ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 10月19日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦アラゴンGP
■開催日:2014年10月18日(土)予選結果
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド(4.448km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:25度
■PP:M・マルケス(1分28秒408/ホンダ)
REPORT
ロレンソが3位フロントロウを獲得!
モビスター・ヤマハ・MotoGPのJ・ロレンソが予選3位を獲得してフロントロウからスタート。チームメイトのV・ロッシは8位となった。
ロレンソは15分間の予選セッションを、いつものように真っ先にスタート。最初のタイムアックで1分29秒175を記録して一時トップに立ったが、その後、他のライダーに抜かれて4位に後退した。2度目のアタックで1分28秒884へと更新し、3位へ浮上したあと残り8分でピットに戻ってタイヤを交換。2分後にコースに復帰し、1分28秒650を記録して再びトップに立った。しかしその直後にC・クラッチローとM・マルケスがロレンソを上回り、ロレンソの3位が決定した。
一方のロッシは250回目のグランプリ出場。ロレンソのすぐあとにスタートし、クリアラップのチャンスを待つ。そして2度目のタイムアタックで1分28秒956を記録し、トップから0.281秒差の5番手につけた。その後、ロレンソに続いてピットに戻り、素早くタイヤを交換。残り5分でコースに復帰し、最後のアタックに臨んだが、タイムを更新することができず8位で終了した。
モンスター・ヤマハ・テック3のB・スミスが予選4位を獲得。午前中に行われたフリープラクティスでは、昨日までのタイムを0.652秒も短縮する1分29秒661を記録して6位。ウイークを通じて着実に前進してきたスミスは、予選第2セッションでグリッド2列目までを目標に果敢にスピードアップ。1分28秒656まで更新し、3位に0.006秒差、2位に0.014秒差と迫る3位を獲得した。
一方、チームメイトのP・エスパルガロはグリッド3列目。午前中のフリープラクティスでは1分29秒635と健闘し、フロントロウまでコンマ1秒差の5位。午後から行われた予選第2セッションでも好調と自信をキープしてタイムアタックの臨み、1分28秒968まで更新した。ポジションは9位、トップとの差はわずかコンマ5秒。競り合いの激しさが際立った。
NGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロが6位を獲得。予選第1セッションの終盤で雨が降り始め、第2セッションは難しい状況になったが、エスパルガロは素早くセッティングを変更してタイムアタックに臨み、その結果、1分28秒866を記録。明日の決勝は、スミス、ペドロサと並んで2列目からスタートすることとなった。
一方、チームメイトのA・デ・アンジェリスは予選第1セッションでマシンの不具合があり、ラップタイムを伸ばすことができず23位に留まった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'28.408 |
2 | C・クラッチロー | Ducati Team | Ducati | 1'28.642 |
3 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'28.650 |
4 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'28.656 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'28.675 |
6 | A・エスパルガロ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'28.866 |
7 | A・イアンノーネ | Pramac Racing | Ducati | 1'28.887 |
8 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'28.956 |
9 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'28.968 |
10 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'29.088 |
11 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'29.155 |
12 | 青山博一 | Drive M7 Aspar | Honda | 1'29.955 |
13 | S・レディング | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'30.280 |
14 | H・バルベラ | Avintia Racing | Avintia | 1'30.348 |
15 | N・ヘイデン | Drive M7 Aspar | Honda | 1'30.542 |
16 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Honda | 1'30.569 |
17 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'30.635 |
18 | Y・ヘルナンデス | Energy T.I. Pramac Racing | Ducati | 1'30.729 |
19 | D・ペトルッチ | Octo IodaRacing Team | ART | 1'30.812 |
20 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Avintia | 1'31.431 |
21 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'31.492 |
22 | B・パークス | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'31.730 |
23 | A・デ・アンジェリス | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'32.595 |
COMMENT
モビスター・ヤマハ・MotoGP
J・ロレンソ選手談(予選3位/1分28秒650)
「フロントロウはいつでもうれしいもの。もちろんポールポジションを狙って頑張ったつもりだが、十分にラップタイムを上げることができなかった。でも1列目に並べたのだから問題ないし、バレンティーノとペドロサが後ろの列にいるならなおさらだ。予選第1セッションのスタート前、ピットのなかから雨粒が見えたので少しナーバスになった。このようなコンディションで走るのは誰だっていやなものだからね。でもラッキーなことに第2セッションになると雨がやみ、いつもどおりにマックスまでプッシュしていくことができたんだ。セッティングについては、いくつかのコーナーでまだ十分に煮詰めきれていないところもあるので、明日のウォームアップで少しモディファイを加えてみる予定」
V・ロッシ選手談(予選8位/1分28秒956)
「予選セッションのなかで何度かミスをしてしまった。フロントロウからスタートするためには、さらに改善が必要だということはわかっていたんだけれど、マシンをモディファイしたあとブレーキングがうまくできなくなってしまったんだ。それが原因で、2本目のタイヤでアタック中に第3セクションでミス。結局タイムを更新することができずに、3列目スタートということになってしまった。前に大勢いるし、みんなとても速いので、明日は厳しい戦いになるだろう。こんな時は好スタートとその後の1周目がとても重要。僕自身、ペースはいいし、決勝は長いので全力で戦えばチャンスはある。リアタイヤは好調で、きっと最後までもってくれるだろう。フロントについては、もう少し検討が必要だ。明日のコンディションを見てから決めるよ」
M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・MotoGP、マネージング・ディレクター談
「今日の予選結果には満足している。ホルヘは好タイムをたたき出し、バレンティーノも1度目のアタックでは良い走りを見せてくれた。正直なところは、もう少し前のグリッドに並びたかったが、それでも明日の決勝では好成績を狙えると確信している。午前中のフリープラクティスでは、決勝用セッティングで順調なペースで走ることができた。マシンはコンスタントに速く、その競争力の高さには大いに満足だ。タイヤもとても好調に走ってくれているが、どのコンパウンドを使うかはまだ決めかねている。明日のウォームアップでコンディションを確認し、セッティングをさらに向上させてからタイヤの最終決定を行う予定」
モンスター・ヤマハ・テック 3
B・スミス選手談(予選4位/1分28秒656)
「フロントロウに並ぶことができれば最高だったけれど、今日の4位にはとても満足しているんだ。初めは、何列目でもいいから外側につきたいと思っていた。そうすれば第1コーナーでアタックしていけるからね。だから4位は絶好のポジションで、明日はきっといい戦いができると確信したよ。1本目のタイヤで4ラップ走り、そのなかでコンディションをチェックし、また自分自身の緊張をとることに決めた。それからピットに入って、ニュータイヤに交換した最初のラップで最速タイムを記録することができたんだ。皆のタイムがかなり接近しているが、僕らは僕らの目標を達成することができたし、今日は去年よりも速く走れたので良かったと思う。しかも今年のポールタイムは去年よりも遅くなっているんだ。レースは長くて厳しい戦い。レース距離の3分の1くらいからもう、タイヤの挙動が大きくなってくるので、タイヤを大事にしながら変化にしっかり対処することが重要。少しでも上を目指して全力を尽くすよ」
P・エスパルガロ選手談(予選9位/1分28秒968)
「正直に言えば、今日の結果は本来、目指していたものではない。決勝で目標のポジションまで上がっていくのは簡単ではないだろうが、その戦いに挑む準備はできている。MotoGPで初めて走るこのコース。フロントタイヤがまだしっくりこないので、タイムが思うように上がらないのも、そこに原因がありそうだ。ハード・コンパウンドを履いたほうが速く走れるが、予選第2セッションではスタート直前に雨が降って路面温度が少し下がったのでソフト・コンパウンドを選択。それが間違いだったのかもしれない。いつも試行錯誤。レースのたびに学ぶことばかりだ。この状況でも9位に入り、グリッド3列目に並べたので、決勝では少しでも順位を上げ、良い位置でゴールしたい」
NGMフォワード・レーシング
A・エスパルガロ選手談(予選6位/1分28秒866)
「前のほうの列を狙っていたので、今日の結果には大満足。ペースもいいし、マシンのフィーリングもとてもいいので、明日は上位のライダーたちと戦えるよう頑張りたい。予選第1セッションの終盤で雨が降り出したとき、急いでセッティングを変更しなければならなかった。素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝。明日の決勝を楽しみにしている。このコースできっと、好成績を狙えると思う」
A・デ・アンジェリス選手談(予選23位/1分32秒595)
「残念な結果。今日もいくつかの技術的な問題が出てしまい、思うようにプッシュすることができなかった。終盤で雨が降り出したことで状況がさらに難しくなってしまい、明日の決勝は後方からのスタートとなった」