ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 8月16日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第11戦チェコGP
■開催日:2009年8月14日(金)フリー走行1
■開催地:チェコ共和国/ブルノ(5.403km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:33度
REPORT
フリー走行、ロレンソとロッシが1、2番手
夏季休暇が終わり、第11戦チェコGPが始まった。フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソとV・ロッシは、そのフリープラクティス初日にそれぞれ1位と2位につけて好調。ロレンソはロッシに0.399秒差、また3位のD・ペドロサに0.590秒差をつけた。チャンピオン争いの最大のライバル、C・ストーナーは病気のため欠場しており、今後の3戦はM・カリオが代わって出場することが決まっている。
モトGP再開を心待ちにしていた各ライダー達。初日の今日は天候にも恵まれ、気温も25度前後と絶好のコンディション。また今回から新しいルールが適用され、残りの7戦で使用できるエンジンの数が5機までに制限される。これによって昨晩、競技役員によって各ライダーの3機のエンジンが封印された。
ロレンソはセッションの序盤からロッシを抑えてトップをキープ。この好調で怪我の完治を証明することができた。ロッシもしっかりと差を詰めてきており、明日はトップ浮上を目指していく。
モンスター・ヤマハ・テック3のC・エドワーズとJ・トーズランドは、それぞれ4位と11位。前回のイギリスGPで見事2位を獲得したエドワーズは、好調をそのままに1分57秒741のベストラップを記録して4位。3位との差はわずか0.157秒だった。セッションを通して5位以上を安定してキープしていることから、ブルノで初めての6位以内獲得を実現するチャンスが巡ってきたと言える。一方のトーズランドは初日の今日は11位に留まったが、フロントの問題を解決して明日以降のさらなる向上を目指している。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'56.595 |
2 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'56.994 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'57.584 |
4 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'57.741 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'58.172 |
6 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'58.295 |
7 | M・カリオ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'58.302 |
8 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'58.497 |
9 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'58.582 |
10 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'58.739 |
11 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'58.764 |
12 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'58.821 |
13 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'59.041 |
14 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'59.055 |
15 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'59.531 |
16 | G・タルマクシ | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'59.979 |
17 | M・ファブリッツオ | Pramac Racing | Ducati | 2'00.423 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行1番手/1分56秒595/25周)
「こんなに好調にスタートすることができるなんて、最高の気分。今日はマシンに乗った瞬間からフィーリングもばっちりだったんだ。いつもこのようにうまくいくわけではないから、今日はとってもハッピーだよ!このコースは大好きで、今までに3回優勝している。だからいつも自信をもって走ることができるんだ。とは言っても課題はまだ残っていて、コーナー進入時のフロントタイヤのフィーリングを向上させることと、ウイリー防止のことも考えなければならないと思っている。怪我も治って万全の状態で、またバイクに乗れることが今は嬉しくて仕方がない。これからも気を抜かずに集中力をキープし、常に前進していきたい」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「マシンがセッション序盤からもう十分に速く、非常に好調。ブリヂストン・タイヤを両方のマシンですべて試し、たくさんのデータを収集することもできた。これからは、そのなかからベストのものを選び出し、明日はまた、あらゆる条件をしっかりと整えられるようにしていきたい」
V・ロッシ選手談(フリー走行2番手/1分56秒994/22周)
「ホルヘも僕も序盤からとても速く走ることができたので、ヤマハのマシンの素晴らしさと、日本でのヤマハのみんなの仕事ぶりを証明できたと思う。今日は作業も順調で、ラップタイムもとても良かった。でもセッティングはまだパーフェクトというところまではいっていなくて、とくにタイヤについては、このコースが前後両方のタイヤに負担をかけるだけに、これからもっと改善していかなければならない。路面のグリップがちょっと足りない感じなので、もっとタイヤのゴムをつけて、良くなってくれることを期待しているんだ。ストーナーがここにいないことはとても残念。僕はいつもライバルの存在を求めているからね。早く良くなってくれるように祈っている」
D・ブリビオ、チーム監督談
「グランプリが再開し、また仕事に戻れることがうれしい。しかもその初日の今日は初めから好調で、セッションを通して速く走ることができたのはとても良かったと思う。タイヤをチェックしたほか、いくつかのことを試すことができたので、明日はセッティングをさらに向上させることに専念し、午後の公式予選の前にあと一歩前進したい」
C・エドワーズ選手談(フリー走行4番手/1分57秒741/23周)
「今日はとても好調。前回のドニントンで得た自信をそのまま持ってくることができたようだ。マシンにも十分に満足しているんだけれど、シケインのスピードをもう少し上げるためのセッティングに取り組んで、さらに良くなった。これはこのコースでは不可欠のこと。シケイン進入ではブレーキングを遅らせて、でも早めにレバーを離すことでシケインを抜ける間の勢いを保つことができるんだ。
バランスも良かったけれど、1時間も走るうちに少し違和感が出てきたので、やっぱり今はまだ決勝に向けての準備段階だということだね。また今回から新しいルールができてエンジンの数が制限された。僕の頭がどこまで精確かはわからないんだけれど、違いは少し感じているんだ。エンジンはスムースになっているけれど、トップエンドがちょっとフラットな感じ。パワーロスがあるとしてもそれほど大きくはないけれど、特性が少し変わっているようだね」
J・トーズランド選手談(フリー走行11番手/1分58秒764/22周)
「セッション序盤はフロントに少し問題があって、それを解決するのに、時間がかかってしまったんだ。でもそのあとは、かなり速く走れるようになったと自分で実感できたよ。フロントのスプリングを柔らかめのものにしていたんだけれど、それだとフロントの荷重が不十分で、とくに長いシケインでは曲がりにくかった。でもこの部分で速さをキープすることが、このコースではとても重要。だから懸命に取り組んで最終的には解決できたんだけれど、それまでに時間がかかってしまったということなんだ。
終盤は順調に1分58秒台をキープ。もう20ラップもタイヤを使ってしまっていたから、その頃にはもうちょっと挙動が大きくなり始めていたんだけれど、それでも気持ちよく走ることができたので、正しい方向へ進んでいることは間違いない。明日はもっと速く走れるようになると期待しているよ。エンジンの新ルールは、僕にとってはあまり大きな変化はない。ただ金曜日と土曜日は1台しか使えないということ。そしてもう1台は決勝日に、両方の走行距離を保つために使うということだけ」