になります」
I・ゲバラ選手(13番手/1分50秒299)
「マシンのフィーリングはとても良かったですし、いいペースで走れていました。明日も同様のパフォーマンスができればポジションを挽回できるでしょう。予選順位は目標に届きませんでしたが、明日の決勝では上位を目指していきます。いずれにしてもグリッド5列目からのスタートです。ここまでとても順調だったので、決勝で結果につなげられるよう頑張ります」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「午前中のプラクティスが順調だっただけに少し熱くなりすぎていたかもしれません。当然ながらもう少し上のポジションを期待していたわけです。それでもボスコスクーロ勢のトップをキープしていますし、好調であることに変わりはありません。着実に上位に近づいていますが、ここでとどまらず、さらに距離を縮めて彼らと戦いたいと思っています。レースを予測するのは難しいですが、タイヤ・コントロールが非常に重要になることは間違いありません。ライディングとセッティングの両方をしっかり仕上げたチームが最終的にトップに立つでしょう」