MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.09 6月22日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦イタリアGP
■開催日:2025年6月20日(金)プラクテイス、21日(土)予選・スプリント、22日(日)決勝
■開催地:ムジェロ/イタリア(5.245km)
CIRCUIT DATA

■開設:1974年
■コース長:5.245km
■ベストレースラップ:1分45秒770(2024年:F・バニャイア)
■オールタイムラップレコード:1分44秒504(2024年:J・マルティン)
■2024年の優勝者:F・バニャイア(ドゥカティ)
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP、第9戦イタリア・ムジェロへ
Monster Energy Yamaha MotoGPは今週末、イタリアはトスカーナ地方のなだらかな丘陵に位置するムジェロ・サーキットで第9戦に臨む。チームはこの大会をホームGPの一つと見なしており、F・クアルタラロ選手、A・リンス選手をはじめチームスタッフ全員が楽しみにしている。
クアルタラロ選手は2021年に優勝、2022年に2位を獲得して実力を見せつけ、このコースには良い思い出を持っている。約2週間前に行われたアラゴン・テストも好調のうちに完了し、データ分析を通じて上位獲得を目指す。第8戦終了時点でランキング10位につけている。
リンス選手は2019年の4位がMotoGPでの最高位。最高峰クラスではまだ表彰台に届いていないが、Moto3では2013年に2位、2014年に3位と活躍している。今回の目標はポイント獲得とランクアップ。現在はランキング16位タイ。
ムジェロ・サーキットは全長5.245キロ。上りセクションと下りセクションが組み合わされ、高速から低速までさまざまなコーナーが設けられたGP開催サーキットのなかでも最も美しいコースとされる。初めてのMotoGP開催は1976年で、1991年以降は常設コースとなっている。イタリアGPは雰囲気の良さでよく知られており、モーターサイクル・レース・ファンにとっては現場観戦必須の一大イベントである。
今大会のタイトル・スポンサー、ブレンボ(Brembo)の創立50周年の祝賀の一環として、日曜日の決勝ではクアルタラロ選手とリンス選手のマシンに50周年記念ロゴが施される。
Prima Pramac Yamaha MotoGP、ムジェロへ向け準備万端
Prima Pramac Yamaha MotoGPは自信と期待を持って今大会に臨む。J・ミラー選手とM・オリベイラ選手はアラゴン、モントメロ(カタルニア)と続いたテストで大きな成果をあげており、今回はフリープラクティスの最初のセッションからトップ10入りを目指していく。
「ムジェロ」と聞けばライダーたちの目が輝くほど。イタリア・トスカーナ地方の美しい自然のなかに設けられたムジェロ・サーキットはMotoGPライダーに最も愛され、最も待ち望まれるコースの一つ。高低差が豊富で次々にリズムが変化し、世界中で最もチャレンジングでアドレナリンが噴き出すコーナーと言われる「アラビアータ」や1,141メートルのロング・ストレートに続くハードブレーキング・ゾーンの「サン・ドナート」など伝説的な勝負所を持つ。わずか342メートル、5秒間で時速340キロから92キロへ減速するこの場所で、ライダーたちは1.5Gを体験することになる。ブレーキ・システムの供給メーカー、ブレンボのデータではブレーキング負荷が中程度にランク付けされているが、その独特なコースレイアウトにより、マスターするのが最も難しいコースの一つとなっている。
ミラー選手とオリベイラ選手には最新のYZR-M1が提供される。並列4気筒エンジン、エアロパーツ、電子制御システムなどすべてがアップデートされているほか、レース距離でのタイヤ・コントロールやコーナーの立ち上がり加速に合わせて改良・調整されたセットアップとなっている。
チームのタイトル・スポンサー、Prima Assicurazioni(プリマ・アシクラツィオーニ)の創立10周年を記念し、Prima Pramac Yamaha MotoGPは今回、スペシャル・カラーを施したマシンで参戦する。
ミラー選手はこのコースで未だ表彰台に上った経験がなく、2021年の6位が最高位。しかしラップタイムでは速さを見せており、2014年はMoto3でフロントロー、MotoGPでは2019年、2021年、2023年に予選5位を獲得している。
オリベイラ選手は、多くの好成績を残してきた。Moto3では2013年と2014年に4位、2015年は優勝、2018年はMoto2でも優勝を果たし、MotoGPでは2021年にクアルタラロ選手に次ぐ2位を獲得している。その一方でフロントローの経験はなく、予選最高位は2013年の6位。
第8戦終了時点でミラー選手は合計31ポイントのランキング16位、オリベイラ選手は合計3ポイントのランキング23位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計37ポイントでチーム・ランキング11位となっている。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2、モチベーションを高めてムジェロへ
今シーズンの日程は例年よりも少しずつ遅れており、夏を迎えてからイタリアGPが開催される。BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手とI・ゲバラ選手は、このところの進歩を形にするべく今大会に臨む。
前回のアラゴンGPでは素晴らしいパフォーマンスを見せながら、それを結果につなげることはできなかったゲバラ選手。そして母国ファンの熱い応援を受けることとなるアルボリーノ選手にとってはより一層、このところの進歩と勢いをさらに加速させるための重要な戦いになる。
アルボリーノ選手は2019年にMoto3でポール・トゥ・フィニッシュ、Moto2では2022年に4位を獲得し、翌2023年は2位表彰台に上った。またゲバラ選手も2022年にMoto3で2位、2024年はMoto2で8位などの好成績を残している。
第8戦終了時点でアルボリーノ選手は合計31ポイントのランキング14位、ゲバラ選手は合計28ポイントのランキング16位。BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は合計59ポイントでチーム・ランキング9位となっている。
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手
「シーズン初のダブル・ヘッダーが始まります。アラゴン・テストで試したアイテムのうち数項目は、ここでも効果を発揮してくれそうなので楽しみにしています。このコースは大好きですし、グリップもアラゴンよりいいはずです。良い展開になるよう期待し、いつもと同様、全力を注ぎます」
A・リンス選手
「アラゴン・テストではたくさんの項目を試し、好感触をもって順調に終えることができました。しかしながら、今回はいつものベース・セッティングでウイークをスタートする予定です。ベースはしっかり整ったと確信していますが、前回のような問題を避けるためにはもう少し微調整が必要になるでしょう。イタリアGPはチームのホームレースのようなものなので、いいレースができるよう頑張ります」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「アラゴンGPからIRTAテスト、さらにバルセロナでのプライベート・テストと、ヤマハにとっては非常に忙しい2週間でした。でもここからの2週間もまた同様に多忙な毎日になるでしょう。ここムジェロからシーズン初のダブル・ヘッダーが始まり、来週はそのままオランダのアッセンへ向かいます。アラゴン・テストのデータを有効に活用できると考えており、今回はタイプの異なるサーキットで、実際のレースウイークのなかでそれを確認できるので楽しみにしています。アラゴンは苦戦しましたが、今回は良い戦いになると期待しています。チームの拠点から最も近いサーキットなので、ホームレースのように感じており、この大会は私たちにとって、いつも特別です」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手
「チームのホームレースを迎えるのをとてもうれしく思います。非常に重要な一戦です。そして誰もが毎年、この美しいコースを楽しみにしています。先週はアラゴンとモントメロでいいテストができました。今回、使用する予定の最新アイテムもいろいろ試しました。チームのメインスポンサー、Primaの創立10周年を記念して、私たちのマシンはいつも以上に美しく仕上げられています」
M・オリベイラ選手
「2回のテストを含め、このところはマシンに乗る機会がたくさんありました。パフォーマンスの面で重要な一歩を進めるべく、自信を持ってムジェロに臨めることをうれしく思います。多くの人がこの大会をホームレースと見なしていますが、ここ数年間イタリアに住んでいる私にとっても同様です。それに加えてヤマハでここを走れるのは、より一層の喜びです。レースのたびに力がついてきているのでモチベーションが高まっています。良いパフォーマンスをお見せできるよう頑張ります」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「チームのホームレースを迎える準備が整いました。この美しいムジェロは、コースレイアウトの特徴によりヤマハの技術的な強みを発揮できるコースです。モントメロでのプライベート・テストがとても順調だったので、今回はそのときに試したさまざまな新しいアイテムを投入する予定です。予選ではあまり大きな効果が見られないかもしれませんが、決勝距離においては良い部分が多くあり、トップにも近づけると考えています」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手
「ホームレースはいつも特別なものです。チームも私も素晴らしいパフォーマンスを望んでいます。2週間前のアラゴンでは、本来のポテンシャルを結果に反映させることはできませんでしたが良い方向性を見つけることができました。ここからさらに改良し、成果を積み重ねていきたいと思っています。チームでは何度もオープンなディスカッションが行われており、目標にしっかり集中しながら、この厳しい時期を乗り越えていく方法を考えています。ムジェロは特別なモチベーションを与えてくれます。良いウイークになるよう全力を尽くします」
I・ゲバラ選手
「ここまで、いいレースが何度もありました。好成績と貴重なポイントを獲得してきました。今回のムジェロは大好きな場所で、私のライディング・スタイルにも合っており、いつも楽しめるコースです。昨年も非常にフィーリングが良かったので、今年も同様に最大限に力を引き出し、チームに好成績を持ち返りたいと思っています。チームワークは強く、安定しており、常に前進しています。レースをエンジョイし、ファンの皆様に素晴らしいパフォーマンスをお見せしたいです。待ちきれない気持ちでいっぱいです」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「ついにムジェロにやって来ました。BLU CRU Pramac Yamaha、そしてもちろん、アルボリーノ選手がイタリア・ファンの最大限のサポートを必要としています。ホームレースはプレッシャーであると同時に、それをしっかりコントロールすることでアドバンテージに変えることができます。自分のレース経験のなかでも特別なアドレナリンとモチベーションが大きな違いを生み出すことを覚えており、今回はトニー(アルボリーノ)にも同じことが起こることを期待しています。私たちは彼の本来のポテンシャルが発揮されるよう、引き続き努力していきます。イサン(ゲバラ)のほうは、より安定しており、速さもあります。ふたりは好成績を目指して懸命にプッシュし続けており、それを現実のものにするのも時間の問題と考えています」