ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 6月14日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦カタルニアGP
■開催日:2009年6月12日(金)フリー走行1
■開催地:スペイン/カタルニア(4.727km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:34度 ■路面温度:49度
REPORT
初日、ロッシとロレンソが1、2位
フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンソは、カタルニアGPの初日にそれぞれ1位と2位のタイムを記録。二人のタイム差はわずかコンマ3秒で、フィアット・ヤマハ・チームの好調ぶりをアピールすることとなった。
照りつける太陽に恵まれたこの日は路面温度が49度まで上がり、タイヤにとってもライダーにとっても厳しいコンディション。しかしヤマハの二人は順調にタイムを上げていき、序盤から終始トップをキープした。互いに何度か順位を入れ替えることがあったが、他のライバルの追撃を受けるような場面はなかった。
ロッシは走行開始前に、ベースセッティングをわずかに変更。これがそのまま実を結んだ形となった。一方のロレンソも同様に好調だが、チームメイトとのわずかな差を縮めるために、明日はいくつかの変更を予定している。ロレンソのマシンは今回、サッカーのチャンピオンズリーグで優勝したFCバルセロナのカラーリングが施されている。
モンスター・ヤマハ・テック3のC・エドワーズとJ・トーズランドはそれぞれ8位と10位。エドワーズはフロントのフィーリングに問題を抱えながらも一時は5位に上がる健闘ぶり。最終的には1分44秒919のタイムで8位となったが、トップ5とはわずかコンマ5秒差。
一方のトーズランドは、リアショックのセッティング変更が功を奏し、最終ラップで1分44秒580を記録して10位。昨年はここで6位を獲得しており、その再現に自信を見せている。トップ6との差はわずかに0.4秒。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'43.038 |
2 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'43.340 |
3 | C・ストーナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'43.636 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'43.684 |
5 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'43.871 |
6 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'44.152 |
7 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'44.340 |
8 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'44.419 |
9 | 高橋 裕紀 | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'44.484 |
10 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'44.580 |
11 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'44.649 |
12 | S・ジベルナウ | Grupo Francisco Hernando | Ducati | 1'44.678 |
13 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'44.744 |
14 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'45.043 |
15 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'45.101 |
16 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'45.126 |
17 | M・カリオ | Pramac Racing | Ducati | 1'45.394 |
18 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'45.454 |
19 | G・タルマクシ | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'47.654 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(フリー走行1番手/1分43秒038/25周)
「ベースセッティングを少し変更したら、とても乗りやすくなったんだ。今日のプラクティスはとても順調で、最初から最後まで力強く走りきることができたし、最終的にトップに立てたので気分も上々だよ。マシンのフィーリングについて、今日はとても面白い発見もあったんだ。でもこれで終わりじゃなくて、明日またもっと良くなるために、作業を続けていかなければならない。今は自分の思い通りに乗れるようになっているから、すごくハッピーなんだけれど、明日の午後と日曜日のために、まだまだやることはたくさんあるんだ!」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談
「今日はベースセッティングとバランスを変更してみたが、それがとてもうまくいって、そのままバレンティーノの素晴らしい走りにつながった。彼自身のフィーリング向上にも役立ったようで、ポテンシャルを十分に引き出すことができるようになった。最初から最後までとても好調に走ることができたので、決勝に向けてのベースセッティングはこれでほぼでき上がったと言っていいだろう。この後は、さらに磨きをかけていくだけだ」
J・ロレンソ選手談(フリー走行2番手/1分43秒320/28周)
「新しいコースに来るたびに何らかの不安があるものなんだけど、今日はマシンもタイヤもすべてが絶好調。僕自身もとても気持ち良く乗れているので、きっとみなさんにいい走りをお見せできると思う。とは言っても、まだもう少し改善していきたいところもあるので、明日はそのことを中心に頑張ってみるよ。決勝を予想するにはまだ早過ぎるから、僕らとしては、とにかく集中を切らさずに着実に前へ進むだけ。母国のファンの目の前で、しかもFCバルセロナのステッカーを貼って走るのはすごくいい気分なんだ!」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談
「ホルヘのホームGPがとてもいい形でスタートした。ベースセッティングはとてもいい状態になっているが、それでもまだ、一つが二つは改善の余地が残っている。とくにハードに加速する部分でね。明日はそのことを課題にしながら、さらに一歩、前進したい」
C・エドワーズ選手談(フリー走行8番手/1分44秒419/24周)
「今日はフロントに問題があって、フィーリングがまったく良くなかった。僕のようなフロント重視のライダーは、フロントが決まらないとどうすることもできない。何となくぎくしゃくした感じで、気持ち良く乗ることができないんだ。フロントタイヤに荷重をかけてコーナースピードを引き出していくところが一番の問題で、これを解決するために、これからスタッフとひざをつき合わせて話し合い、セッティングを変えていかなければならない。
でも今シーズン、僕らのチームはどんな問題も素早く解決してきたので、今回のことも何も心配はしていないんだ。明日はきっと、もっと前へ近づいていけるだろう。壁にぶつかって、セッティングを変更して、フィーリングは少し良くなった。でも今日のところは、それがまだタイム向上にはつながっていない。とくにマシンの向きを変えるところが問題で、ここで思い通りにプッシュしていけないのがつらい。プッシュすると、立ち上がりではらんでしまい、タイムが上がらないんだ」
J・トーズランド選手談(フリー走行10番手/1分44秒580/22周)
「記録だけを見れば、まったくつまらないものだけれど、僕自身は今日の走りに満足しているんだ。終盤まで7位をキープできたことが自信になったし、最後のアタックでは古いリアタイヤを履いていたから、実は挙動がかなり激しくなっていた。もし新品だったら、もっと上へいけたはずだけれど、あの時は決勝用のタイヤのデータを取りたかったから仕方がなかったんだ。このコースは路面がバンピーなので、それに対応するためにリアショックのセッティングを少し柔らかめに変更してみた。最初は柔らか過ぎてマシンの後部が沈み込んでしまう感じだったので、また少し変更したら感触が良くなってきた。
今回もチームがいい仕事をしてくれた。そして最終的にはグリップ性も向上して、16ラップも走ったあとのリアタイヤでベストラップを記録することができたんだ。しかも以前のタイムをコンマ5秒近く更新できたので、良い方向へと進んでいることは間違いないだろう。今日一日を走り終えて、とても自信になった。今週こそは好天に恵まれそうだし、去年はここで好成績を残しているので、今回はさらに上を目指していきたい」