ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月31日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦イタリアGP
■開催日:2009年5月29日(金)1日目フリー走行、30日(土)予選、31日(日)決勝
■開催地:イタリア/ムジェロ
CIRCUIT DATA
■開設:1974年
■コース長:5.245km
■サーキットレコードラップ:1分50秒003(2008年:C・ストーナー)
■サーキットベストラップ:1分48秒130(2008年:V・ロッシ)
■2008年の優勝者:V・ロッシ
REPORT
ミラノ近郊に本拠地を置くフィアット・ヤマハ・チームは今週末、イタリアはムジェロ・サーキットで第5戦に挑む。J・ロレンソとV・ロッシは第4戦終了時点でそれぞれランキング1位と2位と絶好調。またチーム・ランキング、マニュファクチャラー・ランキングでもトップに立って、チームのホーム・グランプリを迎えることとなった。
22歳のロレンソは、すでに2勝を挙げてランキングトップに立っている。ムジェロでは2006年にポール・トゥ・フィニッシュを達成しているが、MotoGPデビューとなった昨年は7周目に転倒リタイヤという苦い経験もある。今シーズンはここまで好調をキープしており、勢いをそのままに表彰台獲得を狙っていく。
一方のロッシは、ここムジェロとの相性は抜群で、過去13年間で9回の優勝を飾っている。しかも過去7シーズンは連続優勝、そのうちの5回はヤマハでのものだ。前回のルマンでは珍しい転倒で最後尾でのゴールとなり、チームメイトのロレンソに1ポイント差ながらランキングトップの座を譲ることとなってしまった。しかしすでに気持ちを切り替えており、ホームGPでの連続優勝回数更新と今季2勝目を目指している。ムジェロ・サーキットでは今年も、黄色のシャツを着た10万人を越えるイタリアのファンが、コース脇の丘を埋め尽くすことになるだろう。
ムジェロは最も高速で見応えのあるコースのひとつ。1,141mのメインストレートでは時速320kmに達し、そのあとは下り坂の右コーナーへと続いてハード・ブレーキングが要求される。他の高速コースと異なるところは、頻繁に変化する傾斜角度とシケインのスピード。低速コーナーと高速コーナーが混在しているが、低速コーナーでも十分なコース幅があり、ライダーたちはラインを選んでパスを試みることができる。そのためマシンセッティングではシャシー・セットアップに重点を置くことになり、これによって例年、非常にエキサイティングなレースが展開されることとなる。
COMMENT
J・ロレンソ-"美しいサーキット"
「ムジェロは、フィリップアイランドと並んで最も美しいサーキットのひとつ。僕はもちろん、このコースが大好きだよ! しかも今回は、ルマンでいいレースをしたばかりだから、心身ともにとても絶好調の状態で臨むことができるんだ。今シーズンはこれまで天候に悩まされることが多くて難しい状況が続いていたから、24ポイント差をたった一度のレースで縮められるなどとは考えてみたこともなかった。
今はランキングトップに立って、多分、天気にも恵まれるはずのイタリアを迎えるわけだけれど、好調さと自信をキープすることが一番大切だと思うんだ。昨年のこの大会は非常に厳しかった。足首に怪我をしていたうえに、A・ドビツィオーゾをパスしようとして転倒。あの時期はずっとノーポイントが続いたんだ。でも今年はここでポイントを獲得し、次のカタルニアにつなげたい。水曜日にはローマに到着し、チャンピオンズ・リーグの決勝戦でバルセロナ対マンチェスター・ユナイテッドの試合を見る予定。ここでタイトルを獲得してもらって弾みをつけ、パーフェクトな週末を迎えたい」
D・ロマニョーリ-"モチベーションは最高"
「前回のルマンで優勝を飾り、ランキングトップに立って迎える今回は、ホルヘもチームも最高のモチベーションを持っている。今シーズンは上位陣が非常に接近しているので、トップをキープするためには毎回確実に表彰台を獲得していかなければならない。そのためには集中力を高いレベルでキープし、しかも地に足をつけていることが必要。昨年はここで転倒してしまったが、今年はマシンの状態もとてもいいし、ホルヘも体調は万全で、もちろん怪我もないので好成績を確信している。チームのなかにはイタリア人が多く、彼らにとってのホームGPでもあるので、素晴らしいレースを期待している」
V・ロッシ-"特別な場所"
「ムジェロでのレースは僕にとって特別なもの。でも7連続優勝は、もう十分にすごい記録で、それを更新することは年々厳しくなってきているよ。その意味でプレッシャーも感じているけれど、同時に、ここではいつもたくさんのファンが勇気を与えてくれるから自分でも信じられないような力が出てしまうということもあるんだ。今年もそうなってくれることを期待したい。
と言うのも、前回のルマンでは大変な失敗をしてしまったからね! あれは本当に悔しかったけれど、誰にでもうまくいかない日があって、あの日は僕がそうだったということなんだ。すべてのことは、どんな最悪の状況にもなり得る。でも前回でバッドラックは終わったと信じたい。そしてこのホーム・グランプリでまたベストの状態に戻れるに違いない。僕は毎年、ムジェロを楽しみにしている。ここではレース以外にもいろいろあって忙しいんだけれど、いつも驚くようなプレゼントを与えてくれるので、今年もまた素晴らしい思い出をつくれるよう頑張りたい」
D・ブリビオ-"チャレンジ"
「ムジェロは言うまでもなく、我々にとって非常に重要なレース。でも連続優勝記録の更新は年々、難しくなってきている。今回バレンティーノは8回目を狙うわけだが、多くのライバルたちが彼を越えようと挑んでくるのだから、厳しい戦いになることは間違いないだろう。しかし、その難しいチャレンジに我々はやり甲斐をかんじているのだ。ルマンは残念なことになったが、今回ここで、それ以前の勢いを取り戻し、少しでも多くのポイントを獲得したい。そしてまた盛大な'ムジェロ・パーティー'を開きたい!」