ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 9月28日 アラゴン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦アラゴンGP
■開催日:2014年9月26日(金)フリー走行総合結果
■開催地:スペイン/アラゴン(5.078km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:36度
REPORT
ロレンソ7位、ロッシ10位
課題を残して初日を終了
スペインのモーターランド・アラゴンで行われた第14戦アラゴンGPのフリープラクティス。モビスター・ヤマハ・MotoGPのJ・ロレンソとV・ロッシは、多くの課題に苦しめられて厳しいスタートとなった。今年初旬に同チームがテストを行ったときとはコースコンディションが大きく異なっており、当時のデータを有効に活用することができなかった。
地元のヒーロー、ロレンソは、午前中に行われた第1セッションでトップからコンマ5秒差の3位につけたが、午後の第2セッションでは7位に後退。トップとの差は0.684に広がった。この結果、総合順位は7位。
チームメイトのロッシは第1セッションでトップから0.947秒離されて6位。第2セッションではその差が1秒以上に拡大し、総合順位は10位となった。
モンスター・ヤマハ・テック3のP・エスパルガロがフリープラクティスで総合6位。午前中の第1セッションでは1分50秒120のタイムで8位につけ、6位まで0.178秒差。午後になって気温が上がった第2セッションでは、トップスピードでヤマハ勢トップの334.4を記録。ラップタイムも1分48秒966まで更新し、3位のライダーにコンマ2秒差まで近づく好調ぶりを見せた。明日の予選セッションでも6位以内獲得を目指し、決勝では熱狂的な地元ファンの前で上位入賞を狙う。
エスパルガロのチームメイトのB・スミスは、セッティング作業が順調に運んで総合9位。第1セッションでは、1分50秒246のタイムでトップ6までコンマ3秒差の10位。これを第2セッションでは1分49秒011まで更新し、5位までわずか0.073秒という僅差で9位に入った。
NGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロが総合5位と健闘。チームメイトのA・デ・アンジェリスは15位。
気温15度、路面温度17度という寒さのなかで行われたフリープラクティス第1セッションで、エスパルガロは1分49秒185を記録して2位。午後からの第2セッションは気温23度、路面温度36度まで上がり、1分48秒938まで更新して5位となった。トップとの差は0.653秒。
一方のデ・アンジェリスは手の骨のひびが完治しておらず、慎重な走りを心掛けた。第1セッションは18位に留まったが、第2セッションでは1分50秒408のタイムで15位まで浮上した。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'48.285 |
2 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'48.328 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'48.734 |
4 | A・イアンノーネ | Pramac Racing | Ducati | 1'48.747 |
5 | A・エスパルガロ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'48.938 |
6 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'48.966 |
7 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'48.969 |
8 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'49.002 |
9 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'49.011 |
10 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'49.312 |
11 | C・クラッチロー | Ducati Team | Ducati | 1'49.373 |
12 | Y・ヘルナンデス | Energy T.I. Pramac Racing | Ducati | 1'49.650 |
13 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'49.711 |
14 | 青山博一 | Drive M7 Aspar | Honda | 1'50.283 |
15 | A・デ・アンジェリス | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'50.408 |
16 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Honda | 1'50.472 |
17 | H・バルベラ | Avintia Racing | Avintia | 1'50.487 |
18 | N・ヘイデン | Drive M7 Aspar | Honda | 1'50.890 |
19 | S・レディング | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'50.912 |
20 | D・ペトルッチ | Octo IodaRacing Team | ART | 1'51.510 |
21 | B・パークス | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'52.415 |
22 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'52.600 |
23 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Avintia | 1'52.684 |
COMMENT
モビスター・ヤマハ・MotoGP
J・ロレンソ選手談(初日総合7番手/1分48秒969)
「タイヤがほかのライダーたちとは全く違っていたんだ。バレンティーノはフロントのハード・コンパウンドがあまり気に入っていなくて、終盤でソフト・コンパウンドを試したのかどうかわからないが、少なくとも僕のほうは、ソフトを使ったらいくらか良くなったんだ。明日はもう少し長めに使ってみて、決勝距離をコンスタントに走れるかどうか試したい。今日は絶好のスタートとはいかず、トップからはかなり離されてしまった。でも今は昨年のタイムにもまったく届いていないので、まだまだ伸びしろがあるということだ。精神的にも肉体的にも僕のほうは絶好調なので、あとはバイクのほうを伸ばしていきたい。明日は改善を目指してセッティングを変更してみる予定」
V・ロッシ選手談(初日総合10番手1分49秒312)
「ヤマハ、ブリヂストンと話し合って、リアにハード・コンパウンドを試すことを決めたが、これがうまくいかなかった。同時にフロントのほうにはアンダーステアの問題があり苦しめられてしまったんだ。そこでフロントをソフト・コンパウンドに替えてみたらいくらか良くなった。これで結果的にすべてのコンビネーションを試すこととなり、明日に向けて重要なデータを収集することができたのは良かったと思う。とくにリアのグリップ感とコーナースピードが課題となっていて、マシンは乗りにくいし速さも十分ではない。明日はこれを克服して大きく前進しなければならない」
M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・MotoGP、マネージング・ディレクター談
「ウイーク初日は厳しいスタートになった。マシンは我々が希望していたようには走ってくれなかった。前回ここでテストをした時とコンディションがまったく異なっていることもあり、問題解決のためにはセッティング面で多くの課題が残された格好だ。今日は様々なタイヤ・コンビネーションを試して、タイヤ・チョイスについては少しずつ答えに近づいてきている。もう少し走れば最終決定ができるだろう。夜を徹して問題解決に取り組み、明日は大きく一歩、前へ進めるよう期待している」
モンスター・ヤマハ・テック 3
P・エスパルガロ選手談(初日総合6番手/1分48秒966)
「ウイークのスタートとして非常に順調。セッション序盤からマシンのフィーリングが素晴らしく、これは僕が何度もここを走っているせいもあるけれど、それだけではなくて、すべての動きがとても自然だったんだ。ラップタイムもかなり上がり、第2セッションでは多くの時間帯で暫定3位をキープできたほど。それでもホルヘやバレンティーノと比べれば、彼らのほうがやはりリズムで優っていたと思うので、明日は必ずペースを上げてくるだろう。同時に僕らのほうにもまだ伸びしろが残っていて、今日はハード・コンパウンドしか使わなかったが、明日の第3セッションと第4セッションでは柔らかめのコンパウンドを試したいと思っている。ドゥカティ勢やオープン・カテゴリーのマシンとはタイヤの違いがあるので、予選は楽な展開にはならないだろうが、決勝ではきっと、それまでのハードワークが実を結ぶと信じている。楽しみにしているよ」
B・スミス選手談(初日総合9番手/1分49秒011)
「今日はいい仕事ができた。とくに午後のセッションでは、マシンのフィーリングが大幅に改善され、明日以降に向けての確かな道筋を見出すこともできた。今日はおもにブレーキングでの安定性と、よりスムースでコンスタントに走るためのライディング・テクニックの向上に努めた。これについては、みんなのハードワークのおかげで明らかに進歩が見られている。今日の時点でラップタイムは非常に接近しているものの、依然としてホンダ勢のほうにいくらか分がある状況。またオープン・カテゴリーとドゥカティ勢にはソフト・コンパウンドのタイヤのアドバンテージがあったと考えられるが、明日は路面のグリップ・レベルが向上して、彼らにもっと近づいていけると確信しているよ。いずれにしても今日はすべてが順調に運んでおり、明日以降もこの調子で進めていきたい」
NGMフォワード・レーシング
A・エスパルガロ選手談(初日総合5番手/1分48秒938)
「アラゴンのコースが大好きで、今回は僕にとってホームGPのようなもの。今朝は気温が低くてかなり寒かったけれど、セッション後半には少しずつフィーリングが良くなってきていた。午後になって気温が上がるとフロントのグリップ不足が少し気になったが、これからさらに改善を目指したい。明日もハードワークを続け、決勝に備えてハード・コンパウンドのタイヤを履いてセッティングに取り組む予定」
A・デ・アンジェリス選手談(初日総合15番手/1分50秒408)
「第2セッションでは第1セッションのタイムを更新することができたので、総合的に見て良い一日だったと言っていいだろう。ただ、セッション後半になると手の痛みがひどくなってきてしまったので、本来ならもっと気を付けて走らなければいけなかったのかもしれないね。明日も引き続きトラクション・コントロールのフィーリング向上を目指し、マシンがよりスムースに方向転換できるようにセットアップしていきたい」