ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.01 3月23日 カタール
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第1戦カタールGP
■開催日:2014年3月22日(土)予選結果
■開催地:カタール/ロサイル・サーキット(5.380km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:18度
■PP:M・マルケス(1分55秒507/ホンダ)
REPORT
ロレンソは5番グリッド、スミスが3位でフロントロウを獲得
モビスター・ヤマハ・MotoGPのJ・ロレンソが予選5位を獲得。チームメイトのV・ロッシは大幅にタイムを更新して10位。
ロレンソは公式予選に先立って行われた4回目のフリープラクティスで、トップとの差を0.492秒に短縮して7位。そして予選セッションではいつものように真っ先にコースに飛び出し、1度目のタイムアタックで1分55秒036を記録した。しかしライバルたちも順調にペースを上げてこれを上回り、セッション中盤までに5位に後退。ここでピットに戻りタイヤ交換を行ったロレンソは、最後のアタックで激しく競り合い、ついに1分55秒の壁を破って1分54秒661をマークした。これでトップのM・マルケスとの差は0.154秒に短縮。明日の決勝は2列目からスタートする。
一方のロッシは今日も進化を続け、ペース、ラップタイムともにセッションごとに良くなっていった。予選セッションでは、1本目のタイヤで1分55秒471を記録して6位。終盤のタイムアタックではさらに激しくプッシュし、最終ラップで1分55秒096まで短縮することに成功した。順位は10位に留まったが、トップにコンマ5秒差と迫っている。
モンスター・ヤマハ・テック 3のB・スミスは、MotoGPで自己最高となる予選3位を獲得してフロントロウをゲット。これによって、モンスター・ヤマハ・テック 3のライダーが3年連続でカタールのフロントロウに並ぶこととなった。チームメイトのP・エスパルガロは12位。
ここまで好調をキープし、フリープラクティス第4セッションではトップに立ったスミス。予選セッションでも懸命にタイムを追求し、最終的には1分54秒601を記録。ポールポジションのマルケスに100分の1秒以内と迫る3位につけた。モビスター・ヤマハ・MotoGPのロレンソ、ロッシを抑え、ヤマハ勢のトップに立っている。
MotoGPデビュー戦となったエスパルガロは、予選第1セッションを無事に通過して第2セッションで12位を獲得。昨日は転倒があったが、今日は冷静な走りを見せて第1セッションでトップタイムをマーク。第2セッションでは1分55秒152で12位となった。初めてのMotoGP予選でトップにコンマ6秒差と迫る快挙。
3回のフリープラクティスでトップに立ち、速さを証明したNGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロだが、予選で2回の転倒がありフロントロウを逃す結果となった。1度目は3位走行中の第2コーナー。すぐにスペアマシンに乗り換えてコースに復帰し、マルケスよりコンマ1秒速いタイムで走行していたが、フロントを滑らせて2度目の転倒を喫した。幸い重大な影響はなく、明日の決勝は3列目からスタートする。
チームメイトのC・エドワーズは、ハード・コンパウンドのタイヤでは順調にタイムを上げているものの、ソフト・タイヤを十分に使いきれずに苦労した。決勝グリッドは5列目。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'54.507 |
2 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'54.564 |
3 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'54.601 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'54.644 |
5 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'54.661 |
6 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'54.703 |
7 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'54.871 |
8 | C・クラッチロー | Ducati Team | Ducati | 1'54.888 |
9 | A・エスパルガロ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'54.986 |
10 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'55.096 |
11 | A・イアンノーネ | Pramac Racing | Ducati | 1'55.127 |
12 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'55.152 |
13 | N・ヘイデン | Drive M7 Aspar | Honda | 1'55.894 |
14 | C・エドワーズ | NGM Forward Racing | Yamaha | 1'56.042 |
15 | 青山博一 | Drive M7 Aspar | Honda | 1'56.479 |
16 | S・レディング | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'56.555 |
17 | Y・ヘルナンデス | Energy T.I. Pramac Racing | Ducati | 1'56.648 |
18 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Honda | 1'56.715 |
19 | H・バルベラ | Avintia Racing | Avintia | 1'57.006 |
20 | D・ペトルッチ | IodaRacing Project | ART | 1'57.513 |
21 | B・パークス | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'57.574 |
22 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Avintia | 1'57.667 |
23 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'58.254 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選5位/1分54秒661/13周)
「少しずつ状況に適応できるようになってきた。リアのグリップについては、まだ明らかに問題が残っているが、トップとの差はどんどん縮まっている。グリッド5位は良いポジション。いいところにつくことができたと思っている。コンマ1秒の間に6台が固まっている状態だから、長いレースのなかではチャンスもあるはず。マシンをもう少し改善することができれば表彰台、あるいは優勝だって狙っていけるだろう。そうなれば最高だね!」
V・ロッシ選手談(予選10位/1分55秒096/13周)
「10位はうれしくないけれど、ポールポジションからはわずかコンマ5秒差。ラップタイムは決して悪くないんだ。ここまでにいろいろ改善されて、最終的には1分55秒0まで上げることができた。僕の去年のタイムと比べると0.7秒も速くなっているんだから、かなり大きな進化だよ。ただ問題は、ライバルたちとタイムが接近し過ぎていること。コンマ5秒に12人も詰まっているんだから大変…。決勝ではどんなことでも起こり得る。だからどんなことにも準備をしておかなければならない。マルケスだけは飛び抜けているけれど、そのほかは皆ほとんど同じ。ペドロサやロレンソも決して遠く離れているわけではないので、どんな状況になるとしても、しっかり対応したい。とくに序盤の数ラップは重要だ」
M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・MotoGP、チームディレクター談
「セッティングに完璧に満足したというわけではないけれど、ライバルとの差を着実に縮めてきたことは確か。とくにホルヘは0.15秒差まで迫り、2列目からスタートできると考えれば決して悪くない結果だ。バレンティーノのほうは4列目だからもっと厳しいが、好スタートと、そのあとの2、3ラップでトップにしっかりついて行くことが重要だ。今晩のうちに、もう少し改善できるところを探し、明日のウォームアップでチェックする。明日はかなりホットなレースになるだろう」
W・ズィーレンベルグ、モビスター・ヤマハ・MotoGP、チームマネジャー談
「非常にホットで、非常にタイトな予選になった。我々はいまだ完璧ではなく課題はたくさん残っているが、そのなかでも少しずつ上がってきてホルヘとトップとの差はコンマ2秒以下に縮まった。だから今日の結果に完全に落胆しているというわけではない。総合的には、ここまでの仕事に納得し、満足しているのだ。そして予選よりも決勝が重要。2列目スタートは悪くない」
B・スミス選手談(予選3位/1分54秒601/7周)
「とてもうれしい結果。マシンのフィーリングが素晴らしく、セッティングに非常に満足している。フリープラクティス第4セッションも安定しており、それをそのまま予選のニュータイヤでも実現できた。ちょっと残念だったのが2本目のタイヤのときで、アレックス、マルクそして僕も、ライバルに後ろにつかれたくなくて長く待ちすぎてしまったんだ。そここからまたプッシュするにはタイヤが冷たくなり過ぎたので、そのあとはリスクをおかすのをやめた。それでもまだマージンは残っていたと思う。とは言え予選でポイントを獲得できるわけではない。重要なのは明日のほうで、22ラップの戦いをしなければならない。好スタートが必須だけれど、それは自信があるんだ。そしてフルタンクの状態についても、この冬にいろいろ改善してきたので、しっかり走れるはず。もちろん、僕の後ろにも手強いライバルがたくさんいるのだから楽な戦いではないけれど、自分の力すべてをかけて戦うよ。今晩はゆっくり休んで心身の準備をしたい。マシンが今日のように走ってくれたなら、必ず好成績を手にできるだろう
P・エスパルガロ選手談(予選12位/1分55秒152/7周)
「予選第1セッションはとてもうまくできたと思う。昨日は転倒してしまったので、リズムを取り戻すのに少し時間がかかってしまったけれど、マシンは今日もとても好調に走ってくれた。明日の決勝はもちろん、状況が異なってくるだろうけど、昨日の失敗のあとの今日の成果にはとても満足しているよ。Q1を走るとなるとフロント・タイヤをもう一度使わなければならなくなってグリップの状態も同様というわけにはいかない。Q1出場は決して理想的な形ではないんだ。実際、コーナー進入で最大限にプッシュしていくことができず、ヤマハの一番の強みを発揮することができなかった。それでもタイムではトップからコンマ6秒差。ホルヘはコンマ5秒で、バレンティーノはコンマ1秒以下だ。この状況に満足してもいいと思うし、何より、明日の決勝でも今日とほぼ同等のタイムで走れると確信している」
A・エスパルガロ選手談(予選9位/1分54秒986/4周)
「フリープラクティスの3回目まで、ずっとトップだったのだから、この結果はとても悲しいよ。4回目もハード・タイヤでは絶好調だったんだけど、ソフト・タイヤに換えたあとはフロントにちょっと違和感があった。それでもプッシュしていったら、フロントが流れて転倒してしまったんだ。再スタート後はポールよりコンマ1秒上回っていたのに、第4コーナーで再度転倒。このときもフロントからだった。非常に悔しいし、チームのみんなにも大変申し訳ないことをしてしまった。彼らは今晩、2台のマシンを直すためにガレージで過ごさなければならないのだから…。今回は僕のミスで大切な機会を無駄にしてしまったが、シーズンはまだ長いので次のチャンスがまためぐってくるだろう。明日の決勝では、トップについて行くためにたくさんのライバルを抜いていかなければならなくなった。難しい状況になってしまったが、自信は失っていないよ」
C・エドワーズ選手談(予選14位/1分56秒042/7周)
「ソフト・タイヤよりもハード・タイヤのほうがフィーリングが良く、テストのときより速く走ることができた。でもコーナーでのマシンの向き換えが思うようにできず、依然としてこれが最大の問題になっている。マシンに合わせて自分のライディング・スタイルを変えようとトライしているけれど、どうしても自然じゃないんだ。明日のウォームアップでさらに作業を続け、決勝はいつものようにベストを尽くすよ」