ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月17日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦フランスGP
■開催日:2009年5月16日(土)予選結果
■開催地:フランス/ルマン(4.180km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:18度 ■路面温度:22度
■PP:D・ペドロサ(1分33秒974/ホンダ)
REPORT
J・ロレンソ&YZR-M1が2番手フロントロウ
フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソが、わずか1,000分の5秒差でポールポジションを逃して予選2位。チームメイトのV・ロッシはセッション終盤でフロントロウから後退して4位となった。トップはD・ペドロサ。
昨日に続いて空は灰色の雲に覆われ、路面はドライ・コンディションを保っていたものの気温は17度とかなり低かった。そのなかで、昨日は調子の上がらなかったロレンソが、一転して好調ぶりを見せて3位。しかし一方のロッシはセッティングに悩んで11位と低迷することとなった。その後、またも雨が降ったため午後からの公式予選はウエット・コンディションになるかと心配されたが、開始数分前に太陽が顔を出すと一気にコースを乾かしていった。
公式予選ではロッシ、ロレンソともにセッションを通じて強さを発揮。とくにロレンソは安定した速さをキープし、残り9分の時点でトップに躍り出た。あと数分というところで一度、C・ストーナーに先行されて2位に後退したが、すぐに33秒台の好タイムで抜き返して再浮上。これでポールポジションを確実にしたかに思われたが、最終ラップではペドロサが0.005秒上回り、ロレンソは2位となった。
ロッシも調子を取り戻して公式予選に臨み、ロレンソ同様の速さを見せていたが、終盤でペドロサが一気に順位を上げたことで4位に後退。フロントロウを逃すこととなってしまった。前回はこのポジションから優勝を果たしていることもあり、ロッシは自信を持って決勝に臨む。決勝スタートは、現地時間の午後2時。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとJ・トーズランドは、それぞれ6位と12位。
昨年は3位に入って、ヤマハの表彰台独占に貢献したエドワーズ。今年もチームのホームGPで表彰台獲得を目指すべく、セッション中盤では一時トップに立ち、ストーナーに0.5秒差をつける速さを見せた。後半になっても好調ぶりは変わらず、残り5分までフロントロウの位置をキープ。1分34秒330のベストタイムで、ポールポジションからは0.326秒差につけていた。また午前中のフリープラクティスでは、決勝用に選んだフロントのハードコンパウンドとリアのソフトコンパウンドのコンビネーションが功を奏してトップタイムを記録しており、明日もこの調子をキープしてハイペースを期待できそうだ。
一方、チームメイトのトーズランドは12位に留まったものの、セッティングの向上には満足している。フロントおよびリアの安定性が増したことで、より積極的に攻めていくことができるようになり、目標としている7位に1秒以内の差まで近づいた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.974 |
2 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'33.979 |
3 | C・ストーナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'34.049 |
4 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'34.106 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.300 |
6 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.330 |
7 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'34.676 |
8 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'34.839 |
9 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'35.008 |
10 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'35.399 |
11 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'35.431 |
12 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'35.524 |
13 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'35.682 |
14 | M・カリオ | Pramac Racing | Ducati | 1'35.741 |
15 | 高橋 裕紀 | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'35.774 |
16 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'35.785 |
17 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'36.136 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分33秒979/30周)
「最終ラップのことはちょっと運が悪かった。ほんのわずかの差なので余計に悔しい気持ちになるよ! でも大切なことは依然としてフロントロウにつけているということ。あとは決勝で好スタートを狙っていけばいいだけだ。今日はとても順調で、公式予選でも安定して好タイムをキープすることができた。決勝もこの調子でいけると思っているので、あとは天候が変化しないことを祈るばかり。そして昨年のような好成績を目指していくよ!」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「今日は天候が回復してくれて、とても助かった。昨日はコンディションが悪かったので、今日の2セッションがとても重要なものになったんだ。すべてが計画通りに運び、昨日の時点で課題となっていたセッティングを向上させるためのアイディアをしっかりとテストすることができた。ホルヘのペースはとても良かったが、最終ラップでは前車に阻まれる形でポールポジションを逃すことになってしまった。それでもフロントロウには変わりないのだから何も心配はない。あとはフランスの天候が明日も我々に味方してくれることを望むばかり。そして表彰台への復活を目指して戦う」
V・ロッシ選手談(予選4位/1分34秒106/29周)
「昨日も、今日の午前中のセッションもあまり調子が良くなかったんだけれど、午後の公式予選が始まるまでの間にマシンを直してくれて思い通りに走れるようになったんだ。完璧というまでにはなっていなかったけれども、向上することができたので、今日の結果には納得しているよ。でも前の3人はみんなとても手強くて接近しているから、僕はグリッド2列目からということになると、スタートでかなり頑張らなければならない。ファンのみなさんにとっては、かなり面白いレースになるに違いないんだけれど、僕にとっても楽しいレースになってくれることを願っているよ! 決勝も今日と同じようにドライ・コンディションになってほしい。でも、もしも雨が降ったとしても、それはそれでいいんだ。だってこれまでの3セッションは結局、多少なりともすべてドライを走ってきた。明日が一日中、雨になるとすれば、ウォームアップでウエット用のセッティングを試すチャンスになるからね」
D・ブリビオ、チーム監督談
「午前中のセッションではいくつか問題が出ていたが、午後は調子が良くなって遅れを取り戻すことができた。依然として課題は残っており、完璧の状態には至っていないが、まだ時間はあるので最後まで全力を尽くすつもりだ。グリッド4位からのスタートは決して悪くない。ヘレスでもそこからスタートしていい結果につなげているからね! エキサイティングなレースになりそうだ」
C・エドワーズ選手談(予選6位/1分34秒330/30周)
「決勝用のペースは非常に安定していて、僕より前のライダーたちとも互角の速さを発揮できているので、明日も上位を目指して戦っていけると確信している。でもその一方で、タイムではかなり接近していながらグリッド・ポジションが上がらなかったことには、ちょっとがっかりなんだ。
僕は基本的に、フロントにはハードコンパウンドしか使わない。ソフトコンパウンドだとうまく走らせられないからなんだけれど、決勝用には、4つのハードコンパウンドのうち2つしか選べない。だからセッション終盤になると、お気に入りのタイヤがベストの状態を過ぎてしまうことになるんだ。そしてタイムアタックのためにリアにソフトコンパウンドを履く頃には、フロントのハードコンパウンドのほうの負担が大きくなり、挙動が激しくなってしまうというわけ。このようなことを考えると、トップからコンマ3秒差という状況に文句は言えないのかもしれない。それに明日の決勝ではフロントとリアが同じグリップ・レベルで開始するわけだから大きな問題にはならないはずなんだ。昨年はこの、テック3チームにとってのホームGPで表彰台を獲得することができた。今年も何としてもそれを再現したい」
J・トーズランド選手談(予選12位/1分35秒524/30周)
「チームが僕のために素晴らしいマシンを用意してくれて、昨日に比べてずっと調子が良くなった。それなのにポジションを十分に上げることができなくて、チームのみんなには申し訳ない気持ちでいっぱいだよ。でもトップ6にもかなり近づいているし、自分自身で進歩が実感できるのは素晴らしいことだと思う。午前中は気温が低過ぎて、フロントにハード・コンパウンドを使うことができなかったんだけれど、午後になると10度くらい気温が上がってとても走りやすくなった。
決勝ではリアにソフト・コンパウンドを履くことになるだろうが、この調子なら、前後のコンビネーションもとても良さそうだ。でも結果的に、公式予選のポジションはあまり上がらなかったので、明日の決勝ではこのことがまたネックになるだろう。タイムではそんなに大きく離されていなくても、スタート位置が遠過ぎては、そこから順位を上げていくのは簡単なことじゃないからね。それでも日々、向上していることは間違いなくて、今日からまた走りをエンジョイすることができるようになったことに感謝している。とくに今回は、モンスター・ヤマハ・テック3チームにとって重要なレースなので、彼らのためにもベストを尽くして戦うよ」