MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.02 3月16日 アルゼンチン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦アルゼンチンGP
■開催日:2025年3月15日(日)決勝
■開催地:アウトドロモ・テルマス・デ・リオ・オンド/アルゼンチン(4.806km)
MotoGP
■周回数:25周(120.15km)
■コースコンディション:ドライ
気温:26度/路面温度:36度
■PP:M・マルケス(1分36秒917/ドゥカティ)
■FL:M・マルケス(1分38秒243)
Moto2
■周回数:21周(100.926km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:35度
■PP:M・ゴンザレス(1分40秒870/カレックス)
■FL:J・ディクソン(1分41秒639/ボスコスクーロ)
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
リンス選手とクアルタラロ選手がポイント獲得
アルゼンチンGPでは全体的に厳しい戦いを強いられたMonster Energy Yamaha MotoGPだが、最終的にはA・リンス選手とF・クアルタラロ選手がともにポイント圏内でゴールシた。リンス選手はタイヤ温存に注意をはらいながら安定した走りを継続して12位。クアルタラロ選手はオープニングラップの第1コーナー進入で他車に接触されたが、巧みなセーブで転倒を免れ、19番手から15番手まで挽回してチェッカーを受けた。
リンス選手は12番グリッドから慎重にスタートし、ポジションをキープしてオープニングラップを終了。前方のライダーがロングラップ・ペナルティを履行する間に11番手に浮上した。しかし11ラップ目にはL・マリーニ選手(ホンダ)に先行を許して再び12番手。その後は最後まで単独走行が続き、トップから21.663秒差の12位でチェッカーを受け、今季初ポイントを獲得した。
一方のクアルタラロ選手は7番グリッドからスタート後、第1コーナーに入る前にM・ベゼッキ選手(アプリリア)に接触されて19番手まで後退してしまった。ここから懸命の挽回を試み、少しずつ順位を上げていくと18ラップ目には15番手まで浮上。そのまま最後までポジションをキープし、トップから25.148秒差でゴールした。
この結果、クアルタラロ選手は合計5ポイントでランキング15位、リンス選手は合計4ポイントでランキング16位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計9ポイントでチーム・ランキング10位タイ、ヤマハは合計12ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位を維持している。
Prima Pramac Yamaha MotoGP
ミラー選手がポイント獲得、オリベイラ選手は負傷欠場
Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手が熾烈なバトルの末に14位を獲得。チームメイトのM・オリベイラ選手はスプリント中の怪我の影響で欠場した。
オリベイラ選手は前日のスプリントの5ラップ目、他車に巻き込まれて激しく転倒し、左肩と胸骨にダメージを受けて欠場を余儀なくされた。より詳細な検査を受けるため、すでに母国ポルトガルへ向けて出発した。
その結果、今大会をミラー選手ひとりで戦うこととなった同チーム。13番グリッド、5列目に並んだミラー選手はスタートに手間取り順位を下げたものの、すぐさま力強い走りで挽回し、2ラップ目にはスタート・ポジションへ復帰した。
その後はほとんどの時間帯で13番手をキープしながら、前を走るA・リンス選手との差を少しずつ詰めていく。しかし終盤になるとタイヤ・グリップが低下してペースダウンを余儀なくされ、14位に後退してチェッカーを受けた。前回に続きポイントを獲得したミラー選手は、合計7ポイントでランキング14位につけている。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
アルボリーノ、ゲバラ両選手ともポイント獲得の目標を達成
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手は腕の痛みをかかえながら11位、I・ゲバラ選手は23番グリッドから衝撃的好スタートを決めて最終的に15位と、ともにポイントを獲得。ウイーク初日の厳しい状況から大きく前進し、今後のさらなる進化・適応に向けて貴重なデータも収集できた。
アルゼンチンGPでは常に好成績を残してきたアルボリーノ選手が、今回もスタート早々から相性の良さを見せた。グリッド4列目から飛び出して10番手につけ、その後も順調にプッシュを続けて7番手まで浮上した。ところが終盤に入ると右腕に激痛が起こり、ペースダウンを余儀なくされて少しずつポジションダウン。11番手まで後退してチェッカーを受けた。
一方のゲバラ選手は23番グリッドから素晴らしいスタートを見せ、オープニングラップで11台を抜いて12番手に浮上。続けて集団のなかで果敢にバトルを展開し、最終的に15位でチェッカーを受けて貴重なポイントを手中にした。
MotoGP RACE RESULT
MotoGP LAP CHART

Moto2 RACE RESULT
MotoGP RIDERS RANKING
MotoGP CONSTRUCTORS RANKING
Moto2 RIDERS RANKING
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
A・リンス選手(12位)
「タフな戦いでした。リアタイヤにソフト・コンパウンドを選んだのは私自身の決断でした。昨日のスプリントが終わった時点では、あらゆるデータがミディアム・コンパウンドを示唆していたのですが、今朝のウォームアップ・セッションでミディアムを試すと、あまり感触が良くなかったのでソフトでいくことに決めました。しかし実際には、決勝距離をすべて順調に走り切るのは簡単ではありませんでした。そのためかなり慎重に、タイヤを優しく扱って消耗を抑えなければなりませんでした。M1のフロント周りは非常に素晴らしかったのですが、他の部分でもう少し改良が必要です」
F・クアルタラロ選手(15位)
「お話することはあまりありません。ただベゼッキ選手との第1コーナーでの接触は不運でした。大きくはらんで最後尾まで後退してしまった上に、私自身のペースも決して良くはありませんでした。このような状態では、たいていポジションをキープすることになるので、本来ならもう少し上でゴールできたかもしれません。全体的に非常に厳しいウイークとなりました。次回はもう少し改善できるか期待したいと思います」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「全体的に難しい状況で、このような展開は予想していませんでした。ふたりとも粘り強く頑張ってくれましたが、とくにファビオ(クアルタラロ)は残念な結果になってしまいました。アレックス(リンス)は十分にバトルできるだけの強さがなく、ペースを守って12位でゴールしました。ファビオは不運にも、スタート早々に他車にぶつけられてしまいました。幸い転ばずに済みましたが大きく後退し、マシンも衝撃を受けていたため追い上げは難しい状況でしたが、15位まで挽回して1ポイントを持ち帰ってくれました。ここまでの2戦を振り返ると、評価できる点は予選のパフォーマンスが向上したことです。しかしタイヤの消耗や全体のペースにおいては何かが欠けており、それらは以前にはなかったことです。原因を調査し、次回COTAでまたトライしたいと思っています」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(14位)
「スタートの動き出し自体はそれほど悪くなかったのですが、クラッチ操作が急激すぎたのか、あるいは路面が汚れていたかで少しホイールスピンを起こしてしまいました。それで順位を下げてしまったのです。素早くリカバーできたのは幸いでした。でもグリップには苦戦しました。リアのミディアム・コンパウンドが正しい選択だったのかは、よくわかりませんが、レースが終わってからそれを言うのは簡単です。いずれにしても、できるだけ優しく扱いながら自分のペースを探していきました。残り11ラップの時点では前との差が縮まっていたのですが、終盤はみんなと同じようにタイヤを消耗していたため思うように追い上げられなくなりました。終わってみれば、今回もウイークを通じて貴重な経験ができました。もちろん、もっと前に近づきたいですし、次回はより強くなれる自信があります」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「ミゲール(オリベイラ)の怪我が深刻なものではないこと、そして2週間後の第3戦アメリカGPで復帰してくれることを何よりも願っています。激しい衝撃にもかかわらず骨折がなかったのは幸いです。しかしながら、それ以上に悪化させないために今回は欠場し、母国で適切な治療を受けることが最も論理的な判断だったと思います。ジャック(ミラー)のほうは、スタートの出遅れでポジションを下げたことで序盤からハード・プッシュを強いられました。それでも安定したペースを維持して素早く順位を挽回し、貴重なポイントを持ち帰ってくれました。そしてそれ以上に重要なのは、今後の開発に向けて必要なデータを提供してくれたことです」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(11位)
「フィーリングが良く、速く走れるはずのマシンでスタートしました。ところがそのマシンはまだ調整が不十分だったようです。終盤になると右腕に痛みを感じるようになり、プッシュも挽回もできず、ポジションを下げることになってしまいました。次回までに注意深くデータを分析し、改善のために何が必要かを考えていきます」
I・ゲバラ選手(15位)
「レース序盤から全力投入しなければならないことはわかっていました。ポジションアップを成功させるために始めから上位グループを目指し、23番グリッドから飛び出して一気に12番手まで上がりました。しかしこのときのハードプッシュにより予想以上にタイヤを消耗してしまい、終盤で苦しくなってしまったのです。データをしっかり分析して改善策を探します。決勝で好成績を獲得するためには、土曜日の予選でのパフォーマンスを向上させ、グリッドポジションを上げることが不可欠です」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「ウイークは難しい状況でしたが、そのなかでも好感触をつかみ、貴重な成果を上げることができたと思っています。トニー(アルボリーノ)が上位グループに加わり、トップを目指していったのは本当に素晴らしかったです。身体的な問題で、それを最後まで継続できなかったのは残念です。数日後にまたメディカル・チェックを受けることになっていますが、次回までに完治することを願っています。イサン(ゲバラ)については、マシンに変更を加えた結果、決勝では序盤でポジションを上げ、アドバンテージを確保することができました。しかし終盤になるとグリップが低下し、ペースが落ちて後退してしまいました」