ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.18 11月9日 バレンシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第18戦バレンシアGP
■開催日:2014年11月8日(土)予選結果
■開催地:スペイン/バレンシア(4.005km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:27度
■PP: V・ロッシ(1分30秒843/ヤマハ)
REPORT
ロッシがポールポジション獲得
今シーズン最後の予選セッションでモビスター・ヤマハ・モトGPのV・ロッシがトップに立ち、ポールポジションを獲得。チームメイトのJ・ロレンソは4位となり、グリッド上ではロッシの真後ろにつく。
ロッシにとっては2010年のル・マン以来のポールポジション。セッション・スタートから少し間をおいてコースに入り、前方が広く開けた状態で早々からタイムアタックを開始。まず1分31秒765でトップに立ち、さらに1分31秒614まで更新した。しかし順位では8位まで後退し、残り8分でピットに戻ってタイヤを交換。2分後にコースに復帰し、最後のタイムアタックに臨んだ。ロッシは初め、1分31秒198でトップに立ったが、その後、ポールポジションをかけた戦いは1分30秒台へと突入。これで一時は4位まで後退することとなったが、残り1ラップの合図のあとで一気に1分30秒843まで更新してトップを奪い返した。モトGPで50回目、すべてのクラスの合計で60回目のポールポジション。
一方のロレンソも、コースインを遅らせたライダーのひとり。スタートするや否や果敢にペースを上げて1分31秒726を記録。これで一時トップに立ったが、全体のペースが上がるなかで8位へ後退した。残り7分までに1分31秒421へと更新し、2位まで挽回してからピットイン。3分後、タイヤを交換してコースに戻ると、さらに1分31秒049まで更新して2位をキープした。これでフロントロウ獲得が確実かに思われたが、最後のタイムアタックで他の先行を許して4位に後退。フロントロウを逃し、2列目の先頭からのスタートが決定した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのP・エスパルガロが予選6位を獲得。モトGPデビューシーズンの最終戦を、グリッド2列目の最後の位置からスタートする。フリープラクティス第3セッションでは1分31秒083を記録し、トップから0.133秒差の2位と好調。これで直接、予選第2セッションへと進出すると、スタート早々から順調にペースを上げて最終ラップで1分31秒307のベストラップをマークした。トップとの差はわずかコンマ4秒。明日の決勝ではスタートで前へ出て上位をキープし、ランキング6位獲得を目指す。
チームメイトのB・スミスは、エスパルガロのひとつうしろの7位。午前中のセッションではマシン・セッティングの最終調整を行いながら、1分31秒469を記録して10位。予選セッションではさらにペースを上げて1分31秒324とし、グリッド3列目の先頭の位置を確保した。エスパルガロとの差はわずかに0.017秒。明日の目標は、サテライト勢トップでシーズン最終戦を終えること。
NGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロがオープン・カテゴリーのトップに立ち、総合11位を獲得した。ベストラップは1分31秒468で、トップとの差は0.643秒。エスパルガロのチームメイトのA・デ・アンジェリスは19位。激しい転倒を喫したが、幸い大きな怪我などはなく、決勝に向けて自信を維持している。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'30.843 |
2 | A・イアンノーネ | Pramac Racing | Ducati | 1'30.975 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.999 |
4 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'31.049 |
5 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'31.144 |
6 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'31.307 |
7 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'31.324 |
8 | C・クラッチロー | Ducati Team | Ducati | 1'31.359 |
9 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'31.426 |
10 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'31.443 |
11 | A・エスパルガロ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'31.486 |
12 | M・ピロ | Ducati Team | Ducati | 1'32.617 |
13 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'32.160 |
14 | S・レディング | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'32.315 |
15 | Y・ヘルナンデス | Energy T.I. Pramac Racing | Ducati | 1'32.321 |
16 | N・ヘイデン | Drive M7 Aspar | Honda | 1'32.395 |
17 | H・バルベラ | Avintia Racing | Avintia | 1'32.443 |
18 | 青山博一 | Drive M7 Aspar | Honda | 1'32.449 |
19 | A・デ・アンジェリス | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'32.453 |
20 | R・ド・ピュニエ | Team Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'32.509 |
21 | D・ペトルッチ | Octo IodaRacing Team | ART | 1'32.683 |
22 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'32.808 |
23 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Honda | 1'33.019 |
24 | B・パークス | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'33.972 |
25 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Avintia | 1'34.510 |
COMMENT
モビスタ・ヤマハ・MotoGP
V・ロッシ選手談(予選1位/1分30秒843)
「モトGPで50回目のポールポジションを獲得することができた。予期していなかったので、ちょっとした驚きだったよ。マシンのフィーリングがとても良かったので、ラップタイムも上がってくると確信。プッシュしていったらペースが上がって好タイムが出ていたが、最終ラップではそこからさらに、大きく更新することができたんだ。4年ぶりのポールポジションに感動。僕はポールポジションが大好きだから本当にうれしいよ。とくに明日の決勝で重要な鍵を握ることになると思えばなおさらだ」
J・ロレンソ選手談(予選4位/1分31秒049)
「すべてのライダーのタイムがとても接近しているので、4位は決して悪くない結果。好タイムを目指してトライし、1ラップは速く走ることができたが、2ラップ目はコーナーではらむミスでコンマ1、2秒遅れてしまった。そしてそれまで僕の後ろにいたバレンティーノが、僕とは逆にタイムを更新して前へ出ていったんだ。ライバルたちはみんな速くて、低速コーナーではかなり遅れるのに、その出口では見事な加速力で楽に立ち上がっていく。でも僕らもいいペースで走れているから、決して悪くはないんだけどね。決勝は長い戦いになるから楽ではないが、優勝の可能性は十分にあると思っている」
M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・モトGP、チームディレクター談
「バレンティーノがポールポジションを獲得。これまではあまりペースの上がらなかったコースだったので、なおさらうれしい気持ちでいっぱいだ。ホルヘのほうも、今日のタイムは悪くない。コンスタントに速く走れていただけに、この最終戦で本来いるべきフロントロウを逃してしまったことはちょっと残念。リズムも良かったし、彼は何度もここで優勝しているのだから、明日はきっと良い展開が待っているだろう。マシンのセッティングに関しては、まだ満足できるところまではいっていない。昨日に比べれば大きな進歩が見られたが、まだまだ改善の余地が残っていると思う。決勝は30ラップと非常に長い。ライダーの体力だけでなく、マシンとタイヤの状態についても、最後までしっかりコントロールするのは簡単なことではないだろう。明日朝のウォームアップ・セッションでさらに何かをつかみ、決勝に生かしていきたい」
モンスター・ヤマハ・テック3
P・エスパルガロ選手談(予選6位/1分31秒307)
「グリッド2列目は決して悪くないんだけれど、午前中の好調を考えると、もっと上のポジションを獲得したかったというのが正直なところ。でも僕の前にいるのは4人のファクトリー・ライダーとイアンノーネだけなのだから、決勝に向けても良い位置だし、十分に満足していいポジションだと思う。それに僕は、今日の1ラップよりも明日の決勝でより強さを発揮できると確信しているんだ。午後は風がかなり強かったので、うまく風を避けて走ることができたライダーは幸運だった。僕はタイムアタックのラップでミスをしてしまい、そのほんの小さな差によってたくさんのポジションを失った。ラップタイムではトップまでわずかコンマ4秒と近づくことができたのだから大きな成果だ。明日はランキング6位獲得を目指してベストを尽くすよ」
B・スミス選手談(予選7位/1分31秒324)
「今日の結果には満足しているよ。グリッド位置も悪くない。ただ今日は路面コンディションが難しく、グリップ・レベルは去年よりもかなり落ちていたようだ。それに加えて、午後は風が強くなって、とくに第1コーナー進入は大変だったんだ。ラップタイムはポルに接近することができたが、これは僕らのチームがともに協力し合い、高め合っている証拠。僕とポルとは2005年からずっとバトルしてきた仲で、お互いをよくわかり合っているんだ。トップとの差はコンマ4秒。ポルと同様、ランキング6位争いのライバルとなるアレイクス(エスパルガロ)より前でスタートできるのも良かった。総合的に見て、明日に向けて期待できる位置につくことができたと思っているので、バレンシアの30ラップを楽しみにしているよ」
NGMフォワード・レーシング
A・エスパルガロ選手談(予選11位/1分31秒486)
「もっと上の順位を目指していたことは確かだけれど、昨日からここまでの仕事の進め方には満足しているよ。明日の決勝は11番グリッドからのスタート。ポジションはあまり良くないけれど、ラップタイムではトップまでわずか0.643秒と近づいているんだ。だからスタートで遅れずに上位グループについていくことが重要。NGMフォワード・レーシングとともに戦ったシーズンを好成績で締めくくりたい」
A・デ・アンジェリス選手談(予選19位/1分32秒453)
「フリープラクティス第3セッションがとても順調に運び、フィーリングもペースも良かったので自信を持って午後からのセッションに臨んだ。マシンには小さなモディファイを加えていたが、フリープラクティス第4セッションでは激しく転倒してしまって時間を無駄にしてしまったんだ。でもすぐにコースに戻ってもう一度トライすると、午前中と同等のラップタイムを記録することができたので自信は失っていない。これからさらに作業を続けて、明日までに少しでも前進したい」