ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.18 11月9日 バレンシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第18戦バレンシアGP
■開催日:2014年11月7日(金)フリー走行総合結果
■開催地:スペイン/バレンシア(4.005km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:29度
REPORT
J・ロレンソがホームGPで好スタート
モビスター・ヤマハ・モトGPのJ・ロレンソとV・ロッシが、シーズン最終戦、バレンシアGPのフリープラクティスを走行。ロレンソは午前中に行われた第1セッションで、何度もファステストラップを塗り替えながら、ほとんどの時間帯でトップをキープする。終盤で2位に後退し、トップとの差は0.193秒。午後からの第2セッションではアシンメトリックのフロントタイヤをテスト。ラップタイムを更新することはできず、第1セッションで記録した1分31秒489で総合2位が決定した。
一方のロッシは第1セッション、セッティングに取り組みながら1分31秒767を記録して、トップから0.471秒差の5位。第2セッションでは真っ先にコースに飛び出し、しばらくトップに立ったあと、決勝を想定した走行に切り替えてコンスタントにハイペースをキープした。そのなかでいくつかのセッティング変更も試みたが、ラップタイム更新とはならず、最終的には総合7位で初日の走行を終了した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのP・エスパルガロは、最終戦のフリープラクティス初日に総合9位を獲得。第1セッションではYZR-M1のベース・セッティングを確認し、1分32秒155のベストタイムで9番手。第2セッションでは決勝に備えてさらにセッティング作業を進め、ラップタイムを1分32秒013まで更新、トップスピードではヤマハ勢最速の327.8km/hを記録した。絶好のスタートをきったエスパルガロは、明日の公式予選でも好位置を狙っていく。
エスパルガロのチームメイトのB・スミスは総合10位。第1セッションでは1分32秒019を記録して6位につけていたが、第2セッションでは決勝を想定したセッティングに集中したため1分32秒024に留まった。明日はラップタイム更新を目指し、予選では6位以内を狙う。
NGMフォワード・レーシング・チームのA・エスパルガロが総合4位を獲得。チームメイトのA・デ・アンジェリスも良いペースで走り切り14位につけた。
2週間前のマレーシアGPでオープンカテゴリーのタイトル獲得を決定したエスパルガロは、午前中のセッションで1分31秒640を記録。午後からの第2セッションでは1分31秒565まで更新した。明日の予選にも自信を見せており、シーズン最高となる5位を目指す。一方のデ・アンジェリスもマシンのフィーリングは上々で、ベストラップは1分32秒562。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'31.296 |
2 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'31.489 |
3 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'31.558 |
4 | A・エスパルガロ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'31.565 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'31.647 |
6 | C・クラッチロー | Ducati Team | Ducati | 1'31.731 |
7 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'31.767 |
8 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'31.935 |
9 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'32.013 |
10 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'32.019 |
11 | H・バルベラ | Avintia Racing | Avintia | 1'32.153 |
12 | M・ピロ | Ducati Team | Ducati | 1'32.267 |
13 | A・イアンノーネ | Pramac Racing | Ducati | 1'32.486 |
14 | A・デ・アンジェリス | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'32.562 |
15 | Y・ヘルナンデス | Energy T.I. Pramac Racing | Ducati | 1'32.689 |
16 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'32.711 |
17 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Honda | 1'32.725 |
18 | S・レディング | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'32.771 |
19 | R・ド・ピュニエ | Team Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'32.799 |
20 | N・ヘイデン | Drive M7 Aspar | Honda | 1'33.434 |
21 | 青山博一 | Drive M7 Aspar | Honda | 1'33.436 |
22 | D・ペトルッチ | Octo IodaRacing Team | ART | 1'33.504 |
23 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'33.737 |
24 | B・パークス | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'34.106 |
25 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Avintia | 1'34.988 |
COMMENT
モビスター・ヤマハ・モトGP
J・ロレンソ選手談(初日総合2番手/1分31秒489)
「今日は序盤から好調で、いいペースで走ることができた。こんなに楽にペースを上げられたのは今シーズンで初めての経験で、マシンのパフォーマンスにも非常に満足。すでに十分に良い状態なのでハッピーだけど、これからさらに、いくつかの変更を試して改良を目指していきたい。アシンメトリック・タイヤも順調。"32"の側は"31"よりもグリップがやや落ちるが、大きな差ではない。明日は"32"を試すことになると思うけれど、問題はむしろリアのほうなんだ。ソフト・コンパウンドは決勝で使用するには柔らかすぎる。決勝を走り切ることはできるだろうけど、早く消耗し始めるだろう。でもハード・コンパウンドではハードすぎる…。明日はハードを試してみて、どちらがいいか見極めたい」
V・ロッシ選手談(初日総合7番手/1分31秒767)
「フロントタイヤのチョイスが非常に重要になるだろう。3通りのオプションがあって、今回はアシンメトリック・タイヤも悪くなかった。アシンメトリックとミディアムをテストしたが、セッティングがまだ十分に決まらないなか、タイヤのチョイスも決めきれないところ。いくつか問題があって、午前中のセッションはそう悪くなかったんだけれど、午後になるとマシンのフィーリングがつかめず走りにくくなってしまった。リズムも悪く苦労したので、明日は改善できるようトライしなければならない。いつもなら硬めのタイヤで行くところだが、ハード・タイヤだとタイムが上がらず、ソフト・タイヤでは少し柔らかすぎるという状態なので少し心配だ。明日は路面の状況が改善され、柔らかめのオプションを使えるようになるよう期待しているよ」
M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・モトGP、チームディレクター談
「好調なスタート。ホルヘのほうがバレンティーノより優っていたが、まだ1日目なので時間は十分。これからいろいろ調整し、タイヤも決定していく。ホルヘはスピード、ペースともに好調。バレンティーノのほうはいくつかテストを行ったがラップタイムはあまり伸びなかったので、これから原因を追及して改善に取り組みたい。本来いるべき上位のポジションまで押し上げるためには、まだもう少し作業が必要になりそうだが、必ず成功させる自信がある。今週末は熱い戦いになるだろう。いつもと同じように全力を注ぎ、日曜日の午後に備えたい」
モンスター・ヤマハ・テック 3
P・エスパルガロ選手談(初日総合9番手/1分32秒013)
「今日は悪くなかったよ。第2セッションではタイムを更新することもできたしね。でもこれで終わりじゃなくて、これからもっと調子を上げていけると思っている。今後の課題はフロントのセッティング。今日使ったタイヤのなかで最もフィーリングが良かったものは決勝距離には向かないので、現時点で決して理想的な状況とは言えないんだ。これからデータをチェックして正しい方向性を見つけ、明日の午前中のセッションでフィーリングを向上させたい。幸い、足の痛みはあまりひどくなかった。ちょっと不安だったので、本当にほっとした。決勝に向けて自信がついた」
B・スミス選手談(初日総合10番手/1分32秒019)
「バレンシアのプラクティス初日は非常に好調。良い点がたくさんあった。いくつものオプションを試し、午前中のセッションですでにベース・セッティングがほぼ出来上がって6位を獲得。第2セッションではさらに改良を目指し、また別のセッティング・オプションを追求した。こうした作業のなかで、明日の予選でラップタイムを上げるために必要なことがわかってきたし、良い方向性が見つかったと思っている。ヤマハのマシンはとても好調で、安定して走ってくれているので満足。しかも今日のラップタイムは、すでにレース距離をほぼ走り切ったユーズド・タイヤで記録したものだったので、とても良い状況にあると言っていいと思う。明日以降も好調を維持して作業を進め、6位以内を目指して差を縮めていきたい」
NGM・フォワード・レーシング
A・エスパルガロ選手談(初日総合4番手/1分31秒565)
「今までこのコースではあまり良いところがなかったので、今日の結果には非常に満足。マシンについてはフロントまわりにまだ少し気になるところもあるものの、全体のフィーリングがとてもいいので、明日はさらにラップタイムを更新できると思う。NGMフォワード・レーシング・チームで最後のレース。目標は上位争いに加わること」
A・デ・アンジェリス選手談(初日総合14番手/1分32秒562)
「順調に作業が進んだ1日。第2セッションでトップとの差を1秒まで縮められたことが良かったと思う。第1セッションと第2セッションの間でセッティング変更を行い、マシンの扱いやすさが大きく向上した。明日の予選、明後日の決勝がとても楽しみだ」