ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.15 10月12日 日本
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第15戦日本GP
■開催日:2014年10月11日(土)予選結果
■開催地:日本/もてぎ(4.801km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:36度
■PP:A・ドビツィオーゾ(1分44秒502/ドゥカティ)
REPORT
V・ロッシが予選2位、フロントロウ獲得
モビスター・ヤマハ・モトGPのV・ロッシとJ・ロレンソは、予選セッションでそれぞれ2位と5位を獲得。
今日も痛み止めの注射を打たずに臨んだロッシは、ロレンソに続いて早々にピットを離れてコースイン。序盤で1分45秒356を記録してトップに浮上したあと、ドビツィオーゾに抜かれて一時2位に後退したものの、残り9分で2度目のアタックに臨むと1分44秒837へ更新、再びトップを奪い返した。
それからすぐにピットに戻り、リアタイヤをソフト・コンパウンドに交換。残り4分でコースに復帰し、1分44秒557まで更新して2位を獲得した。トップとの差はわずかに0.055秒。
昨年のウイナー、チームメイトのロレンソも好調なライディング。予選第2セッション開始早々に1分45秒573を記録したが、その後ライバルたちが上回り、4位へと後退。2度目のトライでは1分44秒982に更新し、ロッシに0.145秒差まで近づいて3位に浮上した。
残り7分あまりとなってタイヤを交換。コースに復帰したときにはライバルたちも最後のアタックを開始していたため、一時は7位まで後退したが、最後のアタックで1分44秒784へと更新し、5位まで上げてセッションを終了した。
モンスター・ヤマハ・テック3のP・エスパルガロ、予選7位
モンスター・ヤマハ・テック3チームのP・エスパルガロが予選7位を獲得。午前中に行われたフリープラクティス第3セッションでは、トップにあとコンマ3秒以下と迫る3位につけ、午後からの第4セッションでも、マシン・セッティングに取り組みながら9番手と好調をキープした。
予選第2セッションでは1分44秒867の好タイムを記録。これでグリッド2列目が確実になったかに見えたが、終盤でひとつ下げて7位となり、3列目の先頭へと後退した。4位から7位までは非常に接近しており、フロントロウとの差もほんのわずか。また、モトGPマシンでもてぎコース初走行ながらラップレコードを更新する大健闘でもあった。
一方、チームメイトのB・スミスは予選10位、グリッドは4列目となった。午前中に行われたフリープラクティスでは6位を獲得。前日のフリープラクティス第1セッションでの自らのタイムを1.5秒も上回る好調ぶりを見せた。同時にマシン・セッティングでも進化を続けながら予選第2セッションへ進出し、1'45秒044で10位となった。明日の決勝ではサテライト勢のトップを目指す。
A・エスパルガロ、予選11位
NGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロが、1分45秒315を記録してオープン・カテゴリーのトップ。総合順位では11位となり、明日の決勝はグリッド4列目からのスタートが決定した。ポールポジションのA・ドビツィオーゾとの差はコンマ8秒。
一方、エスパルガロのチームメイトのA・デ・アンジェリスは1分47秒092のタイムで20位。決勝用セッティングでのペースは好調で、明日は他のオープン・カテゴリーのライダーと競り合い、上位に少しでも近づくことが目標。
中須賀は17番グリッドから24周の決勝レースに臨む
中須賀はフリープラクティス3で15番手、そしてフリープラクティス4では転倒を喫し、身体やマシンに大きなダメージはなかったが20番手となってしまう。これで公式予選2への進出は断たれ、公式予選1でも7番手で総合17番手が決定。17番グリッドから24周の決勝レースに臨むことになった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'44.502 |
2 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'44.557 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'44.755 |
4 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'44.775 |
5 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'44.784 |
6 | A・イアンノーネ | Pramac Racing | Ducati | 1'44.854 |
7 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'44.867 |
8 | C・クラッチロー | Ducati Team | Ducati | 1'44.898 |
9 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'45.005 |
10 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'45.044 |
11 | A・エスパルガロ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'45.315 |
12 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'45.677 |
13 | Y・ヘルナンデス | Energy T.I. Pramac Racing | Ducati | 1'45.971 |
14 | N・ヘイデン | Driver M7 Aspar | Honda | 1'46.465 |
15 | S・レディング | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'46.499 |
16 | H・バルベラ | Avintia Racing | Avintia | 1'46.796 |
17 | 中須賀克行 | YAMALUBE Racing Team with YSP | Yamaha | 1'46.876 |
18 | 青山博一 | Drive M7 Aspar | Honda | 1'46.915 |
19 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Honda | 1'46.948 |
20 | A・デ・アンジェリス | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'47.092 |
21 | D・ペトルッチ | Octo IodaRacing Team | ART | 1'47.757 |
22 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'48.144 |
23 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Avintia | 1'48.185 |
24 | B・パークス | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'48.261 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
バレンティーノ・ロッシ選手(予選2位/1分44秒557)
「とてもハッピーで満足!とくにフロントロウからスタートできるというのがうれしいんだ。明日の決勝では、そこが非常に重要になるからね。誰もが全力でプッシュしてくるから、長くて厳しいレースになることは覚悟しているよ。チームとともに協力し合って、セッティングをここまで改善することができたので、予選の前に十分に戦える状態になっていたんだ。今回のモディファイが、決勝でもいいリズムを作ってくれると期待しているよ。プラクティス・セッション中のリズムは、それほど悪いというわけでもなかったが、特別に良かったわけではないんだ。決勝で優勝を狙うとすれば、どうしても改善が必要だった。はじめは僕の頭のけがを心配したけれど、走ってみたら問題ないことがわかった。指は、ブレーキングにとても重要なところなんだけれど、そこに痛みがある。でも力は入るし、感覚もしっかりしているので大丈夫」
ホルヘ・ロレンソ選手(予選5位/1分44秒784)
「最終ラップはもっと速く走れたはずなのに、僕はミスをしてしまい、コンマ2秒遅れてしまったが、バレンティーノ、ドビツィオーゾ、マルク、ダニは好タイムを出した。僕はパーフェクトな走りはできなかったけれど、ペース自体はとても良かったので不安はない。自信も十分。あとは明日、良い天気に恵まれることを願うばかりだよ。そして僕らのポテンシャルをしっかり見せつけるんだ。そのためには好スタートと、1周目に何台かパスしていくことが必要だが、レースは長いので、最も重要なことは、良いペースを維持すること。力強く戦いを挑み、最後に勝利をつかみたい」
マッシモ・メレガリ,Movistar Yamaha MotoGPチームディレクター
「明日のために、非常に良いポジションを確保することができた。マシンは昨日よりさらに良くなっていて、スピードもペースも競争力が上がっている。予選セッションは非常に白熱していて、トップ6がわずかコンマ4秒以内の差で競り合っている。そのなかでバレンティーノはフロントロウを獲得し、ホルヘはフロントロウこそ逃したものの、その差はわずか100分の3秒だ。これからまた作業を続け、明日のウォームアップまでにさらに一歩前進したい。明日はかなりエキサイティングなレースになるだろう!」
Monster Yamaha Tech 3
P・エスパルガロ選手談(予選7位/1分44秒867)
「タイム争いは非常に激しい競り合い。トップとの差もほんのわずかなものだ。7位というポジションは望んでいたものとは違うけれど、タイム差で考えれば決して悪くない結果なんだ。アタックの最中にいくつかミスをしてしまったので、それさえなければもっとトップに近づけたはず。そうすれば決勝が少し楽になるんだけれど…。明日はとにかく集中して、序盤で前へ出て行くためにもスタートをしっかり決めければならない。そして1ラップ目に何としてもイアンノーネをパスすることだ。ドゥカティ勢はブレーキングとそのあとの加速がとてもいいので、なかなか抜けないからね。目標はできるだけ早くトップグループの背後につけること。そして彼らのラインを学ぶことだ。なぜならそれが、上達のための最善の方法だからね」
B・スミス選手談(予選10位/1分45秒044)
「ポールポジションまで、あとわずかコンマ5秒と考えれば悪くない。でもその一方で、10位という結果にはちょっとがっかりだ。それだけみんなのタイムが接近しているということなんだけどね…。作業の内容には満足していて、今日も決勝を想定してできる限りコンスタントな走りを目指した。その上でラップタイムも大幅に更新することができて、45秒0台が出たことはとてもうれしかった。チームのおかげでマシンのパフォーマンスも上々だよ。これだけ良い仕事ができたのに、10位という数字上の結果しか残らないのは残念。でもこれがモトGPというものなんだ。これからデータを分析し、明日までにどこを改善できるか考える。そして自信を持って10位以上を狙っていくよ。そのためにはまず好スタートを切り、それからどこまでやれるか見極めたい。厳しいレースになるだろうが、できるだけスムースな走りを心掛け、とくに最初の5ラップ、なかでもハードブレーキングの場所でミスをしないように注意する。ヤマハのマシンはこのコースでも良いパフォーマンスを見せてくれる。そのための作戦もできている。準備は万端だ」
NGM Forward Racing
A・エスパルガロ選手(予選11位/1分45秒315)
「予選結果にはまだ満足していないんだ。電子制御システムにいくつか不具合があり心配したが、チームが頑張ってくれたおかげで、こうして良い形で予選に臨むことができた。最終順位は11位。トップのアンドレア・ドビツィオーゾからコンマ8秒の遅れ。このコースには少し苦しめられたけれど、ペース自体は悪くないので、明日は自信を持って臨むよ」
A・デ・アンジェリス選手談(予選11位/1分47秒092)
「もっと上を目指していたんだけれど……。リア周りのフィーリングがあまり良くなかったので、チームと相談しながらいろいろな方法を試してみた。明日はもう一歩前進できる自信があるよ。ペースがとてもいいし、アレックスを除く他のオープン・カテゴリーのライダーにかなり近づいてきているからね」
YAMALUBE Racing Team with YSP
中須賀克行選手(予選17位/1分46秒876)
「フリープラクティス4で、リアのトラクションが思ったほど得られず、第4コーナーで走行ラインを外してしまい、体勢を戻せないまま第5コーナーでオーバーランし転倒してしまいました。ただ、止まり際での転倒なので、身体もマシンにもダメージはありません。マシンのテストスケジュールは、基本的に今日の走行で終了ですが、マシン自体は先行開発モデルで常にデータを収集しているので、転倒は避けなければなりません。明日の決勝グリッドは17番手ですが、スタートをうまく決めて、全日本で戦っているときと同じように精一杯がんばります」
尾方宏彰YAMALUBE Racing Team with YSP監督
「フリープラクティス4で転倒してしまいましたが、中須賀選手に怪我がなくほっとしました。また、マシンのダメージもほとんどなく最小限のものでした。決勝レースを見据えて、昨日、改善ポイントが見つかったのですが、今日は、この部分を詰め切れませんでした。明日の朝の走行で、もう一度色々とトライする予定です。昨日、今日とコンディションに恵まれ、中須賀選手の的確なライディングもあって、来季につながるいいデータを得ることができました。レーシングライダーとしての気持ちを抑えて開発ライダーに徹し、本当にいい仕事をこなしてくれました。今日の走行で基本的なテストスケジュールは終了したので、明日は気持ちよく走ってもらいたいと思っています」