MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 8月4日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第10戦イギリスGP
■開催日:2024年8月2日(金)プラクテイス
■開催地:シルバーストン/イギリス(5.902 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度/路面温度:43度
REPORT
Monster Energy Yamaha MotoGP
クアルタラロ16番手、リンス18番手
MotoGPは夏季休暇が終了し、シーズン後半戦に突入。その初戦となる第10戦イギリスGPのウイーク初日、Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロとA・リンスはプラクティス(PR)でQ2進出を目指したが、それぞれ16番手と18番手に留まった。
約3週間ぶりのライディングとなった午前中のフリープラクティス第1セッション(FP1)。クアルタラロは慎重に状態を確認しながら周回を重ね、ファステストラップでは他車に阻まれながらも9番手と好調な滑り出しを見せた。午後からのPRも序盤はトップ10につけていたが、終盤のタイムアタックでは徐々に後退。最終的にはトップから1.362秒差の16番手に留まった。ファステストラップは全21ラップ中の20ラップ目に記録した1分59秒273。
一方、怪我からの復帰を果たしたチームメイトのリンスは、FP1で少しずつペースを取り戻して15番手。PRでは序盤からプッシュし、トップ10入りを目指していった。終盤で全体のペースが上がるとリンスもすぐに反応し、13ラップ目には1分59秒455に更新。さらにプッシュを強めていったが、16ラップ目の第7コーナーで転倒して、そのまま走行を終了した。この結果、トップから1.544秒差の18番手で終えている。
なおA・リンスは、2日目以降の出場を取りやめることとなった。初日の走行を終えて手応えをつかんでいたが、第8戦オランダGPで負傷した手と足の状態について熟慮と検討を重ね、この決断に至った。もうしばらく休養し、改めて検査を受けたあと、8月16日~18日に行われる第11戦オーストリアGPでの復帰の可能性を判断することになる。
リンスの欠場を受けて、Yamaha Factory Racing MotoGP Test Teamから出場中のR・ガードナーが、Monster Energy Yamaha MotoGPの一方のピットに移動する。所属チームは現行のまま。
Yamaha Factory Racing MotoGP Test Team
ガードナー、データ収集に貢献
Yamaha Factory Racing MotoGP Test Teamからワイルドカード登録で出場しているR・ガードナーが2セッションを走行し、多くのデータを収集してYZR-M1の開発に貢献した。第9戦ドイツGPでも経験したマシンで、この日はおもにプロトタイプ・パーツの分析に取り組み、総合順位は23番手。
データ収集を最大の目的としているガードナーだが、前回のザクセンリンクとは異なるタイプのコースの攻略に意欲を示していた。午前中のFP1では2分03秒047がベストタイムだったが、午後のPRでは1時間の走行を経て2分01秒312まで短縮。トップとの差を3.401秒とした。
PRACTICE RESULT
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(16番手/1分59秒273)
「Q2に遠く及びませんでした。このレースのために行ってきたマシンの改良に、もっと期待していましたが、残念ながら期待とは少し違っていました。状況を分析し、明日までに一歩、前進を目指します。マシンのフィーリングがあまり良くないので、まずその改善に取り組み、ライバルたちとの差を詰めていかなければなりまぜん。 いずれにしても、より多く周回し、より多くデータをフィードバックしてこのマシンの限界まで引き出すことが重要です」
A・リンス選手(18番手/1分59秒455)
「一日を通していい仕事ができ、着実に前進し、とくにプラクティス終盤は非常に好調で、大きな手応えをつかんでいました。このイギリスGPでの復帰を目指して懸命に努力してきました。ドイツGP以来となる走行をとても楽しみにしていたのですが、たくさんの周回を重ねたあとは手首の痛みが予想以上に激しく、苦戦してしまいました。
そして医師とともに身体の状態を評価・分析した結果、明日以降を欠場することが私にとって最も責任ある行動だと判断しました。チームに対して非常に申し訳なく、また私自身もとても残念な気持ちでいることは、ご想像いただけると思います。今シーズン積み重ねてきた1ラップ1ラップがマシン開発に有効であり、他メーカーとの差を縮めるためにも非常に重要であるということは、すでに証明されています。しかし今、感じている痛みや、さらに大きな怪我のリスクを考えたとき、医療的なアドバイスも受けて、この決断に至りました。できるだけ早くコースに戻り、また全力で仕事に取り組めるよう願っています。皆さんのサポートに感謝します」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「シーズン再開はとてもうれしいですが、もっと上のポジションを目指していただけに残念な結果となりました。グリップ不足がマシンの挙動に大きく影響しているようです。そのため今日はこのようなことになりましたが、明日までに問題を解決できると確信しています。
アレックス(リンス)の悔しさに共感し、早い回復を祈ります。ライダーにとってバイクに乗れないことは、いつでも辛いことですが、今回はいつも以上に、アレックスには特別の思い入れがあったと思います。大会のタイトル・スポンサーとなるMonster Energyにとっても、MotoGP 75周年の記念イベントを主催するDornaにとっても特別な大会です。しかもアレックスはこのシルバーストーンが大好きで、何度も好成績をあげています。だからこそ本当に辛い決断でした。しかし彼の健康と幸福を最優先しなければなりません。そのため私たちは皆、今回は出場を取りやめるべきと判断しており、次回、オーストリアでの復帰を願っています」
Yamaha Factory Racing MotoGP Test Team
R・ガードナー選手(23番手/2分01秒312)
「今日はかなり苦労しましたが、午後のセッションでは大きく前進することができました。マシンも少し改良できたと思いますが、決して簡単ではありません。午前中はライン取りに苦戦しました。というのもコース幅が広く、かなりの高速コースだからです。このマシンのコーナースピードに慣れていませんでしたし、ミシュラン・タイヤの限界もわかりませんでした。この大会のなかでやらなければならないことは、たくさんありますが、明日以降も今日と同じように、落ち着いて少しずつ進めていくつもりです。このあとは電子制御システムのセッティングに取り組みます。またニューパーツも試しています。レースウイークではありますが、私たちはヤマハのテストチームなので、これらのテストが必要なのです」