ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 4月27日 アルゼンチン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第3戦アルゼンチンGP
■開催日:2014年4月25日(金)フリー走行総合結果
■開催地:テルマス・デ・リオ・オンド/アルゼンチン(4.806km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:32度
REPORT
アルゼンチン・アドベンチャーがスタート
テルマス・デ・リオ・オンドでMotoGPの第1回フリープラクティスが行われ、アルゼンチンGPがスタート。モビスター・ヤマハ・MotoGPのV・ロッシとJ・ロレンソは、今回もまたタイヤの消耗に悩まされることとなってしまった。
ロレンソは午前中に行われた第1セッションで1分42秒804を記録してトップに立ったものの、第2セッションでは1分41秒533まで伸ばしながら順位は9位に後退。一方のロッシは、第1セッションは1分44秒502で10位。第2セッションで1分41秒395と大幅にタイムを更新して8位となった。最大の問題となったリアタイヤの消耗を克服するべく、これから明日に向けて作業を行う。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スミスとP・エスパルガロは、第1セッションから好調な走り。このコースで大きな大会が開催されるのは今回が初めてということもあって路面の状態は理想から程遠いものだったが、時間が経つにつれて徐々に改善。そのなかでスミスは初めて走るコースに素早く順応し、6位獲得と健闘して今シーズンにかける意気込みをアピールした。ベース・セッティングも仕上がり、さらには数種類のタイヤ・バリエーションもテスト。最終的に1分41秒303までタイムを更新した。
一方のエスパルガロも、スミスに続く総合7位と大健闘。初めてのコースのデータ収集を行いながら、両セッションのほとんどの時間帯でトップ5をキープした。第2セッションでは、第1セッションの自らのタイムを2.5秒も更新する1分41秒368をマークしてロッシやロレンソを上回った。
NGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロは、初めて走るコースを素早く攻略。1分40秒566の好タイムを記録して3位につけた。第1セッションはエンジンの不具合があり十分に走りこむことができなかったが、第2セッションでは早くも適切なラインどりを習得し、オープンカテゴリーでトップ、総合ではM・マルケス(ホンダ)、D・ペドロサ(ホンダ)に続く3位を獲得した。明日の予選にも自信を見せており、開幕戦と同様の強さをアピールしようと意気込んでいる。チームメイトのC・エドワーズは1分42秒608で14位。第1セッションではタイヤの問題に悩まされたが、第2セッショは改善が見られた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.313 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'40.396 |
3 | A・エスパルガロ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'40.566 |
4 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'40.891 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'41.042 |
6 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.303 |
7 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.368 |
8 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'41.395 |
9 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'41.533 |
10 | A・イアンノーネ | Pramac Racing | Ducati | 1'41.924 |
11 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'42.029 |
12 | Y・ヘルナンデス | Energy T.I. Pramac Racing | Ducati | 1'42.128 |
13 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Honda | 1'42.348 |
14 | C・エドワーズ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'42.608 |
15 | N・ヘイデン | Drive M7 Aspar | Honda | 1'42.621 |
16 | H・バルベラ | Avintia Racing | Avintia | 1'42.739 |
17 | B・パークス | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'42.827 |
18 | M. ピロ | Ducati Team | Ducati | 1'42.898 |
19 | D・ペトルッチ | IodaRacing Project | ART | 1'43.106 |
20 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Avintia | 1'43.125 |
21 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'43.151 |
22 | S・レディング | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'43.165 |
23 | 青山博一 | Drive M7 Aspar | Honda | 1'43.347 |
COMMENT
モビスター・ヤマハ・MotoGP
V・ロッシ選手談(初日総合8番手/1分43秒395/31周)
「アルゼンチンの新しいコースで、非常に厳しい状況におかれている。コンディションもあまり良くなかったところに、タイヤ、とくにリアのほうに大きな課題が残ってしまった。午後のセッションではいくらか改善されたけれど、依然として適切なバランスが見つかっていない。たった2、3ラップでリアがスライドし始めるような状況なので、これからもっともっと作業に集中していかなければならない。コース・コンディションの改善も望みたいところだけれど、マシン・セッティングのほうの改善も頑張らないとね」
J・ロレンソ選手談(初日総合9番手/1分41秒533/25周)
「新しい路面が、まだささくれだったような状態なのでタイヤに問題が出てしまっている。良い状態で走れるのはせいぜい6ラップか7ラップだけなんだ。午前中の第1セッションでは僕が最後にタイヤを履き換えたため、終盤でグリップがまだ良かっただけ。だからトップになったんだよ。午後は反対に、みんなが新しいタイヤに替えたときに僕は替えずにそのまま走り続けた。それで順位が上がらなかったんだ。リアルなポジションはおそらく5位くらいだと思う。タイヤがもうちょっと、もってくれるなら順位も上げられるんだろうけれど…」
M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・MotoGP、マネージング・ディレクター談
「午前中はホルヘもバレンティーノも順調にスタートすることができ、それぞれ新しいサーキットの攻略法を考えながら走っていたようだ。午後になってタイムが上がってくると、問題点が明らかになってきたので、データをしっかり分析して上位との差を縮めていきたいと思っている。とくにタイヤが大きな問題になりそうなので、これに対処するためセッティングを調整していく。明日までにいくつか改善してタイムも上がってくると確信している」
モンスター・ヤマハ・テック 3
B・スミス選手談(初日総合6番手/1分42秒303/33周)
「今日の結果には満足しているよ。コースは想像していたものと大きく違わず、見たとおりにとてもいい感じ。最終コーナーは僕のお気に入りだ。まるでコーリンのランチでスーパーモタールに乗っているみたいな感じで、とにかくすごいんだよ! 今日の課題はコースを学ぶこととベース・セッティングを仕上げることで、それがほぼ達成できたのはとても良かったと思う。タイヤ・チョイスについてはまだ決めかねているんだけれど、明日また両方のコンパウンドを試して、コースがもっときれいになったときにどちらを使うか判断したい。またセッティングをさらにモディファイして、決勝ペースを上げていきたい。初日としては良い位置につけることができたので、明日の予選も、明後日の決勝も自信を持って臨めるようさらに頑張りたい」
P・エスパルガロ選手談(初日総合7番手/1分42秒368/30周)
「十分な手ごたえを感じることができた。新しいコースは、今までに走った他のコースとは違ったタイプで、より見応えがあって走りがいがある感じ。印象はとても良かったよ。何よりレイアウトが素晴らしくて、長くて速いブラインドコーナーなど、かなりテクニカルなんだ。僕のお気に入りは、素早い向き変えが要求される第4コーナーと最終コーナー。実際、この2か所では力強く走れるんだけれど、もっとタイムを上げていけるはずなので、今夜そのあたりの作業を行う予定。その他にはフロントまわりのセッティングについても課題が残っているんだけれど、今日は何より、最初のセッションからしっかり走ることができたので気分がいいんだ!」
NGMフォワード・レーシング
A・エスパルガロ選手談(初日総合3番手/1分40秒566/27周)
「前回のオースティンではリアタイヤの問題に悩まされ思うような走りができなかったので、このアルゼンチンが楽しみでしかたなかったんだ。今日は自分の思い通りに走れたし、マシンのポテンシャルをアピールすることもできたので満足しているよ。第1セッションはエンジンに不具合が出たが、チームが見事それを修復。おかげで第2セッションもファースト・バイクで走ることができた。初日なので、何よりもまずコースを学ぶことが大切。明日以降もしっかりしごとに集中し、開幕戦のカタールのような活躍ができるよう頑張りたい」
C・エドワーズ選手談(初日総合14番手/1分42秒608/30周)
「午前中はタイヤにちょっと悩まされてしまったけれど、全体的に見ればうまくできたと思う。第2セッションでは電子制御システムのセッティングを変更してフィーリングも良くなった。明日もまた、さらに一歩前進できると思っている。新しいコースを学んで好成績を目指したい」