本文へ進みます

MotoGP/Moto2

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。

Rd.05 4月27日 スペイン

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第5戦スペインGP
■開催日:2025年4月26日(土)予選・スプリント
■開催地:ヘレス/スペイン(4.423km)

MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:19度/路面温度:33度
■スプリント 気温:24度/路面温度:45度
■周回数:12周(53.076 km)
■PP:F・クアルタラロ(1分35秒610/ヤマハ)
■FL:M・マルケス(1分36秒665/ドゥカティ)

Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:43度
■PP:M・ゴンザレス(1分39秒858/カレックス)

REPORT

MotoGP

Monster Energy Yamaha MotoGP
ポールスタートのクアルタラロ選手が転倒リタイア、リンス選手は15位

第5戦スペインGPのウイーク2日目、Monster Energy Yamaha MotoGPはジェットコースターのようにアップダウンの激しい展開を経験することとなった。フリープラクティス第2セッション(FP2)で2度の転倒し、Q1をほとんど走ることができなかったA・リンス選手がスプリントで15位を獲得。一方、F・クアルタラロ選手はQ2で1分35秒610を記録してラップレコードを更新し、ポールポジションを獲得していたが、スプリントでは2ラップ目に転倒してそのままリタイアとなった。

リンス選手は午前中に行われたFP2で2度転倒し、メディカル・チェックで走行が許可されたあとQ1の終盤に合流。そのあとはわずか1ラップしかアタックできなかったため、グリッド23番手に留まっていた。しかしスプリントではここから見事な挽回を見せる。多くのライバルをパスし、また3台がリタイアしたこともあり10ラップ目までに15番手に浮上。その後は単独走行となり、リズムをキープしながら2ラップ連続で自己ベストを記録した。最終的にトップから19.963秒差の15位でチェッカーを受けた。

クアルタラロ選手はQ2セッションで自己最高とも言える走りを披露した。1分35秒610の好タイムを記録してラップレコードを更新し、2022年のインドネシアGP以来初となるポールポジションを獲得した。スプリントでも絶好の飛び出し。第1コーナー進入ではM・マルケス選手(ドゥカティ)と競り合いとなり、ブレーキングで果敢に飛び込みトップをキープした。その後も2台のバトルは続き、2ラップ目の第6コーナーでオーバーテイクを仕掛けられて懸命に応戦するも、外側に回ったクアルタラロ選手はレーシングラインを外して転倒してしまった。残念な結果に終わったが、幸い怪我はなく、明日の決勝でのリベンジを狙っている。

この結果、クアルタラロ選手は合計30ポイントでランキング8位、リンス選手は合計14ポイントでランキング16位をそれぞれキープ。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計44ポイントでチーム・ランキング5位、ヤマハは合計42ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。

Prima Pramac Yamaha MotoGP
スプリントでミラー選手が転倒リタイア フェルナンデス選手は17位

Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手はQ1で4番手に留まりグリッド14番手。スプリントでは5ラップ目に転倒してリタイアとなった。チームメイトのA・フェルナンデス選手は17位でフィニッシュした。

ミラー選手はQ1でトップ2を目指し、タイヤチョイスで賭けに出た。他のライダーがフロントにミディアムを選択するなか、ミラー選手はヤマハのブレーキング性能の強みを最大限に活かすためソフト・コンパウンドを装着した。しかしわずかに届かず4番手に留まり、Q2進出はかなわなかった。

12ラップで競われるスプリントは序盤からハイペースで展開された。ミラー選手はポジションをキープしてスタートしたが、オープニングラップの最終コーナーではらんで3つ後退。さらに2ラップ目にはシールドの保護用シートをはぎ取ったあとマシンのエアボックスをふさいでしまい、エンジン温度が上がりマシンが重く扱いにくい状態になっていた。それでもE・バスティアニーニ選手(KTM)をパスし、5ラップ目にはL・マリーニ選手(ホンダ)が第6コーナーでわずかにはらむ間にインから仕掛けようとしたが、その瞬間、転倒してそのままリタイアとなった。

一方のフェルナンデス選手はQ1で10番手。スプリントでは多くの時間帯でA・リンス選手の後ろについて走行し、着実な進化をアピールして17位でチェッカーを受けた。

Moto2

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
ゲバラ選手がQ2進出 14番グリッド獲得

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ選手がQ1でトップタイムを記録してQ2に進出し、14番グリッドを確保した。チームメイトのT・アルボリーノ選手はセッティングに苦戦し、予選24番手に留まった。

ウイーク初日はマシンのフィーリング不足に苦しんだゲバラ選手。2日目になるとラップタイムでも決勝を想定した走行でのペースでも一歩前進が見られた。Q1では1分40秒322を記録してトップに立ち、Q2進出の権利を獲得。Q2では序盤に1分40秒544を記録したあと、2回目の走行では更新できず14番手でセッションを終えた。決勝はグリッド5列目からスタートする。

一方のアルボリーノ選手は2日目も苦戦した。前日に比べてラップタイムではわずかな前進が見られたものの、ライディング・スタイルに合ったセッティングが見つからず、思うような走りができない状況が続いている。その結果、予選順位は24番手に留まり、決勝は難しい展開が予想される。目標はポイント獲得。

MotoGP QUALIFYING RESULT

MotoGP SPRINT RESULT

Moto2 QUALIFYING RESULT

COMMENT

MotoGP

Monster Energy Yamaha MotoGP
A・リンス選手(15位)

「FP2の転倒はかなり激しいもので、2度目は最悪でした。ハイスピードからフロントを失って転倒し、エアフェンスに突っ込んで壁にぶつかってしまったのです。あのスピードからの転倒にしては、なんとか大丈夫でした。右小指と膝に少し痛みがあったのでメディカル・センターへ行って検査を受け、手首の小さなひびも見つかりました。スプリントは自分のコンディションを確認するための出場でした。今は疲れと痛みがありますが、スプリントは私たちにとって重要なものです。100%のコンディションではありませんが、依然としてやるべきことがあります。ファビオからかなり離されてしまっているので、もっと頑張らなければなりません」

F・クアルタラロ選手(DNF)

「Q2は1分36秒.0から始まりましたが、わずか1回の走行でブレーキングを超ハードに超遅くしただけで0.4秒も縮められるとは思っていませんでした。素晴らしい2ラップを経験でき'スーパー・ハッピー'です。ポールポジションに戻って来られたことは、メンタル的にも最高の気分です。今週は非常にペースがいいので、スプリントでも表彰台を狙えたはずです。走りを楽しむことを一番の目標にしながら、できるだけ長くレースをリードしたいと考えていました。第1コーナーでマルクをパスし、しばらくの間は前に誰もいませんでした。でも1周半くらいあとにストレートでマルクが接近してきて、マシンが激しく揺さぶられ始めたのです。そのあと少し大回りになり転倒してしまいました。それでも全体的には非常にポジティブな一日だったと思っています。FP2のあとからずっとペースがよく、予選でポールポジションを獲得し、スプリントをリードしたのです。もちろん、表彰台に立ちたかったですが、そうでなかったとしても今日はシーズン最高の日です。明日を楽しみにしています。全力でライバルたちにぶつかっていきます」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)

「一日で激しい'ハイ・アンド・ロー'を経験しました。良かったところはファビオが予選で仰天させてくれたことです。走りが非常にスムースで、ポールポジションだけでなくラップレコードまで記録しました。これまでの努力の成果が形になったのです。それをスプリントで活かせなかったことは、もちろん残念ですし、彼自身が一番悔しがっていますが、だからと言って走りの素晴らしさが否定されるものではありません。明日の決勝もポールポジションからスタートするのでリベンジのチャンスです。また、アレックス(リンス)の取り組み方も見事でした。FP2で2度も転倒し、2度目はかなりひどい状況でした。メディカル・チェックを受けて走行を許可されましたが、予選は1ラップしかできなかったため後方グリッドからのスタートとなりました。精神的にも身体的にも非常に厳しい状況でしたが、彼はそのなかで本当によくがんばりました。少しずつ自信を取り戻してオーバーテイクも試み、明日につながる走りを見せてくれました。こうしたさまざまな経験を越えて、明日の25ラップの決勝に向けて準備を始めています。全力を注ぎ、最高の結果を目指します」

Prima Pramac Yamaha MotoGP
A・フェルナンデス選手(17位)

「タフな一日でした。上位のライダーたちにかなり近づけたことは間違いありませんが、依然として何かが足りません。チームは競争力が高く、私自身はもっとリズムの追求が必要ですが、その一方で同時にマシン開発を後押しするためさまざまなことも試しています。そのなかで重要なのは、明瞭かつ正確な方向性を持っていることで、その成果がファビオ(クアルタラロ)の成績に現れています。彼は本当に素晴らしい仕事をしています。スプリントではリンスのそばをずっと走り、彼もほぼ同様の問題を抱えていることがわかりました。そのことも今後の開発作業に役立ってくれるでしょう。セッションごとにマシンは走りやすくなっています。上位陣との差をもう少し縮めることが目標です」

J・ミラー選手(DNF)

「Q1でタイヤチョイスのギャンブルをしましたが報われませんでした。すべて私の責任です。フロントにソフトを選択したのは'ジャック・ミラーの古典的手法'というようなものです。でも新しいソフト・タイヤは今まで使っていたものとは違っていました。FP2ではミディアムを履きましたが、セッション序盤で左コーナーで転倒が相次ぎ、私自身もフロントが何度かロックしていたため、予選ではソフト・コンパウンドで1ラップを目指す方がより安全だと考えたのです。ところが最初のアタックの第2コーナーで早くも、判断が間違っていたことに気づきました。タイヤがどんどん柔らかくなっていったのです。スプリントではオープニングラップの最終コーナーで小さなミスをおかし、ロングラップをしたのと同じくらいになって3つもポジションを下げてしまいました。そのあとさらに、はがしたシールド・シートが絡まった影響でマシンが重く、鈍くなり、あらゆる動きが難しくなりました。そして5ラップ目、前を走っていたマリーニが第6コーナーで突っ込み過ぎたので、タイトなラインをとり立ち上がりで前へ出ようとしたのですが、マシンをさらにほんのわずか傾けた瞬間に転倒してしまいました。ここから気持ちを立て直し、フロントのフィーリング向上を目指して変更を試みます。明日の決勝に期待します」

G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)

「望んでいた結果にはなりませんでした。ジャックは昨日、決勝用セッティングでいいペースを見せていましたが、タイムアタックではその速さを活かすことができませんでした。しかしながらクアルタラロのポールポジション獲得がヤマハの進化を証明しています。私たちにとって重要なポイントのひとつが予選でのポジションアップです。前方列からスタートできれば、決勝中のペースから、そのコントロール方法まであらゆることが変わってくるからです。狭いコース幅と高い気温、さらにはジャックとアウグストの後方からのスタートが重なり、非常に厳しい状況になっています」

Moto2

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
I・ゲバラ選手(14番手/1分40秒554)

「ここまで3戦連続でQ1を突破できなかったので、今日の結果を喜ぶべきでしょう。非常に難しいチャレンジでしたが、初めてQ1でトップに立つことができたのです。走りはクリーンで自分のラインを維持できていたのでセッションを思い通りに楽しめました。Q2では全力でトップグループについて行き、状況を最大限コントロールできたと思います。このあともステップバイステップで着実に仕事を進め、レース毎に改善を継続していかなければなりません。明日はポイント圏内の位置からスタートすることになるので、ポジションをキープし、できればトップ10を狙いたいと思っています」

T・アルボリーノ選手(24番手/1分40秒961)

「常に困難に直面し、厳しい状況が続いています。より快適に乗れるようにするため、さまざまなモディファイを試みています。しかし残念ながら、シーズン開幕前のテストで経験した感触とほとんど変わっていません。私にとってもチームにとっても非常に厳しい状況ですが、信じ続け、がんばり続けて、どんなコンディションでも安定して速く走れる方法を見つけていかなければなりません。グリッドがかなり後方なので、明日の決勝も楽な戦いではありません。でも好スタートを狙い、最大限の結果を目指します」

A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)

「イサン(ゲバラ)がQ1で素晴らしいラップタイムを記録し、Q2に進むことができました。強さを見せてくれたことに満足しています。Q2でもほぼ同様のタイムを再現し、私たちとしては、彼のベストタイムを決勝ペースへとつなげられることを証明できました。明日に向けて大きな自信と安心感を与えてくれました。トニー(アルボリーノ)のほうは、ベストの状態でないことは明らかです。チームも私も全力で彼を支え、彼のためにできることはすべてやっています。ライダーとチームメンバー全員が一丸となってハードワークを継続し、本来の速さを取り戻すための解決策を見つけ出そうと頑張っています。彼のポテンシャルは誰もが知っており、それは今見ているものよりずっと高いところにあります。チームスピリットが私たちを助け、この難しいチャレンジをともに乗り越える力になるでしょう」

ページ
先頭へ