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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.13 9月14日 サンマリノ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第13戦サンマリノGP
■開催日:2014年9月14日(日)決勝結果
■開催地:イタリア/ミサノサーキット(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:37度
■周回数:28周(118.328 km)
■PP:J・ロレンソ(1分33秒238/Yamaha)
■FL:M・マルケス(1分34秒108/Honda)

REPORT

モビスター・ヤマハ・MotoGPのロッシとロレンソが1-2フィニッシュ

ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリに集結した何千人ものロッシ・ファンが夢を現実に。モビスター・ヤマハ・モトGPのV・ロッシがホームコースのサンマリノGPで、完璧な走りを見せて優勝を果たした。チームメイトのJ・ロレンソも2位で続き、ヤマハの1-2フィニッシュを決めた。

ロッシは3位グリッド、フロントロウから絶好のスタート。第1コーナー進入で2位に上がり、ロレンソの背後につけた。早々にM・マルケスのアタックに対応し、4周目にはロレンソもパスしてトップに浮上。その後5ラップほどはマルケスが食らいついてきたが、ロッシを逃がすまいと懸命にペースを上げたところでフロントが切れ込み転倒し、トップ争いから脱落した。

ここからはロッシの勢いが止まらず、チームメイトに2秒以上の差をつけての圧勝。昨年のオランダGP以来の優勝を果たし、ヤマハに今季初勝利をもたらした。

一方のロレンソは、ポールポジションからホールショットを奪い、ロッシを背後に従える格好。しかしフロントにハード・コンパウンドのタイヤをチョイスしたため序盤でペースが上がらず、ロッシの追撃を抑えることができなかった。前方でマルケスが転倒したあとは、持ち前の安定性を発揮して順調にペースをキープ。ロッシとの差を2秒ほどに保ちながら、後方から追ってくるD・ペドロサ、A・ドビツィオーゾとの差を徐々に拡大した。最終的には3位以降に4秒以上の差をつけての2位獲得。これでヤマハの1-2フィニッシュを決め、今季7度目の表彰台に上った。

25ポイントを獲得したロッシは自己通算5,000ポイントに到達。シリーズポイントでは合計214ポイントとしてランキング3位をキープし、2位のペドロサにわずか1ポイントと迫っている。一方のロレンソは20ポイントを加算して合計177ポイント。ランキング4位をキープして、5位のドビツィオーゾに35ポイント差をつけている。

P・エスパルガロとスミスが健闘

モンスター・ヤマハ・テック3チームのP・エスパルガロは、初めて走るミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで6位獲得と健闘。朝のウォームアップ・セッションではロッシに続く2位につける好調ぶりを見せ、自信をつけて決勝に臨んだ。グリッド7位、3列目から順調にスタートしたエスパルガロ。1周目を6位で終え、2周目には自己ファステスト・ラップを記録。序盤からハイペースをつかみ、周回を重ねるごとに後続を引き離してそのまま6位でチェッカーを受けた。これによってランキングでも6位に再浮上した

チームメイトのB・スミスも7位獲得と健闘。グリッド9位からスタートしたあと、オープニングラップでひとつ上げて8位。2ラップ目の第7コーナー進入でわずかなミスをおかしてポジションをふたつ下げたものの、その3ラップ後にはまた8位を奪い返し、8ラップ目にはファステスト・ラップを記録するなどさらに前方のライダーを追っていった。安定した走りと粘り強さで追い詰め、チェッカーの直前でついに7位浮上に成功。これで自信を取り戻し、2週間後のアラゴンGPに挑む。

デ・アンジェリスがホームコースで14位

NGMフォワード・レーシング・チームのA・デ・アンジェリスが母国のファンの前で14位を獲得。その一方で、チームメイトのA・エスパルガロは最終ラップ、8位走行中に転倒して明暗を分ける格好となった。

グリッド3列目からスタートしたエスパルガロは、いつものように序盤からハード・プッシュ。しかしリアに違和感があり、マシンの挙動が激しくなってポジションを下げることになってしまった。レース後半になると少しずつ挽回できるようになり8位まで上げて最終ラップを迎えたが、まったく前触れもないところで突然リアから転倒。幸い怪我はなかった。デ・アンジェリスは手首に痛みを感じながらも、しっかりと走り切って貴重なポイントを獲得した。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 V・ロッシ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 44'14.586
2 J・ロレンソ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha +1.578
3 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda +4.276
4 A・ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati +5.510
5 A・イアンノーネ Pramac Racing Ducati +11.771
6 P・エスパルガロ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +18.999
7 B・スミス Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +23.100
8 A・バウティスタ GO&FUN Honda Gresini Honda +36.458
9 C・クラッチロー Ducati Team Ducati +38.480
10 Y・ヘルナンデス Energy T.I. Pramac Racing Ducati +45.878
11 K・アブラハム Cardion AB Motoracing Honda +54.765
12 青山博一 Drive M7 Aspar Honda +56.775
13 S・レディング GO&FUN Honda Gresini Honda +1'02.734
14 A・デ・アンジェリス NGM Forward Racing Yamaha +1'13.546
15 M・マルケス Repsol Honda Team Honda +1'15.948

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 M・マルケス Honda 289
2 D・ペドロサ Honda 215
3 V・ロッシ Yamaha 214
4 J・ロレンソ Yamaha 177
5 A・ドビツィオーゾ Ducati 142
6 P・エスパルガロ Yamaha 98
7 A・エスパルガロ Yamaha 92
10 B・スミス Yamaha 74
18 C・エドワーズ Yamaha 11
23 A・デ・アンジェリス Yamaha 3

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Honda 316
2 Yamaha 239
3 Ducati 149
4 Forward Yamaha 97
5 PBM 8
6 AVINTIA 6
7 ART 4

COMMENT

Movistar Yamaha MotoGP

V・ロッシ選手談(優勝)

「アイム・ベリー・ハッピー!! こんなに多くのファンや家族や友達の前での勝利は格別。自分で誇りに思うよ!ミサノでは実に5年ぶりの優勝。その時も今回と同様、ホルヘと競り合っていたんだ。プラクティス中からマシンが好調に走ってくれていたので、始めからある程度のアドバンテージがあったと思う。その上で最大限、努力を尽くし、勝利を目指せることがわかった。そしてホルヘ、ダニ、マルクと競り合うことになるだろうと確信していたよ。そこでスタートから懸命にプッシュ。その結果、1年以上ぶりの優勝を果たすことができたんだ。ハードワークに取り組み、決してあきらめず、この日が来ることを信じてきた。ヤマハやチームのみんな、友人たち、そして多くのファン、とくにここミサノで応援してくれたひとりひとりにお礼を言いたい」

J・ロレンソ選手談(2位)

「最終的にハード・コンパウンドを使うことを選択し、その結果、とても厳しい戦いになってしまった。今回もまた表彰台に上れたことはうれしいけれど、優勝を狙えると思っていただけに少し残念だ。スタートは悪くなかったが、その直後からフロントに不安があって思うようにマシンを傾けることができず、ブレーキングもいつものようにはいかなかった。ブルノでも同様にタイヤを変更するリスクに賭け、それが功を奏したが、今回はそれが裏目に出てしまった。今日の状態では優勝は不可能だったんだ。どんなに懸命にプッシュしても、マルクの転倒を見たときに、今日はバレンティーノのほうがペースで優っていることを確信したよ。彼はホームコースで完璧な走りを見せ、そしてしっかりと勝利をつかんだ。35歳という年齢で、まったく信じられないよ! また、僕が2位に入ったことで本当に久しぶりにヤマハの1-2フィニッシュを実現できたのでうれしく思っている。ヤマハの全員が一所懸命に仕事に取り組み、一戦ごとに強くなってきている。僕も優勝できる日が来るのを待ち望んでいる」

M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・モトGP、チームディレクター談

「素晴らしい仕事ができた。ウイーク初日は雨もあって予定通りに作業が運ばず、かなり苦労させられたが、翌日、太陽が現れるとすぐに、決勝での成功を信じられるようになった。土曜日に見せたハイペースと、今朝のウォームアップでの好調な走りが良い兆候。そしてバレンティーノは本当に素晴らしいレースを見せてくれた。バレンティーノに大きなプレッシャーを与え、懸命に食らいつこうとしたマルクは転倒して後退。しかしそれがなくても、今日のバレンティーノは誰にも止めることができなかっただろう。ホルヘのほうは、昨日の時点で好感触を得ていたハード・コンパウンドを選択。スペック上は問題のない状況だったはずだが、それが期待通りにはいかなかったことは残念だった。バレンティーノとホルヘの1-2フィニッシュはチームにとって最高の結果。チームメンバーの全員にお礼を言いたい。開幕からずっと、皆でハードワークに取り組んできた。今までは残念ながら優勝がなかったが、必ずこの日が来ると信じていた」

Monster Yamaha Tech 3

P・エスパルガロ選手談(6位)

「正直に言えば、ちょっと悔しいんだ。順位自体ではなくて、レース運びに不満が残っている。だってもっといい走りができると信じていたからね。ドライ・セッションが通常よりもふたつ少なかったため未知のところへ入り込んだ感じ。それに加えて、暖かい気温がまた、セッティングを決定するのにはあまり向いていなかったと思うんだ。結局、決勝にはソフト・コンパウンドのタイヤを選んだが、今日の午後のコンディションを考えればハード・コンパウンドのほうが良かったのかもしれない。でもそんなことは、レースの後では何とでも言えるね…。6位を獲得して貴重なポイントを重ねることができたことは間違いない。それによってランキング6位を取り戻せたのでうれしく思っているよ」

B・スミス選手談(7位)

「7位は狙っていた結果ではないが、このところの厳しい展開を考えれば、本当にうれしく思うよ。それでも2ラップ目のミスはちょっと残念。第7コーナー進入でふたつも順位を下げてしまったからね。あとでこれを取り戻すことができたけれど、ペドロサ、2台のドゥカティ、ポルのグループには追いつけなくなってしまった。このコースでは皆のタイムが接近しているので、挽回はなかなか難しいんだ。何とかポルをとらえたかったが、テールにつくことができないとわかったので、リスクをおかすよりも安全に走り切ることでできる限り多くのことを学ぼうと思った。多くのデータを収集して次のアラゴンに生かそうと考えたんだ。昨年はここで大変な苦労をした。そのことを振り返れば、今日のパフォーマンスは大きな進化だと思う。目標は5位以内だったので、課題克服のためにまだやるべきことが残っている。金曜日の混乱のあと、チームは本当によく頑張って、素晴らしい仕事をしてくれた。これからもドゥカティ勢に追いつくべく努力するよ」

H・ポンシャラル、モンスター・ヤマハ・テック3チーム、チームマネジャー談

「ヤマハにとって今季初めての優勝が、ここミサノで、ロッシによって実現した。これは誰もが望んでいたことで、まるで誰かが書いたシナリオ通りの展開のようだ。ヤマハのこれまでの素晴らしい仕事ぶりを祝福し、賞賛したい。その一方で、我々のふたりのライダーのパフォーマンスも心から讃えたい。現時点では、我々のポジションはここにある。ポルとブラッドリーがドビツィオーゾやイアンノーネのドゥカティ勢と互角に戦えるようになることが目標だが、今回は彼らのほうがわずかに速かったということだ。ベストを尽くし、ハードに攻め続け、マシンを安全にピットへ戻して、彼ら自身のため、そしてチームのために貴重なポイントを獲得した彼らに感謝している。今回もまた多くの貴重な経験をさせもらい、ふたりのライダーたちはロレンソやロッシのレベルに近づくべく懸命に努力した。我々はこれからも戦い続け、成長過程にあるふたりの若いライダーをアシストしていく。今日のレース自体は、我々にとってはあまりエキサイティングなものではなかったが、ベストを尽くし、しっかり仕事を遂行したことは間違いない。次のアラゴンではさらなる飛躍を目指したい」

NGM Forward Racing

A・エスパルガロ選手談(DNF)

「レースの序盤から、リアが何かおかしいことに気づいていた。今朝のウォームアップと比べてもグリップ感が足りなかったので、かなり苦労したよ。何とか8位をキープしたかったが、最終ラップではなんの前触れもなく、リアがいきなり切れ込んだ。非常に残念だ」

A・デ・アンジェリス選手談(14位)

「最初から最後まで自分のリズムをコントロールすることができたので満足している。手首の痛みがあってブレーキングでは苦しかったけれど、何とかレディングについて行き、ポジションを挽回しようと頑張った。懸命にプッシュしたが、完走とポイント獲得が最優先なので、あまりリスクをおかさず、このような結果になったことに満足している。次のアラゴンまでに手首を治し、万全の状態で臨みたい」

津谷晃司、MS開発部 モトGPプロジェクトリーダー談

「バレンティーノ、ホルヘともに我々のマシンが持つ最大限のパフォーマンスを発揮して最高の結果を出してくれました。ここ3戦は“もう少し”のところで勝ちを逃しており非常に悔しい思いをしてきましたが、やっと一矢報いることができました。この1-2フィニッシュは、諦めずに粘り強く前向きに取り組んでくれたライダー・チーム・開発陣の努力の賜物です。また同様に、諦めずに応援し続けてくれたファンの皆さまに支えられたものでもあり、心から感謝したいと思います。まずは1勝しましたが、気を抜かずに次戦アラゴンに向けての準備を始めます。引き続きご支援・ご声援よろしくお願いします」

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