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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.11 8月11日 オーストリア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第11戦オーストリアGP
■開催日:2019年8月11日(日)決勝結果
■開催地:スピールベルグ/オーストリア(4.326km)
■周回数:28周(120.904 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:32度
■PP:M・マルケス(1分23秒027/ホンダ)
■FL:A・ドビツィオーゾ(1分23秒827/ドゥカティ)

REPORT

Monster Energy Yamaha MotoGPが4位と5位獲得

Monster Energy Yamaha MotoGPのV・ロッシがシュペールベルク・サーキットで大健闘。グリッド10番手から6つ上げて4位を獲得した。チームメイトのM・ビニャーレスは序盤でやや遅れたものの懸命の挽回で取り返し、ロッシに続く5位でチェッカーを受けている。

スタート直後の激しいポジションの奪い合いを巧みにすり抜け、10番手から7番手へ上がったロッシ。1ラップ目を終えたところでビニャーレスをパスし、同じラップでA・リンス(スズキ)もとらえて5番手に浮上した。さらに3ラップ目にはファステスト・ラップを記録するなど、上位陣から離されまいと懸命にペースを上げてゆく。そしてトップ3台から遅れがちになるJ・ミラー(ドゥカティ)との差を詰めるとパスのチャンスを窺いながらついて行ったが、8ラップ目、第9コーナーでミラーが転倒したため自動的に4番手に浮上した。

いよいよ次のターゲットは表彰台。しかし3番手を走るF・クアルタラロとはペースが同等で、なかなか差が縮まらない。そのうちに後方からビニャーレスが追い上げてきたため、ロッシは目標を4番手キープに切り替えてゴールを目指し、トップから7.719秒差の4位でチェッカーを受けた。

一方、自己通算150回目となるグランプリをグリッド4番手からスタートしたビニャーレス。オープニングラップ序盤の混戦のなかで6番手に後退し、2ラップ目にロッシに抜かれたあとはリンスの後方につけることとなった。何とかロッシについていきたいビニャーレスは、6ラップ目にようやくリンスをパスすると追撃を開始。すでにロッシとの差は2.1秒まで開いていたが、リンスのプレッシャーを背後に感じながらもペースを上げ、1分24秒台中盤から後半で周回を続けて少しずつ差を詰めていった。そしてついには0.3秒差まで近づいたものの、仕掛けるまでには詰め切れず、そのまま5位でチェッカーを受けた。トップとの差は8.674秒だった。

この結果、シリーズポイントではロッシが再びビニャーレスを上回りランキング4位に浮上。ビニャーレスが1ポイント差のランキング5位となっている。ヤマハはコンストラクターズ・ランキング3位をキープ。Monster Energy Yamaha MotoGPもチーム・ランキング3位をキープしている。

クアルタラロが今季3度目の表彰台獲得

PETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのF・クアルタラロが今季3度目となる表彰台を獲得。序盤でレースをリードし、3位でチェッカーを受けた。チームメイトのF・モルビデリもトップ10を維持する健闘を見せている。

自分自身、予期していなかったフロントローからスタートし、絶好の飛び出しで序盤をリードしたクアルタラロ。2台に先行を許したあとはタイヤの消耗を抑えながら最後まで安定した走りを続け、今季3度目の表彰台に上った。

一方のモルビデリは、ウイーク中、悩み続けたコーナー進入での問題を解決しきれず決勝でも苦戦したが、遅れを最小限におさえる10位でチェッカー。次回に希望をつないだ。
次戦、第12戦イギリスGPは8月23日(金)にフリープラクティスがスタート、25日に決勝が行われる。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP
V・ロッシ選手談(4位)

「ウイークを順調に過ごし、4位という好成績を獲得することができました。データ上では、ここスピールベルグではもっと苦戦するはずでしたが、ウイーク初日の金曜日の朝からすでに、私たちはこれまでの数年とは違って好調を感じていたのです。決勝は10番グリッドからのスタートでしたが、最初に何台かパスしたことで、その後は良い戦いができました。残念ながら前の3台には届きませんでしたが、4位も決して悪くない結果だと思っています。マーベリックとリンスが差を詰めてきましたが、何とか抑え切ることができて良かったです」

M・ビニャーレス選手談(5位)

「スタートは良かったのですが、第3コーナーでジャック・ミラーと絡んで、一緒にわずかにはらんでしまいました。これでライバルたちのためにドアを開けてしまい、その間に大勢に抜かれてしまったのです。セッティングでは、ホイールスピンを軽減するために他のライダーたちとはまったく異なるものを採用していたのですが、コース・コンディションが昨日と変わったため、マシンの反応も変化していました。ベストの選択だったとは思っていませんが、いくつかの問題を解決してくれるものと考えていました。タイヤをかなり消耗して早々にグリップを使い切ったような状態でしたが、それでも去年と比べれば格段に良くなり、5位を獲得することができたので満足しています。私たちにとって今回のレースはトライアル・ランであり、これからまたハードワークを続けてスピードアップを追求していきます。次のシルバーストーンは大好きなコースなので、ブルノやスピールベルグでの出来事を気にし過ぎずに、100%楽しみたいです」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「このコースはオーバーテイクが非常に難しいため、好スタートが必須であることは以前から予測していました。1ラップ目を終えた時点でバレンティーノとマーベリックがどこにいるかということが、レース結果にほぼ直接的に結びつくのです。バレンティーノは絶好のスタートを切り、ウイーク中に決勝用セッティングに専念してきたことも功を奏し、とくに序盤で6つ順位を上げて4番手まで上がることができたことが大きかったと思います。マーベリックはオープニングラップでやや遅れ、懸命に挽回して5番手まで上がったものの、やはり始めに貴重な時間を費やしてしまったことで表彰台争いに加わることができませんでした。それでも、去年と比べると私たちは12秒も速くなっています。これは非常に評価できる要素です。5位までに3台のヤマハが入ったことで、我々の進化を証明できたと思います。次のシルバーストーンで、さらにもう一歩、前へ進めるよう努力を続けます」

PETRONAS Yamaha Sepan Racing Team
F・クアルタラロ選手談(3位)

「このサーキットで表彰台に上れるなどとは、まったく考えていませんでした。でもフロントローから絶好のスタートで飛び出したあと、マルク(マルケス/ホンダ)とアンドレア(ドビツィオーゾ/ドゥカティ)がわずかにはらむ間にトップに出ることができました。そのまま5ラップにわたってレースをリードしていたときが一番、大変でした。ソフト・コンパウンドは賭けでしたが、このレースのなかでたくさんのことを学び、最終的にはそれが効果を発揮して、3位という好結果を生んでくれたのです。トップ2台がずっと激しく競り合い続けることがわかっていたので、私もいろいろな可能性を考え、できるだけ彼らに近づけこうと最後までプッシュし続けました。次こそは、彼らに加わって優勝争いを展開したいと思っています」

F・モルビデリ選手談(10位)

「今週はずっと苦戦が続きました。他のヤマハ勢と比べてもブレーキングがうまくいかず、そのあとのコーナー進入でも思うようにマシンを持ちこむことができませんでした。この問題は決勝ではいくらか改善されていて、十分なスピードを保ってコーナーを回れることも何度かあったのですが、いずれにしても、どうしてこのようなことが起きてしまったのかを追求し、解決していかなければなりません。そして次のシルバーストーンでは、もっといい走りをして本来の力を出し切れるようがんばりたいと思っています。ここで学んだことを土台にして、次への戦略を考えていきます」

W・ズィーレンベルグ、チーム・マネジャー談

「スピールベルグでのレースについては本当に心配していたのですが、今回はミシュランのリア・タイヤが非常に素晴らしく、ここ数年と比べるとヤマハのマシンにかなり合ったものになっていたのです。その効果がファビオ(クアルタラロ)、バレンティーノ(ロッシ)、マーベリック(ビニャーレス)の3位、4位、5位獲得に表れています。またファビオにとっては、スタートでマルクがミスしたときにちょうど良い位置にいたというラッキーがあったとは言え、ファクトリーのふたりに打ち勝ったことは夢のような出来事です。ファビオは序盤で自分のリズムを維持することができ、後半は賢明にもタイヤをセーブする走りに切り替えてポジションを守り抜きました。フランコ(モルビデリ)のほうも10位と健闘してくれました。ウイーク中ずっと、マシン・フィーリングに悩んでおり、スピールベルグが彼にとって難しいコースであることは私たちもわかっていました」

R・ラズリ、チーム代表談

「表彰台獲得という素晴らしい結果になり、非常にうれしく思っています。でもこれで気持ちを緩めるわけにはいきません。また次の戦いに向かってハードワークを続け、ファビオだけでなくフランコも上位を目指せるようにがんばっていきたいと思っています。今日のような好結果が出ると誰もが興奮して大喜びとなるわけですが、次の瞬間には、さらにその上を目指したくなるものです。私たちも常に高い目標を掲げて向上し続けたいと思っています。そしてそのために、これからもハードワークを続けてゆくつもりです」

MS開発部モトGPグループリーダー、鷲見崇宏談

「ここレッドブルリンクは、エンジンパワーを要求される3本のストレートと、右コーナーが多いことによるタイヤへの負荷が高いことが特徴です。ここ数年YZR-M1は苦戦を強いられていましたが、今年は昨年までの結果を分析し、ライバルに少しでも近づくことを目指して準備を進めてきました。金曜の走り出しから、今回準備したセッティングとタイヤがうまくマッチし、上位入賞に向けた手応えを感じながら臨んだ決勝レース、クアルタラロ、ロッシ、ビニャーレスの各選手は、序盤はトップグループを走行。中盤以降はストレートスピードで勝るライバル選手に次第に離されるも、それぞれにタイヤグリップをコントロールしながら、マシンのパフォーマンスを引き出し、3位、4位、5位と3人がTOP 5に入る活躍を見せてくれました。モルビデリ選手は、コーナリングのフィーリングを掴むことに苦労しながらも、粘り強く戦い10位を獲得。昨年からの車両の進歩を確認できたことは収穫だった一方で、今のYZR-M1に不足している物も明確にもなりました。引き続き開発陣一丸となって勝利に向けて車両改善に取り組んでいきます。ご声援よろしくお願いします」

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