MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.02 3月16日 アルゼンチン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦アルゼンチンGP
■開催日:2025年3月15日(土)予選・スプリント
■開催地:アウトドロモ・テルマス・デ・リオ・オンド/アルゼンチン(4.806km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:19度/路面温度:24度
■スプリント 気温:20度/路面温度:27度
■周回数:12周(57.672km)
■PP:M・マルケス(1分36秒917/ドゥカティ)
■FL:M・マルケス(1分37秒706)
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:27度
■PP:M・ゴンザレス(1分40秒870/カレックス)
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
スプリントで10位と12位
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンス選手はスプリントで懸命のプッシュ。クアルタラロ選手は絶好のスタートから序盤で好位置につけたが、少しずつ順位を下げて10位でゴール。リンス選手も力強い走りを見せたものの、グリッド順位と同様の12位で終えた。
Q2で7番手を獲得し、グリッド3列目からスタートしたクアルタラロ選手。絶好の飛び出しで一気に4番手まで浮上したが、まもなくP・アコスタ選手(KTM)とJ・ザルコ選手(ホンダ)に先行を許して6番手に後退した。その後も前を行くライダーたちを懸命に追い続けていたが徐々に後退。8ラップ目には10番手となり、終盤はそのポジションをキープしてチェッカーを受けた。トップとの差は12.356秒だった。
一方のリンス選手は12番グリッドからスタートし、オープニングラップでひとつ上げて11番手。トップ10との差が徐々に開き始めると、その後は自分のペースを維持することに気持ちを集中した。6ラップ目にJ・ミラー選手に抜かれたあとも離されずについて行き、終盤であとわずかというところまで接近したが、オーバーテイクを仕掛けるには至らずトップから15.298秒差の12位でゴールした。
この結果、クアルタラロ選手は合計4ポイントでランキング13位、リンス選手は未だノーポイント。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計4ポイントでチーム・ランキング11位、ヤマハは合計8ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
Prima Pramac Yamaha MotoGP
ミラー選手が11位、オリベイラ選手はリタイア
Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手がスプリントで11位。チームメイトのM・オリベイラ選手は他車の転倒に巻き込まれてリタイアとなった。
ミラー選手はQ1でトップ2獲得を目指したが、0.078秒差で3番手に留まりQ2進出はならず。この結果、スプリントは13番グリッドからスタートすることとなった。スプリントでは絶好のダッシュを決めたものの、最初の複数のコーナーでスローペースの集団につかまり、思うように順位を上げていくことができない。終盤はMonster Energy Yamaha MotoGPの2台に挟まれる格好となり、クアルタラロ選手に続く11位でチェッカーを受けた。
一方のオリベイラ選手は17番グリッドからスタート後、ミラー選手に続く13番手に浮上。順調に周回を重ねていたが、5ラップ目の第2コーナーで他車の転倒に巻き込まれ、自身も転倒して左肩から地面に叩きつけられてしまった。これにより胸骨と鎖骨部分を打撲して大きな血種も見られたためメディカルセンターへ運ばれたが、CTスキャンの検査で、幸い骨折はなかったことがわかった。現在は専任の理学療法士とメディカルチームがケアを行っており、明日午前中の検査の結果で、その後のスケジュールへの出場可否が決定する。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
アルボリーノ選手12番手、ゲバラ選手23番手
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーニ選手は前日のプラクティスで7番手と健闘し、Q2に進んだが、この日は十分にタイムを伸ばせず、トップから0.470秒差の12番手に留まった。一方、前日から苦戦が続くチームメイトのI・ゲバラ選手は23番手。
好調ぶりを見せていたアルボリーノ選手は予選セッションでも活躍が期待されたが、大勢が接近して走行するなかで小さなミスもあり、完全なクリーンラップを走り切ることができなかった。その結果、ほんのわずかのタイム差で大幅に順位を下げて12番手となっている。
一方のゲバラ選手は前日から苦戦が続いている。Moto3で1度走っただけで、Moto2では初めての参戦となるコースでポテンシャルを出し切れず、Q1でもフィーリングをつかめないまま9番手。決勝は23番グリッドからスタートする。
MotoGP QUALIFYING RESULT
MotoGP SPRINT RESULT
Moto2 QUALIFYING RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(10位)
「序盤は懸命にプッシュしましたが、後半は大幅にペースが落ちてしまいました。でも午前中のセッションでは素晴らしいタイムが出ていたのです。私の予想はその逆で、決勝は速く、タイムアタックでは遅いと考えていました。今日はスプリントがとても長く感じたので、明日の決勝はもっとずっと長くなるでしょう。午前中のウォームアップ・セッションでミディアム・コンパウンドのタイヤを試してみる予定です。明日もベストを尽くします!」
A・リンス選手(12位)
「全力を尽くしました。グリップ不足に走りを制限されてしまいました。1ラップの速さでは驚くほどのタイムが出るのですが、ペースを維持するのは難しく、その落ち方はかなり極端です。現在データ収集中で、メカニックたちがそれを分析し、作業に取り組んでいます。
今大会ではスペシャル・ヘルメットを着用しています。アルゼンチンを象徴する素晴らしいデザインが見つかり、地元ファンが気に入ってくれたようなのでうれしいです」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「チームにとっては可もなく不可もなくというところでした。ふたりが揃ってQ2に進めたのは良い材料で、とくにファビオ(クアルタラロ)は予選7番手を獲得し、グリッド2列目まであとわずかと迫ることができました。そしてスプリントでも好スタートを切ってトップ3のすぐ後ろにつけたのですが、やはり何かが足りず、バトルしたりポジションをキープしたりすることはできませんでした。一方、アレックス(リンス)は12番グリッドからスタートし、全体を通して安定したペースで走り切りました。しかし彼にとっても状況は同じで、ジャック・ミラー選手に近づくことができてもオーバーテイクはできませんでした。このあたりが今後の課題になります。データを注意深く分析し、明日の決勝に向けて一歩前進を目指します」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(11位)
「絶好のスタートができたのですが、第1コーナーに到達すると、すでにカオス状態になっていました。ベゼッキ選手(アプリリア)は出だしが遅く、ポジションを下げていたため、みんなが彼を避けようとして、より一層混乱してしまいました。このように難しいスタートになったのですが、私自身はバトルに加わり順位も少し挽回できました。序盤はタイヤの右側に問題があったので、少しずつ暖めていくよう努力しました。アレックス(リンス)をパスしたあとは、プッシュして差を広げられると考えていました。その後の4~5ラップはとても好調で、前のグループとの差を詰めていましたが、そう思った瞬間に危うく転倒しそうになってしまったため、その後は完走とデータ収集に集中することにしました。今日はもっと上の順位を期待していましたし、本来のペースはもっと速いはずですが、Q2に進めなかったことが足を引っ張る形になったと思います。でもまだ終わったわけではありません。明日も頑張ります」
M・オリベイラ選手(DNF)
「残念なことに、5ラップ目でひどい転倒をしてしまいました。第2コーナー進入で他のライダーが私を抜こうとして、縁石内側のぎりぎりまで突っ込んでコントロールを失ったのです。そしてドミノ倒しみたいに私のリアにぶつかり、一緒に地面に叩きつけられてしまいました。これによって完走を果たせなかったことが、とても残念です。もともとポイント獲得は難しかったかもしれませんが、完走すれば貴重なデータを収集できたはずです。でもその一方で、このようなひどい転倒にもかかわらず深刻な怪我をせずに済んだことにほっとしています。胸部に大きな血種があり、今はまだ身体全体に痛みがありますが、骨折は一か所もありませんでした。理学療法士に診てもらって回復に専念し、しっかり休養したいと思います。明日の朝の状態と検査の結果を見て決勝に出場するかどうかを決定します」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「何よりもまず、ミゲール(オリベイラ)が無事だったことにほっとしました。今回のアクシデントにおいて彼にはまったく責任がなく、他のライダーのマシンが後ろからぶつかってきたのです。好スタートを切ってポジションを上げていたので、本来なら他のヤマハ勢とともにYZR-M1への適応をさらに深めていくはずでした。できれば明日、決勝グリッドに並んでほしいと願っています。ジャック(ミラー)のほうは、ほんのわずかの差でQ2進出を逃し、結果的にポイント争いに絡むことができませんでした。そのなかでも素晴らしいパフォーマンスを発揮しており、自信につながったと思います。グリッド5列目からのスタートなので、明日の決勝もスタートがとても重要になるでしょう」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(12番手/1分41秒340)
「前回のタイGPに比べて格段に調子が上がっています。今日の予選セッションも順調で、決勝用セッティングでは競争力が高く、速く、力強いペースで走ることができて自信になりました。しかしタイムアタックではパーフェクト・ラップがとれなかったためグリッド順位を下げてしまいました。4列目スタートと厳しい状況なので、ここからポジションを挽回するには気持ちを集中し、好スタートを決め、序盤から上位グループに加わっていくしかありません」
I・ゲバラ選手(23番手/1分41秒925)
「予想していた以上に厳しい状況になっています。タイGPのときのような良いフィーリングが得られず、このコースで非常に重要なリア・グリップがつかめません。他のボスコスクーロ勢が素晴らしいスピードで走っているので、データを分析し、明日までに解決策を見つけたいと思います。決勝の目標は好感触を取り戻し、ポイント獲得を目指して戦うことです」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「トニー(アルボリーノ)とチームとでハードワークに取り組んできましたが、今日の予選結果はその成果を十分に反映するものにはなりませんでした。しかしながら、かなり接近した戦いだったことは間違いなく、ラップタイムの差は非常に小さいものです。タイGPと比べて明らかに前進していることがわかるので、私たちにとっては自信になります。イサン(ゲバラ)のほうは明日の決勝も厳しい戦いになるでしょう。このコースでは予想以上に苦戦していますが、そのなかでもチームとともに献身的に仕事に取り組む姿勢は称賛に値します。彼は明日も全力を尽くし、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるものと確信しています」