ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 10月4日 ポルトガル
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦ポルトガルGP
■開催日:2009年10月2日(金)フリー走行1
■開催地:ポルトガル/エストリル(4.182km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:36度
REPORT
初日、J・ロレンソがトップ、V・ロッシが3番手
モトGPは約1カ月のインターバルを経て、第14戦ポルトガル大会を迎えた。その初日フリープラクティス1回目では、フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソがトップ、V・ロッシが3番手につけた。
気温25度、湿度37%という快適な気候のもと、ライダーたちは久しぶりのライディングを楽しみ、マシンとの距離を縮めながらタイヤ選択やセッティングに取り組んだ。セッション前半はD・ペドロサ(ホンダ)がトップをキープしていたが、残り20分頃になってロレンソが逆転。ロレンソは現行のラップレコードも更新し、ペドロサに0.359秒もの差をつけてそのままトップでセッションを終了した。ロッシはペドロサからコンマ1秒以内の差で3位。明日はさらにセッティングに磨きをかけ、とくにハードブレーキング時のマシンバランスを改善することでトップとの差を詰めていく。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとJ・トーズランドはそれぞれ5位と8位。
エドワーズはセッションのほとんどをハードコンパウンドのタイヤのチェックに当てながら、1分38秒103のタイムを記録。4位のC・ストーナーに0.137秒差、トップのロレンソにも1秒以内の差につけている。一方のトーズランドは、ハードブレーキング時のフロントの安定性向上を目指してセッティングに取り組み、1分38秒591を記録してセッションを終了した。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'37.185 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'37.544 |
3 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'37.606 |
4 | C・ストーナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'37.966 |
5 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'38.103 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'38.244 |
7 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'38.385 |
8 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'38.591 |
9 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'38.629 |
10 | M・カリオ | Pramac Racing | Ducati | 1'38.661 |
11 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'38.850 |
12 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'38.978 |
13 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'39.033 |
14 | G・タルマクシ | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'39.393 |
15 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'39.567 |
16 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'39.686 |
17 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'39.757 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行1番手/1分37秒185/27周)
「1カ月も休みがあったので、こうしてまたマシンに乗れることが楽しくて仕方がないんだ! でも同時にかなりきついね! 今日はすべてがとても順調に運んで、作業もうまくいったしタイムも良かったので自信がついた。シーズンも残り少なくなったこの時期には、ウイーク初日からしっかりとペースをつかんでいかなければならない。その意味でも、課題はまだひとつかふたつ残っているけれど、総合的には非常に良い状態だと言っていいと思うんだ。またケイシーが復帰して、しかもいい走りを取り戻しているのを見てうれしかったよ。最後に、今回、マシンに貼っているステッカーのことをちょっと話していいかな。2週間前、チェコのルーカス・センベラという若いライダーが大怪我をしてしまったので、彼の回復を祈ってこのステッカーを貼ることにしたんだ」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「非常に良いスタートを切ることができた。そして安定した強さを証明することができたと思う。それはつまり、ヤマハのマシンの基本的なセッティングが、どんなコースにも適応できるようになっているということだ。そしてホルヘは何と初日にして、しかも長い休みのあとの1日目にして、早くもこのコースのレコードラップを更新してしまった。今日の走行にはとても満足している。満足はしているが、明日はさらに、小さな部分を改善していきたい」
V・ロッシ選手談(フリー走行3番手/1分37秒606/26周)
「長い休みのあとの復帰戦としては、このコースは難しすぎるのかもしれないよ! ブレーキングがハードだから腕への負担がとても大きいんだ。でも明日になれば少しは慣れてくるかな。これらのハードブレーキングの場所で、今日はマシンのバランスにちょっと問題が出ていた。だから明日の課題はこの部分の改善ということになるね。スピードは十分に出ているけれど、トップからはまだ差をつけられているので、明日は万全の状態で予選に臨めるように午前中のセッションも最大限、有効に使っていく」
D・ブリビオ、チーム監督談
「初日としてはとても良かったと思う。課題はいくつか見つかったが、大きく離されてしまっているわけではない。また今日はすべてのタイヤをチェックすることもできたので、データ収集という意味でも非常に有意義な一日だった。あともう少し時間があったら、最後の数ラップで別のセッティングも試してみたかったが、これは明日の課題としてとっておこう」
C・エドワーズ選手談(フリー走行5番手/1分38秒103/24周)
「いくつかの問題を克服して、今日はとても好調に走ることが出来た。今回のような長い休みはうれしいんだけれど、こうしてレースに復帰することもまた、とてもいいものだね! ウイーク初日としてはラップタイムも十分に良かったし、マシンのセットアップも順調に進んだ。ミサノの決勝で使うことができなかったセッティングを今日もう一度試して、初めからとてもいいフィーリングを得ることができたんだ。
タイヤに関しては、ソフトコンパウンドのものは柔らか過ぎる感じだったので、硬めのものをずっと使って好調。荷重をよりフロントのほうにかけることによって、ラップタイムが向上したよ! ただ、依然としてフロントの挙動の問題がちょっと残っているので、これは今晩、徹夜で頑張って解決策を見つけたい。今日の段階では、マシンがまだ硬い感じ。これは大きな問題ではないんだけれど、少しでも不安要素をなくしていくことで、もっと自信を持って速く走れるようになるだろう。この時期のエストリルは、いつも天気が悪いので、今回も風と雨と、そして最後にはずぶ濡れになることを覚悟していたんだ。ところがこんなにいい天気に恵まれて、今日は路面のコンディションも最高だったよ」
J・トーズランド選手談(フリー走行8番手/1分38秒591/27周)
「前回のミサノ以来、1ヵ月も間があいてしまったので、調子を取り戻すのにちょっと時間がかかった感じ。でも何とか順調に走りきることができたよ。セッションを通じて良い方向性で作業を進めることができて、初日としてはいいスタートだったと思う。タイヤに関しては、ソフトコンパウンドとハードコンパウンドのグリップレベルの差が大きい。決勝ではハードコンパウンドのものを使うことになるけれど、予選で好位置につけるためにはどうしてもソフトコンパウンドのものが必要。だからまずは明日のために、柔らかめのものをできるだけ残しておかなければならない。
マシンのほうは、ハードブレーキング時の安定性にちょっと問題が残っている。このコースは高速からのハードブレーキングのコーナーがたくさんあるから、それに対応するためのマシンバランスが求められるんだ。また、より安定してレースを走りきれるようにするためには、ハードタイヤで最大限のグリップを引き出すことも重要な課題になりそうだ」