ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 9月14日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦サンマリノGP
■開催日:2014年9月13日(土)予選結果
■開催地:イタリア/ミサノサーキット(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度 ■路面温度:36度
■PP:J・ロレンソ(1分33秒238/Yamaha)
REPORT
ロレンソがポールポジションを獲得
モビスター・ヤマハ・モトGPのJ・ロレンソが、ファクトリー・ヤマハに今季初のポールポジションをもたらした。チームメイトのV・ロッシも好調で、ロレンソから0.064秒差の3位。ともにフロントロウからのスタートが決定した。
昨日は雨に翻弄され苦しんだロレンソだが、今日は15分間の予選で早々に好タイムをマーク。最初のアタックで1分33秒604を記録し、2ラップ目もプッシュし続けて1分33秒502まで更新。その後ピットに戻ってタイヤ交換を行った。
6分を残してコースに復帰すると、フロントロウ獲得を目指して自信の走り。高速セクションの連続に多くのライダーがトップタイムを競い合うなか、ロレンソが残り2ラップで1分33秒238をたたき出して暫定ポール。このタイムが最後まで破られず、ロレンソの今季初のポールポジションが決定した。
一方のロッシは集団を先に行かせて後方からのスタート。前方にクリアスペースを確保して順調にペースを上げ、まず1分33秒756のタイムで4番手に浮上。2ラップ目のアタックでは1分33秒605へと更新した。
ピットに戻ってタイヤを新品に交換したロッシは最後のアタックに照準を合わせており、まず1分33秒513で5位につけると、ラストラップでは完璧な走りで一気に1分33秒302へ更新。これでロレンソから0.064秒差の3位を獲得した。
P・エスパルガロが7位を獲得
モンスター・ヤマハ・テック3チームのP・エスパルガロが予選7位を獲得し、明日の決勝は3列目の先頭からスタートすることとなった。フリープラクティス第3セッションで9位につけて直接、Q2へと進んだエスパルガロ。太陽の下、ドライ・コンディションで行われた予選セッションでは、スタートと同時にペースを上げて6ラップ目で1分33秒557のベストタイムを記録。このタイムはポールポジションにコンマ3秒と迫るもので、T4では最速区間タイムもたたき出している。ドライ・コンディションでの走行が90分にも満たない状況のなかで、素早い適応能力を発揮した結果だ。今回もまたサテライト勢のトップを目指して決勝に挑み、ランキング7位のポジションを確実なものにしたい。
チームメイトのB・スミスも予選9位と健闘して、エスパルガロと同じサードロウ。フリープラクティス第3セッションでは8位につけ、T3の最速区間タイムを記録。フリープラクティス第4セッションでは1分34秒953をマークし、Q2へと進出した。15分間のタイムアタックではリアタイヤのトラクション不足を感じながらも早々からペースを上げていき、1分33秒761のベストタイム。フロントロウのロッシにコンマ5秒差と近づいたばかりでなく、トップスピードでは時速285.5㎞の最高速を記録した。明日の決勝ではロケット・スタートを決め、少しでも多くのポイントを獲得するべく順位を挽回していく。
A・エスパルガロがオープン・カテゴリーでトップ
NGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロは、ポールポジションのロレンソからわずかコンマ4秒差。予選でそれまでの自己ベストとなる1分33秒713を記録し、オープニングラップでトップ、総合8位を獲得した。明日の決勝は3列目からのスタート。
一方、チームメイトのA・デ・アンジェリスにとっては厳しい戦い。シルバーストーンで負傷した手首の痛みが癒えないなか、ブレーキングでのフィーリング向上を目指してセッティング作業に取り組んでいたが、ベストタイムは1分35秒679に留まり19位となった。
エスパルガロのかつてのチームメイト、シモーヌ・コルシはシルバーストーンで負傷し、今回欠場が決まっている。NGMフォワード・レーシングはその早い回復を願い、ナンバー3をつけたスペシャル・ヘルメットをプレゼントした。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'33.238 |
2 | A・イアンノーネ | Pramac Racing | Ducati | 1'33.289 |
3 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'33.302 |
4 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.360 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.418 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'33.439 |
7 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'33.557 |
8 | A・エスパルガロ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'33.713 |
9 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'33.761 |
10 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'33.995 |
11 | Y・ヘルナンデス | Energy T.I. Pramac Racing | Ducati | 1'34.283 |
12 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'34.640 |
13 | C・クラッチロー | Ducati Team | Ducati | 1'34.495 |
14 | S・レディング | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'34.919 |
15 | 青山博一 | Drive M7 Aspar | Honda | 1'34.966 |
16 | L・キャミア | Drive M7 Aspar | Honda | 1'35.275 |
17 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Honda | 1'35.292 |
18 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'35.589 |
19 | A・デ・アンジェリス | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'35.679 |
20 | B・パークス | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'36.317 |
21 | H・バルベラ | Avintia Racing | Avintia | 1'36.689 |
22 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Avintia | 1'42.497 |
COMMENT
モビスター・ヤマハ・MotoGP
J・ロレンソ選手談(予選1位/1分33秒238/8周)
「ここまで長い時間がかかったけれど、ようやくポールポジションを獲得することができた。とてもうれしいし誇りに思う。前回のシルバーストーンではいろいろな問題があって苦労したところだが、今回はスタート早々から非常に好調。ヤマハのマシンが素晴らしい走りをしてくれたので、バレンティーノもとても速かった。僕は序盤から懸命にプッシュ。でもパーフェクト・ラップのためのパーフェクトなラインどりができていなかったと思う。タイヤを交換したあとはタイムが上がってきたが、第1セクションでミスをしてはらみ、コンマ1、2秒遅れてしまったのは残念。それでも第2セクション以降は驚くほど好調でペースも上がり、自信を持って走ることができたんだ。でも大事なのは明日。少しでも多くのポイントを獲得するために、まず好スタートを決めること。それからレースをリードして優勝を目指す。ポールポジションを獲得したことによってスタートでいくらか有利になったので、それを最大限に活用するべく序盤からプッシュして逃げたい。バレンティーノもペースがいいし、その他にもライバルがいるので簡単なことではないが、頑張ってトライしてみるよ」
V・ロッシ選手談(予選3位/1分33秒302/8周)
「午前中のフリープラクティスも悪くなかったんだけど、午後のセッションではマシンのセッティングがさらに大幅に向上し、ユーズド・タイヤでもかなり速く走れるようになっていた。これは決勝のために最も大切なことなんだ。僕にとっては今季初めてのフロントロウなので大満足。僕は予選でいつも苦労してしまうんだけれど、最近は少し良くなってきてセカンドロウが続いていた。そして今回はついにフロントロウ。スタートで前に出るためには、やはり1列目のほうがずっと有利だからね。またタイム自体がポールポジションにかなり近づいていることもうれしい。マシンのフィーリングが良く、フリープラクティス中のセッティングも順調。今回のヤマハは本当に強くなっているので、明日までにもう少し細かいところを改善して決勝に臨みたい」
M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・モトGP、チームディレクター談
「ホルヘとバレティーノのパフォーマンスにとても満足している。ホルヘはパーフェクト・ラップを走り、チームに今季初のポールポジションをもたらしてくれた。昨日話したとおりにチームは夜を徹して作業に励んだ。その結果、このような素晴らしいマシンを用意することができたのだ。バレンティーノも同様に好調で、彼にとっても今季最高の予選セッションだったと思っている。マシンを完璧にコントロールしていて、それに伴ってラップタイムもトップにかなり近づいてきた。セッティングもマシン自体も競争力が高くバランスがとれている。タイヤもよく走ってくれていて、そのおかげでふたりは安定して速く走ることができるのだ。今夜も徹夜で、さらなるステップアップを目指す。予報によれば明日も今日と同じコンディションになりそうなので、ふたりがともに好調な走りを見せ、揃って表彰台を目指すことになると確信している」
P・エスパルガロ選手談(予選7位/1分33秒557/8周)
「ドライ・コンディションはたったの1日。そのことを考えれば今日の予選のパフォーマンスには満足できる。終始、とても速かったし、ポールポジションまであとわずかコンマ3秒と迫ることができたことを誇りに思っているよ。でも本当ならもっと前へ行けたはずなんだ。タイムアタック中の1セクションと第2セクションでミスをしてかなり遅れてしまったからね。このコースはオーバーテイクが難しくてスタートが重要になってくるので、明日は何よりもまず自信を持って臨まなければならない。天候の影響で、同じタイヤで多くの周回を走ることができなかったので、決勝のペースがどうなるか少し不安も持っている。明日の朝のウォームアップでもう少し調整を加え、28ラップの決勝に向けて最大限、準備を整えたい」
B・スミス選手談(予選9位/1分33秒761/9周)
「9位という結果からわかるように、マシンの調整は予定通りに進んでいない。今回もまた、決勝での好スタートが不可欠となってしまったよ。本当ならもう少し前につけたかったけれど、2本目のタイヤがそれまでと同様に機能してくれず苦労した。僕はいつも1本目のタイヤでスピードを上げていき、2本目でタイムアタックに臨む。ところが今回は、タイヤを交換したあとマシンをうまく操れなくなり、コーナーのたびに進入でハイサイド気味になってしまっていたんだ。このコースの性質上、決勝で良い位置を確保するためには6位以内に入りたかったんだけれど…。とは言っても、いつものように準備を整え、決勝ですべてを賭けることに変わりはない。決勝ペースについては確信がないけれど、フリープラクティス第4セッションでは古いタイヤで1分34秒台が出ていたので、新品を履けば当然、もっと楽に走ることができるだろう。明日のウォームアップで試したいことがまだ残っているが、現時点で、ブレーキングでのマシンの挙動に満足している。ここミサノではこのことがとても重要。目標を達成するためにはたくさんのライバルたちを抜いていかなければならないからね」
A・エスパルガロ選手談(予選8位/1分33秒713/7周)
「ポールポジションまでわずかコンマ4秒。ライバルたちもみな接近しているので、明日の決勝は見ごたえある戦いになるだろう。ミサノのコースは大好きだから、もっと上を目指していたが、昨日はかなり苦しんで2回も転倒してしまった。それでも僕は楽観的に考えて期待を持っているよ。タイヤ・チョイスに関しては、現時点ではおそらく、ハード・コンパウンドを選ぶことになると思っている」
A・デ・アンジェリス選手談(予選19位/1分35秒679/8周)
「手首がとても痛くて、そのせいで思うように乗れないんだ。マシンのほうもブレーキングでの課題が残っているので、明日までにフィーリングを改善できるように、これからまた作業を続けていく。シルバーストーンでも同様だったが、予選ではソフト・コンパウンドの強みを最大限に引き出すことができなかった。その一方でハード・コンパウンドは感触がいいので、決勝についてはポジティブに考えているよ」