ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 6月14日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦カタルニアGP
■開催日:2009年6月13日(土)予選結果
■開催地:スペイン/カタルニア(4.727km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:38度 ■路面温度:52度
■PP:J・ロレンソ(ヤマハ/1分41秒974)
REPORT
J・ロレンソがポールポジション、V・ロッシが2番手
フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソが、ホームコースでポールポジションを獲得。V・ロッシは0.013秒差で2位となり、3レースぶりにフロントロウに復帰した。
ロレンソは午前中のフリープラクティスでもトップタイムを記録。一方のロッシはA・ドビジオーゾ(ホンダ)に続く3位に後退していた。午後になると気温が上がり始め、公式予選が始まる頃には38度まで上昇。そのなかでロレンソは、序盤から順調にトップをキープしたが、残り20分になるとロッシがタイムを上げて逆転。その後はヤマハの二人にC・ストーナー(ドゥカティ)、ドビジオーゾを加えた4人でめまぐるしく順位を入れ替える展開となった。そしていよいよ最後のアタックが始まると、残り4分でロッシがトップに浮上。しかしその1分後には、地元ファンの声援に押されたロレンソがこれを上回りポールポジションを確実にした。ロッシは100分の1秒届かず2位となった。3位は0.439秒差でストーナー。
モンスター・ヤマハ・テック3のC・エドワーズとJ・トーズランドはそれぞれ6位と9位。エドワーズは一時5位に上がっていたが、残り5分の第4コーナーで転倒し、その後、順位を下げることとなった。フロントエンドのフィーリングの問題についてはかなり前進が見られたものの、依然として100%ではなく、決勝までにチームクルーとともにもう一度対策を練ることとなる。一方のトーズランドは、昨年の決勝6位の走りを彷彿させるような好調ぶりで、最終ラップでベストタイムを記録してグリッド3列目を確保した。5位のT・エリアス(ホンダ)との差はわずか0.094秒差。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'41.974 |
2 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'41.987 |
3 | C・ストーナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'42.426 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'42.594 |
5 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'43.139 |
6 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'43.168 |
7 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'43.175 |
8 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'43.207 |
9 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'43.233 |
10 | M・カリオ | Pramac Racing | Ducati | 1'43.336 |
11 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'43.365 |
12 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'43.411 |
13 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'43.414 |
14 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'43.422 |
15 | S・ジベルナウ | Grupo Francisco Hernando | Ducati | 1'43.714 |
16 | 高橋 裕紀 | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'43.777 |
17 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'43.792 |
18 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'43.991 |
19 | G・タルマクシ | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'45.833 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選1位/1分41秒974/29周)
「信じられないような暑さ! 明日もこの調子なら、決勝の周回数を走りきる頃には大変なことになりそうだよ! 今日は地元ファンの前でいい走りができて、ポールポジションを獲得できたのでとてもハッピー。明日は難しいレースになりそうだけど、とくにバレンティーノは好調だから手強い存在になるだろう。もちろんストーナーとドビツィオーゾもからんでくるだろうから、ファンのみんなにとってはかなりエキサイティングな戦いになると思うよ! 僕もリズムがいいし、とても気持ちよくマシンに乗れているので、このまま集中力をキープしていいレースをしたい」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「我々にとっては完璧な一日になった。ホルヘのホームコースでポールポジションからスタートできるのは最高にうれしいことで、これ以上何も望むことはない。ホルヘは地元ファンの目の前でいい走りを見せようと、やる気満々で、今日は両セッションとも素晴らしかった。とくに終盤の走りは見事なもので、バレンティーノに真っ向から挑み、その結果、ポールポジションを獲得することができたんだ」
V・ロッシ選手談(予選2位/1分41秒987/26周)
「ずっとフロントロウから遠ざかっていたから、今回は復帰できてうれしいよ。ポールポジションをこんなにわずかの差で逃したことは、もちろん悔しいけれど、僕自身とてもペースがいいから、明日の決勝は自信を持って臨むことができる。今までずっと天候に恵まれなくて、もう5レースも太陽を待ち望んで来た。今回はちょっと暑過ぎなんだけど、それでも雨よりはいいよね! この暑さのなかで明日はかなり厳しい戦いになるだろう。そしてスタートから数周でスライドし始めて、ますますバトルが激しくなるんだ! 今回は作業がとてもうまく進んでいて、僕自身の走りも順調だ。まだちょっと課題も残っているけれど、決勝の準備はしっかり整っているよ!」
D・ブリビオ、チーム監督談
「フロントロウに復帰できたことはとても良かった。このことは我々の今回の第一の目標だったからだ。ホルヘと非常に接近したバトルになって、結局ポールは逃したが、その差はほんのわずかのものなので気にしてはいない。決勝用セッティングでのペースもとてもいいので、明日はきっとすべてがうまくいくだろう」
C・エドワーズ選手談(予選6位/1分43秒168/20周)
「大事なところで転倒してしまったので、そのことを考えれば6位を獲得できたのは運が良かったのかもしれない。昨晩はほとんど徹夜で作業し、おかげでフロントのフィーリングがいくらか良くなったんだけれど、気持ち良く乗れるというレベルまで届かず、本来のスピードを出しきれないんだ。コーナリングがうまくいかなくて、コーナーでのきり返しやラインをキープすることがいつも通りにできない。終盤になってソフトコンパウンドのタイヤに履き替えてからも、ハードにプッシュしていける感じがしなかったんだ。いつもなら僕はとてもスムーズに乗れるほうなんだけど、今回はなぜかそれができない。
最後には転倒したけれど、その前にソフトタイヤで、まずまずのタイムを出しておいて良かったよ。あの転倒は何だか変な感じで、ハードブレーキングをしてマシンをリーンさせようというところで、もうフロントが流れてしまった。いつもならコーナーの真ん中でフロントに荷重をかけ始めたところでその現象が起こるんだけれど...。正直に言うと、このフロントの問題があるので決勝用のタイヤにあまり自信が持てないんだ。バレンティーノ、ホルヘ、ケイシーがみな非常にいいペースで走っているので、決勝ではスタートが非常に重要。それができたら何とか彼らについていきたい。明日は表彰台を目指すと言いたいけれど、今の状態ではかなり難しいだろうね。でもいつものように、モンスター・ヤマハ・テック3のために全力を尽くして戦うよ」
J・トーズランド選手談(予選9位/1分43秒233/24周)
「今日の僕は、シーズン最高の順位に満足できていないんだ。トップ5との差がコンマ1秒以内、そして9位という結果だというのにね。セッション序盤は、一度使ったタイヤを履いていたんだけれど、気温がとても高くグリップしてくれなくて大変だった。でもこの暑さの中でハードタイヤのデータを収集できたのは良かったと思うんだ。終盤になって前後とも新品に履き替えたけれど、フロントのほうはなかなかフィーリングがつかめなくて大変だったよ。
最終ラップの最後の二つのコーナーでは、かなり危ない場面があって、これで5つくらい順位を下げてしまったようだ。いくつか問題を抱えながらもこのタイムを出すことができて、そのペースでは気持ちよく走れていたと考えれば悪くない。ただMotoGPはかなり接近しているので、コンマ1秒で4つもポジションを下げてしまうことになったんだ。僕自身の調子とチームの調子から見れば、今回はもっと上へいけたはずなので、2列目に並べなかったのは非常に残念。明日はきっとチャンスが巡ってくると信じている。今季最高のポジションなのだから、何とか頑張ってチームのみんなの努力に報いたい」