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MotoGP/Moto2

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。

Rd.09 6月22日 イタリア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第9戦イタリアGP
■開催日:2025年6月20日(金)プラクテイス
■開催地:ムジェロ/イタリア(5.245km)

MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■気温:33度 ■路面温度:49度

Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:32度 ■路面温度:49度

REPORT

MotoGP
クアルタラロ選手とリンス選手がQ2進出決定

第9戦イタリアGP初日、Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンス選手はプラクティス(PR)でそれぞれ5位と7位を獲得し、ともに早々にQ2進出を決めた。

クアルタラロ選手は今回、アメリカのアニメ映画『ヒックとドラゴン(原題:How To Train Your Dragon)』のキャラクター、トゥース(英語名:Toothless)をイメージしたデザインのヘルメットを公開した。FP1を6番手で終え、PRもその勢いのままに自信を持って走行を続けていた。ところがスタートから約5分後に第4コーナーで転倒、肩を亜脱臼してしまった。クアルタラロ選手はグラベルに横たわりながらも肩を元に戻し、一旦ピットに戻った。残り時間は34分。痛みをこらえながらトップ10をキープし続け、全19ラップの最終ラップで1分44秒945を記録して5位を獲得した。トップとの差は0.311秒だった。

PR終了後にフィレンツェの病院でメディカル・チェックを受け、結果はすべて良好であり、2日目以降も走行可能と判断された。

リンス選手はマシン・セッティングにやや時間を要し、FP1は12番手にとどまった。その後チームクルーとともに改善点を追求し、変更を施してPRに臨んだ。セッションを通じて懸命に走り込み、最後のタイムアタックが始まると一気にペースアップ。全22ラップ中19ラップ目で1分45秒084に更新して一時3位に浮上したが、その後ライバルたちが上回り、7番手で終えた。トップとの差は0.450秒だった。

ミラー選手とオリベイラ選手はQ2進出にあと一歩

気温33度、路面温度49度という過酷な暑さのなかで行われたPRは、トップ15台が1秒の間にひしめく接近戦となった。そのなかでPrima Pramac Yamaha MotoGPのM・オリベイラ選手とJ・ミラー選手はそれぞれ11番手と13番手につけたが、いずれもQ2進出には届かなかった。

オリベイラ選手は第2戦アルゼンチンGPの転倒以降、怪我が長引いていたが、このところは調子を取り戻しつつあり、今回は本格的な復活の兆しが見えた。Q2進出にはあと一歩届かなかったものの、その差わずか0. 125秒と迫る11番手と健闘した。

ミラー選手はセッション前半、最終コーナーで転倒。幸い大きな怪我はなかったが、その後は厳しい展開を強いられた。FP1で11番手を獲得したあと、PRは13番手で終えた。

Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2、今季最高の金曜日!

第9戦イタリアGP初日を終えたBLU CRU Pramac Yamaha Moto2のガレージに笑顔が見られた。母国ファンの声援を受けたT・アルボリーノ選手はプラクティス(PR)5番手、チームメイトのI・ゲバラ選手も10番手を獲得し、ともにQ2を決めた。

第6戦フランスGP以降、好調をキープしているゲバラ選手に対し、アルボリーニ選手はなかなかリズムをつかめず難しい状況が続いていた。しかしその間もチームクルーとともに地道に作業を続けており、今回ついにその成果が現れた格好だ。午前中のフリープラクティス第1セッション(FP1)は13位にとどまったが、その後の調整が大きな効果をもたらし、PRではすぐさまスピードを上げた。

ゲバラ選手はFP1、PRともに10番手。コンスタントに速さを維持し、決勝用セッティングでも好調ぶりを見せた。ボスコスクーロのマシンがムジェロ・サーキットによく合っており、6台がトップ10に入った。

MotoGP PRACTICE RESULT

Moto2 PRACTICE RESULT

COMMENT

MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP

F・クアルタラロ選手(5番手/1分44秒945)

「転倒がありましたが、最終的にQ2に進めることになりとてもうれしいです。転倒自体は小さいものでしたが、肩に痛みがあり、厳しい展開となってしまいました。タイムアタック中はフロント周りのフィーリングがあまり良くない状態でしたが、それでもQ2入りの目標を達成することができました。セッション後にメディカル・チェックを受け、明日の走行が許可されました」

A・リンス選手(7番手/1分45秒084)

「今日は非常に順調でした。Q2進出を決めただけでなく、チームとともに素晴らしい仕事ができたことが非常にうれしいです。午前中はマシンに苦戦し、厳しい状況でした。でもチームと話し合い、ペースアップとフィーリング向上に必要なものを洗い出しました。そして懸命の作業を通じて直接Q2に進むことができたのです。明日はもう一歩前進を目指します」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)

「困難が何もなかったというわけではありませんが、結果に不満はありません。ファビオ(クアルタラロ)は転倒で肩を亜脱臼してしまいましたが、それによるダメージはありませんでした。彼はタフ・ガイであるだけでなくムジェロのコースが大好きなので、決して走行をあきらめませんでした。サポートしてくれたコース・マーシャルとメディカル・スタッフに感謝しています。痛みをこらえて記録したタイムは素晴らしいものでした。セッション終了後に一緒にメディカル・チェックを受けに行き、良い結果をもらうことができました。アレックス(リンス)も素晴らしい仕事をしてくれました。まさに称賛に値するもので、今日は大きな前進が見られました。ふたり揃ってQ2に進むことが私たちの目標です。前回、苦しんだだけにより一層うれしい結果です」

Prima Pramac Yamaha MotoGP

M・オリベイラ選手(11番手/1分45秒404)

「トップ10に近づけたことは明るい兆しです。速さは十分にあったのですが、フロントのフィーリングが完璧ではなく、それによってラインを外してしまうことが何度かありました。コーナー進入のブレーキングに手間取り、スピードをキープすることができませんでした。明日はブレーキングのポテンシャルを最大限に引き出すことに重点を置き、それをアドバンテージとしてQ1のトップ2を目指します」

J・ミラー選手(13番手/1分45秒441)

「転倒は非常に残念です。ここまでの仕事の成果にダメージを与えてしまいました。私自身はお尻を打っただけですんだので幸いでしたが、実際は顔から着地したので不思議に思っています。2台目のマシンはライドハイト・デバイスが適切に機能していなかったため、その影響が少しありました。依然としてブレーキング中のフロントエンドのフィーリングには苦戦していますが、それでもテストを通じて安定性が向上し、トラクションも出てきたので、ずっと苦しんできた最大の問題は解決されつつあると考えています。ピットではメカニックたちがいろいろアイディアを出してくれています。うまくいけば、明日はいい仕事ができると思います」

G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)

「アップダウンの激しい一日でした。ジャック(ミラー)は転倒によってQ2進出のチャンスを失ってしまいました。しかし朝からの彼のペースを見れば、明日はQ1を突破できるはずですし、それを裏付けるデータも持っています。ミゲール(オリベイラ)も同様で、本来のスピードを完全に取り戻し、レースのたびに進化しているのがわかります。ここまで厳しい時期が続きましたが、完全復帰を果たし、これからはチームに大いに貢献してくれると思います。私も彼自身もクルーも、本当に喜んでいます。明日に向けてもう少し調整が必要ですが、大きく離されているわけではありません。そのことが大きな励みになっています」

Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2

T・アルボリーノ選手(5番手/1分50秒469)

「金曜日はこうでなければならないと思います。フィーリングは100%とまではいきませんでしたが、マシンの力をすべて引き出せました。そしてついに、Kalex勢を含めた上位陣と肩を並べるところまで上がってくることができました。とても明るい兆しであり、今週末は楽しめそうです。チーム全体で取り組んでいる仕事を信じ、自信を持っています。この素晴らしいコースで家族や友人、ファンの皆様の前で走ることが、いつも以上の力を与えてくれています」

I・ゲバラ選手(10番手/1分50秒772)

「今日一日の展開に満足しています。1ラップ目からとても気持ちよく、自信を持って走ることができました。このところ着実に進化しており、それがマシン開発を前に進めることにもつながっています。単独走行で好調なペースを維持できたことは、ムジェロのような過酷なコースで非常に重要です。全体的に素晴らしく、また実りの多い一日でした。明日もこの勢いを維持し、さらに上を目指します」

A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)

「ホームGPというものは幸運をもたらすか、いつも以上の力を与えるかのいずれかです。トニー(アルボリーノ)は午前中はやや苦戦しましたが、チームに的確なフィードバックを与えてくれました。それに沿って変更を施すと、午後のプラクティスではすぐさまラップタイムが上がったのです。イサン(ゲバラ)は常に頼りになる存在です。ボスコスクーロ勢のなかでも最も安定しており、楽にトップ10をキープしています。今季最高の金曜日になったことは間違いありません。しかしここで終わりではありません。明日も戦いは続きます」

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