ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月17日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦フランスGP
■開催日:2009年5月15日(金)フリー走行1
■開催地:フランス/ルマン(4.180km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:13度 ■路面温度:19度
REPORT
V・ロッシとJ・ロレンソは6位、7位
第4戦フランスGPのフリープラクティス初日は雨に見舞われ、フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンソはそれぞれ6位、7位に留まった。
この第4戦から、プラクティス・セッションの時間が昨年までと同様の1時間に変更されることとなったため、全3セッションでトータル45分間の延長となっている。今日のセッションは雨のために15分ほどを無駄にすることとなってしまったが、その分、大きな影響にはならなかったと言えるだろう。雨に邪魔されることになった時間はマシンに変更を加えることに当て、終盤で少しでもドライコンディションを走行できることを望んでいたが、再び路面が濡れ始めてそのチャンスは得られなかった。明日は決勝に向けてセッティングを煮詰めていくために、少しでも晴れてくれることを望むばかりだ。
トップタイムを記録したのはA・ドビツィオーゾ。ロッシは雨が降り出す直前に出した1分36秒751のタイムで、トップから0.615秒遅れの6位。ロレンソはロッシからさらに0.273秒遅れて7位。
一方、チームのホームGPとなるモンスター・ヤマハ・テック3チームでは、C・エドワーズとJ・トーズランドがそれぞれ10位と12位。ルマンの変わりやすい天候の下、セッションはドライ・コンディションで始まり、エドワーズとトーズランドは延長された15分間を十二分に活用するべく序盤から積極的に攻めて行った。
残り25分となったときに雨が降り始め、エドワーズはその時点で1分37秒269のタイムで10位。そのあとはピットに戻って天気が回復するのを待ったが、再びコースインすると、すぐにまた雨粒が落ち始めたため重要な作業はほとんどできないまま終了となってしまった。昨年はここで3位を獲得しており、今回も現時点ではまだいくつかの小さな問題が残っているものの、改善に自信を持っている。
トーズランドは限られたドライ・コンディションの時間帯にも、ホイールベースを長くする試みを行っており、これによって1分37秒738のベストタイムをさらに更新することができると確信している。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'36.136 |
2 | C・ストーナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'36.194 |
3 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'36.293 |
4 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'36.301 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'36.476 |
6 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'36.751 |
7 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'37.024 |
8 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'37.024 |
9 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'37.224 |
10 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'37.269 |
11 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'37.270 |
12 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'37.738 |
13 | M・カリオ | Pramac Racing | Ducati | 1'37.800 |
14 | S・ジベルナウ | Grupo Francisco Hernando | Ducati | 1'37.875 |
15 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'38.032 |
16 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'38.323 |
17 | 高橋 裕紀 | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'38.639 |
18 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'39.116 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(フリー走行6番手/1分36秒751/18周)
「ここはいつも悪天候に悩まされちゃうんだ!今日もとても寒くて路面の状況があまり良くなかった上に雨まで降り出してしまったので、セッションの時間を十分に活用することができなかった。それでもドライで数周走れたことは良かったんだろうね。もちろん、望んでいただけの成果をあげるまでにはいかなかったけれども…。すべての周回でいろいろな小さな問題が出てしまい、最初の雨の時間帯にはセッティング変更を行った。路面状況さえ良ければ、これがきっとうまくいくと確信しているんだ。だから最後にもう一度ドライを走りたかったけれど、また降り出してしまったので、作業の成果をチェックすることができなかった。雨だって僕らは速いけれど、やっぱりドライのほうがいい。ルマンは5分ごとにくるくると天候が変わる。それが一番の問題なんだよ」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談
「雨が降り出す前に30分ほど時間があったのは、運が良かったと言っていいのかもしれない。なぜならこのコースはいつも天気のことが心配されているからね。明日以降も天候が安定しないようなので、今日、収集したデータが非常に重要になる。これを最大限に生かしていかなければならないんだ。でも今日は作業の成果をしっかりとチェックするチャンスがなかったので、課題はまだまだ残っていると言わざるを得ない。明日はもっと長く走行できるように祈るばかり」
J・ロレンソ選手談(フリー走行7番手/1分37秒024/19周)
「今日はもっと走り込みが必要だったので、雨に邪魔されてしまったのがとても残念。でもこれが自然条件なのだから、従うしかないね。今はただ、この雨が続かないことを祈るばかりだよ。ドライの時間帯も少しだけあったが、路面の状況があまり良くなくて速く走ることができなかった。どのサーキットへ行っても、まずはブリヂストンタイヤとの相性を確かめるところから始めなければならないので、その分の時間が必要なんだ。でも今日はそれができなかった。明日もこの作業を続けていく予定だけれど、もう少しペースを上げられるように頑張りたい」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談
「悪天候に予定を狂わされてしまった! でもそのなかでもセッションの半分はドライで走れたのは助けになった。難しい条件のなかで自分たちのペースやポテンシャルを確認することは意義のあることだったけれど、予定していた作業が明日に持ち越しになってしまったことは確か。明日は晴れてくれることを祈っている」
C・エドワーズ選手談(フリー走行10番手/1分37秒269/18周)
「今日は正直、非常にいやな感じだったよ。これまでの成績を見れば、僕がこのコースを好きなことがわかるはずだし、マシンもこのコースとの相性は抜群のはずなのに、今回は初めから何もうまくいかなかったんだ。バレンティーノやホルヘも上位まで行っていないところを見ると、どうやら問題がありそうだ。作業の成果がまったく上がらないというのは奇妙なことで、今日は気持ちよく走ることができないし、コーナー入り口のブレーキングに自信が持てず、立ち上がりで何度もはらんでしまった。どうやらリアの荷重が大き過ぎるような感じなんだけれど、詳しいことは今晩、チームのみんなと話し合って何らかの結論を出したいと思っている。僕自身が今は少し混乱してしまっているので、ヤマハの方ともデータのチェックをしたい。そして何とかして、もっと気分良く走れるように改良していかなければならないんだ。テック3チームは、今回で20周年を迎える。モンスター・ヤマハ・テック3チームにとって、とても重要な一戦なので、日曜日には彼らのためにお祝いができるようにベストを尽くしたい」
J・トーズランド選手談(フリー走行12番手/1分37秒738/16周)
「“もっと長い時間走りたい”ということを、もう口にしないほうがいいのかもしれない…だってこれまでも、望んだことはほとんど、そのとおりにはならなかったからね。タイム自体ではそれほど大きく遅れをとっているわけではないが、いろいろなセッティングを試す時間がもっと欲しいんだ。きっと、僕の後ろにいるライダーたちも同じことを言っているんだろうけどね。とにかく気持ち良く乗れるセッティングを見つけ出さなければならないので、その意味でも金曜日にセッションが1回しかないのは、どうも納得できないよ。今日は、安定性を高めるためにホイールベースを長めにして8ラップほど走り、その上で良いところと悪いところを挙げてさらに変更を行った。それを試そうとしたところでまた雨が降ってきてしまったので、変更がうまくいったのかどうかをチェックすることができなかったんだ。今の希望は、走行のフィーリングを向上すること。マシンのセッティングが不十分だと、ラップタイムはそれほど速くないにもかかわらず、まるで限界ぎりぎりで走っているような感じがしてしまうものなんだ。探し求めているものを探し出さなければならないけれど、探すためには走行時間が必要。今回はとくにテック3のホームレースだし、20周年の記念のレースでもあるので、チームのためにどうしてもいい成績を挙げたいと思っている。僕が8歳のときからこのチームがあったのだと思うと、本当にすごいことだと実感できる。このフランスで、チームのために好成績を挙げること以外に、今の僕の望みはないよ」