ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 10月4日 ポルトガル
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦ポルトガルGP
■開催日:2009年10月2日(金)1日目フリー走行、3日(土)予選、4日(日)決勝
■開催地:ポルトガル/エストリル
CIRCUIT DATA
■開設:1972年
■コース長:4.182km
■サーキットレコードラップ:1分37秒404(2008年:J・ロレンソ)
■サーキットベストラップ:1分35秒715(2008年:J・ロレンソ)
■2008年の優勝者:J・ロレンソ
REPORT
残り4戦に向けて
約1ヵ月のインターバルを経て、MotoGPが再開される。フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンソは今週末、ポルトガルのエストリルで第14戦に臨む。昨シーズンは5月に行われた同大会だが、今年はかつてのようにシーズン終盤のスケジュールに戻され、ここからいよいよ最終盤の戦いが始まる。そのあとは再びヨーロッパを離れてオーストラリアとマレーシア、そして再びヨーロッパに戻り、最終戦のバレンシアを迎えることになる。ロッシとロレンソは第13戦終了時点でランキング1位と2位につけ、チャンピオン争いを展開中。残り4戦はますます激しい戦いになるだろう。
ロッシは前回のミサノで今季6度目の優勝を成し遂げ、精神的にも非常に良い状態でこの1ヵ月を過ごした。今回の舞台、エストリルでも多くの素晴らしい成績を残しており、出場9回中、すべてで表彰台を獲得。うち5回は優勝している。昨年はロレンソに先行を許して3位となったが、今回は、自己通算9度目のチャンピオン獲得のためにも、何としても最高ポイントを狙いたいところだ。
一方のロレンソは、今季これまでに3勝をあげ、前回のミサノは2位。最も手強いライバルとのチャンピオン争いを勝ち抜くためには、ここで最高のパフォーマンスが求められる。ロレンソはMotoGPデビューの昨年、初戦から3回連続でポールポジションを獲得。その3回目がここエストリルで、決勝では見事、初優勝を飾っている。あれから16ヶ月が経ち、さらに経験を積んだロレンソは、ライバルにプレッシャーを与えるためには優勝することが最善の方法であることをすでに学んでいる。
10月初旬の気温は25度前後と最適だが、大西洋からわずか7kmという地域は激しい天候の変化もまた有名。暖かい太陽が、しばしば冷たい風と雨にかきけされてしまうことも少なくない。コースレイアウトは、非常に長いメインストレートと非常に低速のコーナーを併せ持つ。連続するコーナーによって平均時速は抑えられるが、第5コーナーと最終のパラボリカ・コーナーは時速200kmに達し、ライダーの技術と勇敢さが試される場所だ。
COMMENT
V・ロッシ-"準備は万端"
「ホームGPのミサノで優勝して、ポイントのリードを拡大して、そのまま3週間の休みに入るなんて最高の気分だったよ! でも今はもう、仕事に戻る準備ができている。いよいよシーズンの最終盤を迎えるというこの時期に、トップのポジションに立っていられるのはとても良いことだけれど、シーズン全体を振り返ってみれば、やっぱりレースではどんなことも起り得るんだということがよくわかる。だからシーズンが終わるまでは、タイトルはまだまだ遠いということなんだ。ここからの3戦は、チームにとっても僕にとっても相性の良いコースばかり。ここでできるだけ多くのポイントを獲得して、最終戦のバレンシアでどのあたりにいるかということだね。昨年のエストリルはあまりうまくいかなかったんだけれど、それ以前はずっと、とくにヤマハに乗ってからは好成績を残してきた。それに、ここではいつも素晴らしいバトルになって見応えあるレースができるので、今年もそうなるように期待しているよ。それから、ケイシーが体調を万全にして戻ってきてくれるのを楽しみに待っている。チャンピオンシップは彼を必要としているからね!」
J・ロレンソ-"人生最高の思い出のひとつ"
「エストリルに戻ってくるのをとても楽しみにしていたんだ! この1ヶ月がすごく長く感じられたよ! こんなに長い休みがあると何だか変な感じだったんだけれど、できるだけ時間を有効に使おうと、これからの終盤戦のための準備にあててきた。でもそのうちの1週間はマヨルカ島へ帰って、父と一緒にトレーニングに励みながら、家族とともに過ごすこともできたんだ。エストリルは、僕のこれまでの人生のなかで最高の思い出のひとつになっている。以前はそれほど良くなかったんだけれど、昨年は自分でも信じられないような素晴らしいレースをしたよ。今年はもちろん状況が違っていて、季節も違うし、シーズンの終盤だし、皆が同じタイヤを履いている。そして僕の目標も、何もわからなかった去年とは違って、チャンピオン争いを続けるために、ここでいいレースをするということに変わっているんだ。それから、今回はケイシーが復帰するというのを聞いてとてもうれしいよ! また新たなチャレンジになるね!」
D・ブリビオ-"最も大切な時期"
「いよいよ最後の4戦を迎える。チャンピオンシップで最も大切な時期だ。ここで、これまでの努力のすべてが試されることになるだろう。ミサノでは優勝によってチームのモチベーションの高さを証明することができたが、ここからは最後の戦いに向けて、また新たなステージの幕開けだ。今回もまたホルヘとの戦いになるが、そこに当然、ストーナーとペドロサも加わってくるだろう。昨年は苦労したが、今年全員が同じタイヤになっているし、好調をキープしているから、きっといいレースができる。期待しているよ」
D・ロマニョーリ-"レースに戻るのが待ち遠しい"
「例年にはない、長いインターバルがあった。今は早くレースに戻りたくて、待ちきれない気持ちでいっぱいだ。ホルヘは昨年、ここエストリルでMotoGP初優勝を成し遂げ、我々だけでなく多くの人に忘れられない記憶を残したに違いない。彼にとって最高に相性の良いコースというわけではないだろうが、あのときは本当に素晴らしい走りを見せてくれた。だから今回もそれを再現できるように頑張りたい。そしてそれによって、MotoGPファンのみなさんにも、エキサイティングなレースとタイトル争いを楽しんでもらいたい」