MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 4月28日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦スペインGP
■開催日:2024年4月27日(土)予選/スプリント
■開催地:ヘレス/スペイン(4.423km)
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:15度/路面温度:17度
■スプリント 気温:20度/路面温度:33度
■PP:M・マルケス(1分46秒773/ドゥカティ)
■FL:M・マルケス(1分37秒812/ドゥカティ)
REPORT
SPRINT
23番グリッドから追い上げたクアルタラロが3位も、ペナルティで5位
第4戦スペインGPのスプリント・レースは波瀾の展開。Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロは23番グリッドから絶好のスタートでポジションを上げ、転倒車が続出するなかで着実に走り切り3位でチェッカーを受けた。しかしその後、タイヤの空気圧が既定値を下回っていたことが判明し、8秒間のペナルティを課されて最終結果は5位となった。チームメイトのA・リンスも25番グリッドから17位まで挽回していたが、残り5ラップで転倒。再スタートして15位でゴールした。
クアルタラロは見事なスタートで一気に14番手まで浮上。まもなく前方で2台が転倒したこともあり、オープニングラップで早くも11位まで挽回した。激しいバトルのなかでその後も転倒車が続出したが、クアルタラロは最後まで好調を維持。終盤はD・ペドロサ(KTM)の猛追を受けるも0.050秒差で抑えきり、トップから7.052秒差の3位でチェッカーを受けた。これにより当初は7ポイントが加算されたが、表彰式後にタイヤの空気圧の既定値違反が判明して8秒間のペナルティが課せられ5位に変更された。
一方のリンスは午前中のセッションで苦戦。Q1は15番手に留まり、スプリント・レースは25番グリッドからの挽回とデータ収集を課題として臨んだ。A・フェルナンデス(KTM)とバトルを展開しながら8ラップ目には17番手まで浮上したが、第13コーナーでフェルナンデスを捉えようとしたところで転倒。しかしここであきらめずに再スタートを図り、少しずつ挽回し、トップから1分02秒288遅れて15位でチェッカーを受けた。リンスもまたタイヤ空気圧のペナルティを課されたが、順位に変更はなかった。
この結果、クアルタラロは合計24ポイントでランキング10位に浮上。リンスは合計3ポイントでランキング21位となっている。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計27ポイントでチーム・ランキング8位、ヤマハは合計24ポイントでコンストラクターズ・ランキング4位をそれぞれキープした。
QUALIFYING RESULT
SPRINT RESULT
COMMENT
SPRINT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(5位)
「オープニングラップで10台分ほど挽回しました。これが表彰台につながる重要な鍵になったと思います。路面コンディションが非常にトリッキーで、それが原因で前方グループの多くのライダーが転倒しました。ひとつの決まったコーナーで大勢が転倒したので、コース上に何かがあるのかもしれないと考えて集中を維持しました。それとは別に、最後までバトルができたのは良かったと思います。とくにダニ(ペドロサ)がずっと私の後ろについていて、そのエンジン音が聞こえていました。それが3位争いになっていたことは残り2ラップまで知らなかったのですが、とにかくいい戦いでした。とくに最終ラップは非常に印象的です。ペナルティは残念ですが、明日また頑張ります。今日と同じようなスタートを期待していますが、現実的には、もしもトップ10に入れるとしたら十分に素晴らしい結果と言えるでしょう」
A・リンス選手談(15位)
「スプリント・レースは持っている力のすべてを使い切りました。前のライダーをパスしようとして転倒してしまったのですが、彼よりもいいペースで走れていると感じていただけに非常に残念です。しかしいずれにしても、今の私にとってオーバーテイクは簡単ではないのです。良かった点は、ウエット・コンディションで行われた予選での不調の原因がわかったことです。次にまたウエットになったら、今度は電子制御システムの別の使い方を試すことになるでしょう。ファビオ(クアルタラロ)にはおめでとうと伝えます。素晴らしい成績とあのロケット・スタートは、チームの仕事の成果でもあると思います。私たちはともに、この戦いに臨んでいます。すべてを注ぎ、互いに鼓舞し合い、それがチームの後押しにもなっているのです」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「何というレースでしょう! 予選後にもしも、スプリントでは3位争いを展開することになると誰かが予言したとしても私は決して信じないでしょう。しかしファビオはそれをやってのけたのです。この驚くべき事実が他の大勢の転倒によるものであることは、もちろん承知しています。しかし、彼の見事なライディングも大きな要因となったことは間違いありません。午前中に雨が降り、路面コンディションは非常に難しい状態になっていました。わずか12ラップの間にあれだけ多くの転倒車が出たことがそれを証明しています。ファビオにとっては、あの力強いスタートも非常に重要でした。オープニングラップで一気に順位を上げ、その後に恩恵を受けられるポジションを確保していたのです。終盤のディフェンシブなライディングもまた、彼のスキルの高さを強調するものになりました。
タイヤの空気圧が既定値を下回り、8秒間のペナルティを受けたことは残念です。違いはほんのわずかだったのです。空気圧の決定はプロトコルに基づいています。グリッド最後の2列からのスタートだったことも考慮されました。しかし実際には前方にクリアスペースが広がり、23番グリッドからのスタートなら通常では考えられないような状況になったのです。そしてそのことが空気圧を下げてしまいました。このようなことになったのは予期せぬ出来事が積み重なったためであり、決して悪意によるものではありません。
アレックスは、午前中は苦戦しましたが、スプリントでは改善されていい走りができていました。順位を上げていただけに転倒は残念です。でもすぐに立ち上がり、レースに復帰するのを見て安心し、うれしく思いました。12ラップを完走してくれたことで、明日に向けての重要なデータを収集することができました」