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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.17 10月30日 マレーシア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第17戦マレーシアGP
■開催日:2016年10月30日(日)決勝結果
■開催地:セパンサーキット/マレーシア
■コースコンディション:ウエット
■気温:25度 ■路面温度:28度
■PP:A・ドビツィオーゾ(2分11秒485/ドゥカティ)
■FL:A・ドビツィオーゾ(2分11秒950/ドゥカティ)

REPORT

Movistar Yamaha MotoGPのロッシ2位、ロレンソ3位で、今季5度目のダブル表彰台!

激しい雨のためスタートを遅らせ、さらに1周減算して合計19ラップで行われたマレーシアGP。Movistar Yamaha MotoGPのV・ロッシとJ・ロレンソは、サーキットに詰めかけた95,000を超えるファンを目に前に、最後まで懸命に戦い続けて2位と3位でゴール。今季5度目となるダブル表彰台を獲得した。

予選2位のロッシはスタートで順位をふたつ下げ、4番手で第1コーナーに進入した。しかしすぐさま仕掛け、コーナーをいくつか抜けるうちにトップに浮上。そこから逃げ切りを図ろうとしたが、A・イアンノーネ(ドゥカティ)が食い下がり、ここからふたりによる激しいトップ争いが続いた。ロッシはYZR-M1の俊敏性を生かしツイスティなセクションで優位に立つものの、8ラップ目にイアンノーネに先行を許してしまう。それでもペースを上げてイアンノーネとの差を縮めていくが、A・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)も加わりトップ争いは混戦となる。

ライバルの後方につけていたロッシは、タイミングを見計らってイアンノーネとドビツィオーゾをパス。後方でふたりが競り合う間に、ファステストラップを更新するなどトップをキープする。しかし残り5ラップ、路面が少しずつ乾き始めたところでフロントタイヤの右サイドが消耗。そのため第1コーナーで大きくはらみ、ドビツィオーゾにトップを奪われてしまう。さらにその後も何度か危ない場面に遭遇したことでロッシは、それ以上のプッシュを止め、2位を守り切ってチェッカーを受けた。

一方のロレンソはフロントローからホールショットを決める。しかしM・マルケス(ホンダ)とイアンノーネの激しいプッシュを抑えきれず、1周目を終えるころには6番手に後退してしまう。それでも3ラップ目にはA・エスパルガロ(スズキ)がコーナーではらむ間にひとつ上げ、約1秒前方を行くマルケスの追撃を開始した。

ここでは暫定ファステストラップの速さを見せたロレンソだが、C・クラッチロー(ホンダ)とのバトルの中でラップタイムも順位も落としてしまう。そこでクラッチローの後方について走りながらトップグループへの接近を図る作戦に変更。しかし、懸命にマシンをプッシュするも上位には届かず、最後まで単独走行を続けることになった。ところが終盤、前方でクラッチロー、マルケス、イアンノーネが転倒したため、ロレンソはポジションを上げて3位でゴールし、表彰台を獲得した。

2位を獲得したロッシは20ポイントを加算し、合計236ポイントでランキング2位をキープ。ランキング3位で追うロレンソは16ポイントを加算して208ポイント。しかしこの時点でロッシとの差が28ポイントに開いたため、ロッシのランキング2位が確定した。MotoGPはこのあとヨーロッパへ戻り、2週間後、スペインはバレンシアで2016シーズンの最終戦を迎える。

エスパルガロが果敢な攻めを見せて9位獲得。スミスも14位と健闘

降り続く雨のなかで行われたマレーシアGPで、Monster Yamaha Tech 3のP・エスパルガロが9位を獲得した。開始予定時刻の直前に突然の激しい雨に見舞われたため、レースは20分遅れでスタート。エスパルガロは11番グリッドから飛び出して1周目で9番手に上がったが、徐々に順位を下げて13番手へ。しかしここから力強い走りとコンスタントなリズムをキープして挽回を開始し、13ラップ目に10番手へ浮上した。その後も最後までスピードを維持してプッシュを続けたエスパルガロは、最終的にもうひとつ上げて9位でゴールした。早くも次回のバレンシアGPに照準を定めており、YZR-M1での最後のレースでトップサテライト獲得を狙う。

チームメイトのB・スミスも、激しい雨のなかで果敢な走りを見せて14位を獲得した。グリッド5列目の先頭の位置からスタートしたあと一旦4つポジションを上げ、再び後退して11番手でオープニングラップを終了。ここからリズムをつかんで懸命の走りを続けるも、レースの約三分の一を過ぎたあたりで16番手まで順位を下げてしまった。それでも最後まであきらめずに走り切って14位でチェッカー。怪我からの復帰後、3戦連続でポイントを獲得する快挙を成し遂げた。Tech 3との6年間にわたるパートナーシップを終了することになる最終戦は、有終の美を飾るべく好成績獲得を目指す。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Movistar Yamaha MotoGP
V・ロッシ選手談(2位)

「今日の最大の目標はホルヘの前でゴールすることだった。ランキング2位を確実にするためにね。でも序盤からマシンがとても好調だったから、やはり勝ちたい気持ちも強かったんだ。イアンノーネが非常に速くて、彼とは激しく競り合った。それでも前に出てからは勝利を確信して自信を持って走っていたんだけれど、少しずつ乾いてきて路面温度が上がってきたためタイヤが消耗してきたんだ。とくにフロントがね。危ない場面が2度あって、僕もちょっと無理をしていたので、とうとうミスに繋がってしまった。あのときもドビツィオーゾはとても速くて、僕を抜いたあとはどんどん離れていってしまった。でもランキング2位を守ることが重要。ロレンソとの戦いはいつも接近していて、いつも最終戦までもつれ込む。彼のような強いライダーに勝つことができたことはとてもうれしいことだし、ここまで来てみて、今年はすばらしいシーズンだったと思えるよ」

J・ロレンソ選手談(3位)

「正直なところ、今日の僕はラッキーだった。前のほうで転倒がなかったら、5位か6位で終わっていただろうからね。クラッチロー、イアンノーネ、マルケスが転倒して、ようやく表彰台に上ることができたんだ。以前はウエットのレースは得意だったし、気持ちよく走れていた。とくにピットストップがあったときなどは、優勝し、表彰台に上り、ポールポジションを獲得した。今年はミシュランタイヤになって、とくにシーズン序盤はフロントタイヤに自信を持つことができなかったが、ブルノ以降はセッティングをモディファイして対応し、とても調子が上がっていたんだ。それに加えて、今回は路面のグリップがいつもより良かったので、自信を持って攻めていくことができた。決勝は予選ほどではなかったかもしれないけれど、とにかく最終的には、いろいろな幸運もあって表彰台に上ることができた。次回のバレンシアはランキング3位を決めるために頑張るよ」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「このような厳しい条件のなかでダブル表彰台を獲得できたことが、チームの仕事ぶりのすばらしさを証明している。バレンティーノの走りはまさに完璧。フロントタイヤのグリップが落ちてしまうようなことがなかったら、間違いなく最後までドビツィオーゾとバトルを展開していただろう。レース序盤は見事な観察眼で状況を読み、またイアンノーネとドビツィオーゾの激しいアタックを抑えつけるための勇敢さも見せてくれた。ホルヘのほうは、今日の大雨に対してフィーリングをつかみきれない様子が明らかだった。それでも彼は耐え続け、スムースな走りでうまく状況をコントロールし、ついには3位でチェッカーを受けたのだ。この3連戦は、1戦目は最悪だったが、それとはまったく反対の状況で3戦目を終えることができた。そして今日はバレンティーノがランキング2位を決定したわけだが、ランキング3位はまだわからない状態。最終戦でもふたり揃って表彰台に立つことを期待している。ヨーロッパから遠く離れ、3週間の長い間、緊張のなかで懸命に仕事に取り組んでくれたすべてのチームクルー、すべてのチームスタッフに、この場を借りてお礼を言いたい」

Monster Yamaha Tech 3
P・エスパルガロ選手談(9位)

「非常にハードなレース。とくにヘビーウエットだった序盤はかなり厳しかった。そのなかで何とかトップ10に入り、貴重なポイントを獲得することができたことはうれしく思う。激しい雨で視界が限られてしまっていたので、後ろに行けば行くほど遅れてしまう。ブレーキングのポイントや加速ポイントが見えないから本当に大変だったんだ。それに当然ながらミスはしたくないから、結局、無理をせずにこの9位に集中するしかなかった。でもそのおかげでランキング8位が確実になったし、何台かのファクトリーマシンを抑えることもできて満足している。これからヨーロッパへ戻り、いよいよ2016シーズンの最終戦を迎える。これはTech 3との最後のレースでもあるのでベストを尽くしたい」

B・スミス選手談(14位)

「日本GPから始まった3連戦はすばらしかった。結果にもとても満足しているよ。怪我から復帰して臨んだ3戦で、毎回ポイントを獲得できるなんて思ってもいなかった。すべてはMonster Yamaha Tech 3のスタッフたちのおかげ。彼らの助けがあったからこそ、すべてのセッションを走り切ることができたんだ。今日の決勝についてはもちろん苦しかったけれど、今回もまたポイントを獲得できたことをうれしく思っている。リアにハード・コンパウンドを選んで賭けに出たが、フリープラクティス第4セッションではいいと思ったものが、どうも以前に気に入っていたものとは違っていた。しかもコース上の水の量が多過ぎてリアタイヤがなかなか暖まらなかったので、本当に苦しい状況になってしまったんだ。それでもベストを尽くしたつもりだし、これ以上のことはできなかったと思っている。ウイークを通じていいペースをキープできていただけに14位はちょっと残念だけれど、良いところもたくさんあったことを認めるべきだろう。このあとは1週間休んでからバレンシアへ向かい、Tech 3との最後のレースを迎える。最高の走りを見せたい」

H・ポンシャラル、チーム・マネジャー談

「この3連戦は非常に厳しかった。特にオーストラリアとここセパンは天気が安定せず、誰もが本当に苦労させられた。そんななかでも、この3戦を通してポイントを獲得できたことをうれしく思う。難しいコンディションがミスを誘発し、実際に何台かのトップライダーが我々の前で転倒した。セッションのたびにコンディションが変わるため、誰ひとりとしてセッティングを完璧に決めることはできなかった。ポルは、そのような状況の中でも、最初から最後までプッシュし続けた。すばらしい仕事をして貴重なポイントを獲得し、ランキング8位を確実にしたのだ。決してあきらめず、常にベストを尽くしてくれた彼に感謝している。
一方のブラッドリーもすばらしい仕事をしてくれた。あのような体の状態で戦うのはとても難しいことだが、今回はそれに加えて雨が降り、路面が滑った。さらに転倒すれば怪我をしてしまう可能性もあるのでいつもより慎重になったはずだ。最終的に彼はポイントを獲得。これが最も重要なことで、我々はチームランキングで5位、つまりトップサテライトをほぼ確実にしている。このあとはしばらく休んでからバレンシアへ向かう。彼らとの最後の仕事になるわけで、いろいろな意味でとてもエモーショナルなものになるだろう。今シーズンはここまでに9人のウイナーが誕生した。そして今日は、Tech 3の全員が、かつてのチームメイトであるドビツィオーゾの優勝を喜んだんだ」

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