ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 10月4日 ポルトガル
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦ポルトガルGP
■開催日:2009年10月3日(土)予選
■開催地:ポルトガル/エストリル(4.182km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:40度
■PP:J・ロレンソ(ヤマハ/1分36秒214)
REPORT
J・ロレンソが、今季5度目のポールポジション
フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソが、6月のラグナセカ大会以来となる今季5度目のポールポジションを獲得。チームメイトのV・ロッシは2位につけ、今季11回目のフロントロウ。予選3位はC・ストーナー。
ウイーク初日に続き、2日目午前中に行われたフリープラクティス2回目でもトップに立ったロレンソ。午後からの公式予選でもそのまま好調を維持し、スムースで安定した走りを見せた。セッション終盤になるといくつかのセッティング変更を行ってタイムアタックに臨み、残り20分の時点でトップに浮上。その後はさらに何度かタイムを更新しながら、一度としてライバルたちに脅かされることなく順調に走りきってポールポジションを獲得した。
一方、昨日まではいくつかの問題に悩まされていたロッシも、今日はハードブレーキング時のマシンバランスが改善されて好調。タイムアタックでは、残り2周の周回で好タイムをマークして2位に上がり、最終ラップではさらに上を目指したが、ロレンソのペースには届かなかった。ロッシは依然としていくつかの課題を残しており、決勝ですべてを出し切れるようにするために、今晩は夜を徹して作業に取り組む。
モンスター・ヤマハ・テック3のC・エドワーズとJ・トーズランドはそれぞれ5位と12位。 エドワーズはウイーク2日目の今日も、マシン全体の安定性とフロントの旋回性との間の最良のバランスを見つけることに重点を置いて走行を行った。その結果として一時は4位まで上がる好調ぶりを見せ、最終的には1分37秒142のタイムで5位を獲得。ノンファクトリー勢最上位につけた。 一方のトーズランドは、グリップレベル向上のためにジオメトリーやホイールベースの変更を行い、トップ10からわずかコンマ2秒差の12位。明日の決勝は現地時間13:00スタート。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'36.214 |
2 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'36.474 |
3 | C・ストーナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'36.528 |
4 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'36.702 |
5 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'37.142 |
6 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'37.448 |
7 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'37.489 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'37.541 |
9 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'37.654 |
10 | M・カリオ | Pramac Racing | Ducati | 1'37.813 |
11 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'37.822 |
12 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'37.823 |
13 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'37.911 |
14 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'38.042 |
15 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'38.342 |
16 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'38.538 |
17 | G・タルマクシ | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'39.320 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選1位/1分36秒214/29周)
「久々のポールポジション! 一発の速さが僕の強みのひとつだったけれど、最近はソフトタイヤを履いたときに力を出し切れなかったから気になっていたんだ。でも今回はすべてがうまくいったという感じ。そしてソフト、ハード、どちらのタイヤでもセッティングが決まったから、自信を持ってタイムアタックに臨むことができて、そしてこのタイムが出たんだ。でも明日はまた別の一日。ライバルたちもみんな手強いから、慢心せずに限界ぎりぎりまでプッシュしていく。そうすれば結果はあとからついてくるよ」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「久しぶりにまたポールポジションの位置に戻ってくることができて非常にうれしい。今日のホルヘはソフトコンパウンドのタイヤで速い走りができたので、それがこの結果につながったというわけだ。それと同時に、とても安定しているから、明日もきっといいレースを見せてくれるだろう。マシンのほうではまだ課題もある。終盤のセクションでのスピードをもう少し上げていくために、リアのグリップを向上させたいと思っているので、明日朝のウォームアップでこれに取り組む予定。それができたら、いよいよ万全の状態で決勝に臨めるだろう」
V・ロッシ選手談(予選2位/1分36秒474/28周)
「昨日は苦労したけれど、今日はセッティングがかなり改善されてブレーキング時の問題も解決することができたよ。それでもまだ、低速コーナーからの立ち上がりで十分なトラクションが得られなくて、とくにタイトなヘアピンではタイムをロスしてしまうんだ。トップとの差は大きくないけれど、今日はこれからまたデータを分析して、少しでも近づいて、良い状態で明日の決勝に臨みたい。間違いなく熾烈な戦いになるから、この暑さのなかでの28ラップは相当きつそうだね。でも覚悟はできているよ!」
D・ブリビオ、チーム監督談
「セッティングを改善して、昨日までの問題を克服することができた。そしてその結果としてバレンティーノはまたフロントロウを獲得することができた。しかし、あともう一歩前に進むためにはまだいくつかの課題が残っている状態。今の我々のペースでは十分とは言えないのだ。その意味で明日朝のウォームアップが非常に重要になる。この時間を最大限に利用して、戦いに備えたい」
C・エドワーズ選手談(予選5位/1分37秒142/26周)
「世界のトップ4の次につけたということだから、十分にいい仕事をしたと言っていいんじゃないかな。実際、昨日までのフロントの問題を取り除くことができたのだから、今日の僕はよくやったと思っているよ。ただ、ことはそう単純じゃないんだ。セッティングを変更したことによって安定性が増して乗りやすくなったのは確かだけど、そうすると今度はマシンが曲がりにくくなってしまう。これをもう一度曲がりやすくするために、また別のセッティングを試すと、またしてもマシンの挙動が激しくなってしまう。
このコースではやはり旋回性が重要で、そのうえで挙動をコントロールするほうがいい。僕は多分、完璧を求め過ぎていたんだと思う。またコースは第1コーナーがとても難しいので、ミサノでの出来事を思い出してしまうけれど、ここは何とかうまく切り抜けたい。そうすれば、あとは表彰台を目指して戦っていけると思うんだ。決して簡単なことではないけれど、ペドロサはきっと終盤できつくなってくるだろうし、ストーナーだって最後までハイペースをキープできるかは誰にもわからないだろう。ただ、見応えある素晴らしいレースになることだけは間違いない。僕自身は、モンスター・ヤマハ・テック3チームのために、このシーズン終盤の戦いを良い形で進めていきたいんだ」
J・トーズランド選手談(予選12位/1分37秒823/26周)
「今日はジオメトリーとホイールベースを変更してみたが、結果的には理想的なセッティングを見つけるまでには至らなかった。残念だ。終盤になるにつれて少しずつフィーリングが良くなってきて、最終的に12位でセッションを終えることができたのは良かったんだけれど、自分の感触ではもう1列前に行くことも可能だったと思う。決勝用タイヤを履いたときのラップタイムはまずまずなので、明日の朝のウォームアップを利用してさらに少しでも前進して決勝に臨みたい。このコースは第1コーナーがタイトだから、いつもスタート直後が問題になる。ここでアクシデントに巻き込まれないように注意して、そのあとはひたすら身体を伏せて、チームのために少しでもいいレースをしたい」