ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.01 3月23日 カタール
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第1戦カタールGP
■開催日:2014年3月20日(木)・21日(金)フリー走行、22日(土)予選、23日(日)決勝
■開催地:カタール/ロサイル
CIRCUIT DATA
■コース長:5.380 km
■サーキットレコードラップ:1分55秒153(2008年:C・ストーナー)
■サーキットベストラップ:1分53秒927(2008年:J・ロレンソ)
■2013年の優勝者:J・ロレンソ
REPORT
モビスター・ヤマハ・MotoGPの「YZR-M1」がデビュー!
モビスター・ヤマハ・MotoGPは18日午後、2014年型 YZR-M1を発表、今週末に迫ったシーズン開幕戦をひと足先にスタートさせた。
同チームのJ・ロレンソとV・ロッシは、ヤマハ・モーター・レーシングのマネージング・ディレクター、リン・ジャービス、テレフォニカ・スペインのダンテ・カシアトーレとともにロサイル・サーキットのスターティング・グリッドに並び、今シーズン用の新しいカラーリングを披露。
ヤマハ・ファクトリー・チームにとって2014年の初めの2ヵ月間は様々な出来事があったが、なかでも最近になって発表されたモビスターとのメインスポンサー5年契約は非常に大きなニュースであった。このほかにもENEOS、Semakin Di Depan(ヤマハ・モーター・インドネシア)、モンスター・エナジー・コーポレーション、ユーラシアン・バンク、フィアット・プロフェッショナル、スイスガス、Twスティールなどが、スポンサーとして新たに加わり、あるいは契約更新を発表している。
オフシーズン中の走行テストは非常に順調。マレーシアのセパン・サーキットではタイヤに不具合も見られたが、それ以外はロレンソ、ロッシ、そして2014年型YZR-M1もまた、タイトル獲得を目指す新たなチャレンジに向けて見事な安定性とスピードを見せてきた。
こうしてロレンソとロッシは、準備を整え、2014MotoGP世界選手権の開幕戦、コマーシャル・バンク・グランプリに臨む。ロレンソは昨年と一昨年、2年連続でロサイル・サーキットでの開幕戦で優勝。同コースでは常にフロントロウを獲得し、表彰台を逃したことは一度もない。チームメイトのロッシもまた、3回の優勝を含む好成績を残しており、昨年はM・マルケス(ホンダ)と見応えあるバトルを繰り広げて2位を獲得した。
カタールの首都、ドーハ郊外の砂漠のなかに設けられたロサイル・サーキットで初めてMotoGPが行われたのは2004年。2008年にはグランプリ史上初のナイト・レースを開催し、以来、シーズン唯一の夜間走行が続けられている。全長5.4kmのコースはヤマハYZR-M1との相性が良く、流れるような高速コーナーが特徴。また1kmを超えるストレートと中高速コーナーのコンビネーションが、エキサイティングで見応えのある激しい攻防を約束する。
ライダーたちが夜間でも適切なコンディションで走行できるようにするため、フリープラクティスは通常とは異なり木曜日から土曜日の日程で行われる。
COMMENT
代表取締役社長 柳弘之談
「ヤマハは去る2月、マレーシアでヤマハ・モータースポーツ・プレス発表会を開催し、あらためて、レース活動が当社のDNAであることを皆様にご説明いたしました。レースは、当社のブランドスローガン『Revs your Heart(レヴズ ユア ハート)』の『エンジンの回転を上げるように心躍る瞬間、そして最高の体験を、YAMAHAと出会うすべての人へ届けたい』という思いを体現できる素晴らしい世界です。さまざまなレースを通じて当社らしい活動を展開していきたいと考えています。なかでも2輪レースの頂点であるMotoGPで輝くことは、当社の最も大きなミッションの一つです。そして、ヤマハは今シーズンのMotoGPチャンピオン獲得に向けて準備を進めてまいりました。 このたび、ヤマハ・ファクトリー・レーシングはTelefonica社のブランド『モビスター』と5年間のパートーナシップ契約を結び、本年からモビスター・ヤマハ・MotoGPとして活動しますが、Telefonica社とMotoGPの活動を通して良い関係が構築できることを確信していますし、大いに喜んでいます。Telefonica社のご支援は、目標達成に向けての大きな一歩だと思います。ホルヘ・ロレンソ選手、バレンティーノ・ロッシ選手というスーパースターを擁するモビスター・ヤマハ・MotoGPの活躍を確信し、Telefonica社と当社がともにチャンピオン獲得の喜びを分かち合えることを願っています。開幕の準備は整いました。今年のヤマハにご期待ください」
J・ロレンソ選手談
「ついに始動の時がやってきた! 長い冬のあとの新たなシーズンのスタートがとても楽しみだ。フィリップ・アイランドではニュータイヤを履いて非常に好調な走りができたので、この週末に迫った開幕戦に大きな自信がついた。オフシーズンの間に3回も手術を受け、鎖骨と手からプレートや金属片を取り出したので、今は100%の状態。今回は最大限までプッシュできない理由が何もなくなったんだ。コースに関しては、今さら言うまでもないが、僕にとってもマシンにとっても最高のレイアウト。去年も一昨年も優勝しているので、ここはM1との相性抜群のコースなんだ。唯一、状況を見守らなければならないのがニュータイヤの動き。とくに、砂漠に囲まれたこのコースでは路面にたくさんの砂があるのが心配だよ。今シーズンは去年よりさらに激しい戦いになるだろう。序盤はおそらくマルケスに注目が集まり、そのあとはダニや僕、あるいは昨年以上にハングリーになっているバレンティーノが上位に入ってくると思う。マルケスのペースについては、今はコメントを控えるべきだろう。彼は非常に強く、そして速い。完璧な状態でスタートできるとは思わないが、すぐに100%に限りなく近いところまで来るはずだ。2014シーズンはエキサイティングでスリリングなものになるに違いない。僕は心身ともに非常に良い状態で今日を迎えているし、マシンは新たな変更を加えて絶好調。エンジンのちょっとした不具合を取り除き、またスタートでの挙動の激しさを軽減するため電子制御システムを調整することで、セパン・テストのときに比べてレスポンスがソフトになっている。シームレス・ギアボックスの採用も僕らにとっては良いニュースだ。モビスター・ヤマハ・MotoGPの新しいカラーリングをお披露目し、今は走行がとても楽しみ。ニューマシンもニューカラーもとても気に入っているよ。ニューマシンと並んでポーズをとるのは最高の気分だね!」
V・ロッシ選手談
「開幕戦のスタートが目前に迫り、とてもうれしいよ! オフシーズンのテストでは、昨年からの自分自身の懸案を解決することができて、スピードもかなり上がってきた。ライバルたちと比べてもかなり良い状態にあると思うし、テストでも、上位陣にしっかりついていくことができた。M1の進化にも満足していて、そのおかげで今の速さがあるし、今週末も表彰台を狙っていけると思う。だから今は、明日が待ち遠しくてたまらないんだ。ライバルたちももちろんとても速いので、エキサイティングなレースになるだろう。互いにいいバトルをして、表彰台を目指したい!モビスターとのメインスポンサー契約を聞いたときには、とてもうれしかった。このように素晴らしい環境でレースができることを、ライダーとして大いに喜ぶべきだし、それは僕だけではなくて、ヤマハのほうも本当に、心から彼らを歓迎している。モビスターが今シーズン、僕らとともに新たな挑戦の旅を楽しみ、そして幸運をもたらしてくれることを願っているよ。こういうことが僕らにとっては最高のモチベーションになるんだ。マシンとそのカラーリングもとてもいいよ! とても”レーシング”なんだ! ファンの皆さんにきれいなカラーリングを見てもらって、このように最高の形でシーズンをスタートすることができる。あとはコースの上でベストを尽くし、好成績をたくさん獲ってきたいね!」
ヤマハ・モーター・レーシング、マネージング・ダイレクター リン・ジャービス談
「記憶にある限り、今シーズンほど楽しみな開幕はありません。この重要な新しいシーズンに向けて、エンジニアたちはマシン性能のあらゆる要素に磨きをかけるために作業し、ライダーたちも体調と心の準備を行ってきました。すべてのチームスタッフ、マーケティング関係のスタッフらが、モビスター・ヤマハ・MotoGPの新たな旅立ちのために懸命に頑張ってきたのです。モビスターのMotoGP復帰を心から歓迎し、またそれ以外にも、これほど多くの熱意あるスポンサーやパートナーが、我々とともにこの新しいプロジェクトに参加してくれることを非常にうれしく思っています。全員が一丸となり、結果をだすためにベストを尽くします」
テレフォニカ・スペイン、メディア・ダイレクター ルイ・ベロ談
「ヤマハ・ファクトリー・レーシングのメインスポンサーとなることは、モビスターブランドと広くは自動車業界、特にMotoGPへの投資です。そして、このスポーツの発展に貢献したいと考えたとき、ヤマハおよび、ホルヘ・ロレンソ選手、バレンティーノ・ロッシ選手とチャレンジをともにするのが、我々にとって最上の方法と考えました。MotoGPの発展をサポートするグローバルな活動でもうひとつ重要なこととして我々は、モビスター・テレビの新しいチャンネル、モビスター・MotoGPがあります。これは、GPウイークの情報を専門的に、様々な方向から視聴者に伝えていくコンテンツです。このようにして、ヤマハと我々に共通するDNAであるMotoGPをサポートしていきたいと考えています」