ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 8月30日 インディアナポリス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第12戦インディアナポリスGP
■開催日:2009年8月29日(土)予選
■開催地:インディアナ州/インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(4.216km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度 ■路面温度:37度
REPORT
予選はロレンソ2位、ロッシ3位!
前日の悪天候とは打って変わり、晴天に恵まれたインディアナポリス。公式予選はドライ・コンディションで行われ、フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソとV・ロッシがそれぞれ2位、3位を獲得し、今回もまた揃ってフロントロウに並ぶこととなった。ロレンソにとっては12回連続、ロッシは7回連続のフロントロウ獲得。
ロレンソは午前中のフリープラクティスでD・ペドロサに続く2位。午後から行われた公式予選では開始後10分で早くもトップに立ち、それからさらに順調にタイムを上げていった。しかし残り20分でペドロサに逆転され、その後は最後まで懸命の粘りを見せたものの届かず2位でセッションを終了した。ポールポジションのペドロサとの差は0.506秒。
一方のロッシはセッション終盤まで3位をキープしていたが、残り10分でA・デアンジェリスに抜かれて4位に後退。しかし最終ラップ、最後のアタックで再度、タイム更新に成功して3位を獲得した。ロッシとチームはリズムとペースに依然、満足しておらず、決勝をベストの状態で戦えるようにするために夜を徹して作業を行う予定。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとJ・トーズランドは、それぞれ5位と10位。エドワーズは1分40秒961のベストラップを記録し、セッションのほとんどで5番手をキープして好調ぶりをアピール。ところが残り8分、終盤のタイムアタックを前に第6コーナーで転倒してしまった。これで目標にしていたフロントロウ獲得はならなかったが、5位、2列目を確保した。一方のトーズランドは、午前中のタイムから1.5秒も短縮して一時は8位まで上がったが、最終ラップでクリアラップがとれず、10位となった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.730 |
2 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'40.236 |
3 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'40.609 |
4 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'40.620 |
5 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'40.961 |
6 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'41.067 |
7 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'41.283 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'41.309 |
9 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'41.530 |
10 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.620 |
11 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'41.742 |
12 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'41.773 |
13 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'41.910 |
14 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'42.038 |
15 | M・カリオ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'42.250 |
16 | A・エスパルガロ | Pramac Racing | Ducati | 1'42.577 |
17 | G・タルマクシ | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'42.736 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分40秒236/31周)
「午前中のフリープラクティスに比べて、この予選ではまた一歩大きく前進することができた。それも予選の序盤よりも終盤のほうが、調子がさらに上がっていたんだ。その意味でとてもいい予選になったと思うよ!ただ、終盤で最後の伸びが足りなかったのが残念。一発の速さが僕の良さだと思っているから、これでもう6、7戦もポールポジションを獲得できていないということが悔しいんだ。でも重要なのは、またフロントロウに並ぶことができたということ。決勝用のセッティングでのペースも順調で、決勝に向けての準備はしっかりと整っているよ。明日は優勝を目指していく!」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「ポールポジションにこしたことはないが、今回もまたフロントロウを獲得して目標は達成できた。今日はマシンのセッティングで、いくつか重要なモディファイを行い、それが功を奏して午前中のセッションよりも午後のほうが格段にペースが上がった。決勝用のペースもとても良くなっている。でもペドロサが非常に手強いので、その差を縮めるためにはもう少し作業が必要になるだろう。ホルヘに素晴らしいレースをしてもらうために、我々は頑張るだけ。自信はある」
V・ロッシ選手談(予選3位/1分40秒609/27周)
「フロントロウを獲得できたことはとても良かった。でも正直なところでは、今の段階でまだ十分なペースが出てこないし、思い通りの走りができていないんだ。具体的にはグリップ感が不足しているために最大限までプッシュすることができないという状態。セッションのなかでいろいろ試して多くの作業をしたけれど、依然としてベストの状態には近づいていない。決勝までにまだまだ課題が多いので、明日朝のウォームアップまで使って、少しでも良い状態で戦えるようにしていきたい」
D・ブリビオ、チーム監督談
「まだまだ速さが不十分。引き続き作業が必要だ。フロントロウを獲得できたことは、もちろん良かったが、決勝で戦うためにはしっかりと正
しい方向を見つけ出さなければならない。明日まで作業を続け、ウォームアップの様子を見たい」
C・エドワーズ選手談(予選5位/1分40秒961/21周)
「2列目からスタートできる!ペースもいい!今日の調子でいけば5位は間違いない! きっと表彰台争いにも絡んでいける! 今はとても興奮しているよ。セッションを通じて気持ちよく乗ることができたし、自信を持って走ることができた。タイヤに関してもとても順調で、硬めのものも柔らかめのものもチョイスは十分。だからどんな天気になっても問題ないよ。転倒は、僕は何も変なことはしていないんだけれど、おそらく路面の凹凸に当たってしまったのだろう。サスペンションが沈み込んで、マシンが倒れ込んだ。しかも大きな凹凸。まるでだまされているみたいな感じで、自分がどこにいるのかわからない。コーナーのRが小さくなって、凹凸のどちら側から行けばいいのか判断できなくなったんだ。ファステストラップが出たばかりで、あの周はさらに短縮していけると思っていた。そして実際にコースの前半ですでにコンマ2秒速くなっていたんだ。だから1分40秒4までは行けたと思う。でもできなかったんだ」
J・トーズランド選手談(予選10位/1分41秒620/26周)
「昨日はウエットで好調、今日はドライでしっかりとセッティングができたので、明日の決勝は自信を持って臨むことができるよ!マシンに変更を加えたことで、午前中のセッションよりも2秒近く短縮することができた。これはすべてチームのみんなのおかげなんだ。最終ラップでマルコ・メランドリをつかまえたのに、最終コーナーでミスをしてしまったのはとても残念。あれはマルコのミスじゃなくて、僕がたまたま悪いタイミングであの場所にいてしまったということ。僕らはふたりとも懸命にプッシュしていただけなんだ。あの時点でマルコにコンマ3秒差をつけていて、それでも依然としてベストラップと同等だったのだから、総合すればコンマ4秒は短縮できたはずだったと思っているんだけれど…。マシンについては、フロントエンドのジオメトリーを変更したことがとても良かったようだ。リアのトラクションを向上させるためにフロントの荷重を少し犠牲にしたわけだけれど、それによってラップタイムが上がってきたんだ」