ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月26日 日本
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦日本GP
■開催日:2009年4月24日(金)フリー走行1
■開催地:もてぎ/日本(4.801km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:13度 ■路面温度:22度
REPORT
V・ロッシとJ・ロレンソがフリー走行1、3位
フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンソは、ヤマハのホームグラウンドでもある日本GPのプラクティスを順調にスタート。タイム計測ではロッシがトップ、ロレンソが3位につけた。今日の走行は気温が比較的低いドライ・コンディションの下で行われたが、明日以降は天候の変化が予想されているため、今回収集したデータが非常に貴重なものとなりそうだ。
半年前にこのコースでシリーズチャンピオンを決めたロッシは、今日もセッション序盤から好調な走りを見せた。ロレンソもまたM1のベース・セッティングに自信を持っており、45分間の走行時間のなかの中盤にはトップタイムをキープしていた。終盤を迎えてヤマハのふたりは2位と3位、C・ストーナーがトップに立っていたが、最終ラップにロッシがストーナーのタイムを0.056秒上まわり首位に浮上した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとJ・トーズランドは、それぞれ5位と10位を獲得。エドワーズは1分49秒697と、3位からわずか0.7秒差の5位。明日は雨が予想されていることから、今日の走行では決勝で使用する予定のハード・コンパウンドのタイヤを前後ともに装着。耐久性に関するデータ収集に取り組んだ。
一方のトーズランドも同様の方法で、良い走りを見せている。冬季テストでは難しい面もあり、また第1戦のカタールも残念な結果に終わったが、モチベーションは依然として高く、セッションのほとんどで6位以内をキープした。新型フロントフォークのセッティングは順調に進み、ブレーキングでの安定性が向上。10位というポジション以上に充実しており、決勝では好成績を目指す。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'48.545 |
2 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'48.601 |
3 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'48.965 |
4 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'49.382 |
5 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'49.697 |
6 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'49.980 |
7 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'50.030 |
8 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'50.123 |
9 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'50.209 |
10 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'50.342 |
11 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'50.391 |
12 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'50.393 |
13 | 高橋裕紀 | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'50.404 |
14 | S・ジベルナウ | Grupo Francisco Hernando | Ducati | 1'50.538 |
15 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'50.601 |
16 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'50.669 |
17 | M・カリオ | Pramac Racing | Ducati | 1'51.643 |
18 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'51.929 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(フリー走行1番手/1分48秒545/18周)
「トップで最初のセッションをスタートできたことは非常に良かったと思う。今日は気温が低かったこともあって、限界まで攻めることも、マシンとタイヤ性能をマックスまで引き出すこともできなかったが、そのなかでも十分なポテンシャルを発揮できたのでハッピー。まだ金曜日の段階だが、トップに立てたことがとても重要。前回のカタールではずっと2番目だったし、僕は2番目があまり好きじゃないんだ!明日は雨が降りそうだけど、ブリヂストンのレインタイヤはまだ試したことがないから、どんなものかを確かめる貴重なチャンスになるだろう。楽しみにしているよ」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談
「まだ金曜日だけれどトップタイムを記録できて嬉しいよ!ドライ・コンディションで走れる唯一のチャンスだろうから、このセッションを最大限に活用することが重要だった。だから、さまざまなことを試してみたんだけど上手くいったと思う。もっと良い状態にできるし、なによりも初日としては良いスタートが切れた」
J・ロレンソ選手談(フリー走行3番手/1分48秒965/19周)
「いつもは最初のセッションはあまりうまくいかないんだけれど、今日はいつもとまったく違って最初からいい走りができた。今はとても満足している。M1はブレーキングのときも加速のときも、コーナリング中もフィーリングがいいから、とても順調だっていうことだと思う。明日は雨だけれど、このままいい調子でいきたい。実は雨のなかでどんなことになるのか、ラップタイムはどのくらいになるのか、楽しみなんだ!」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談
「今日は総合的に良かったし、カタールとはとても異なるこのサーキットでは良いセッティングで挑める自信がある。このプラクティスが唯一ドライでのものになるだろうから、レースに向けて多めにデータを集めたよ。明日雨が降って日曜が晴れても慌てないように備えたんだ。初日のプラクティスはとても有意義なものだったよ」
C・エドワーズ選手談(フリー走行5番手/1分49秒697/19周)
「今日はデータ収集に専念した。明日はもっと気温が下がることがわかっていたから、ハード・コンパウンドの使用は昨日から考えていたことなんだ。それに明日は雨になるだろうから、今日のうちにドライ・コンディションでのデータが必要だった。それでハード・コンパウンドでスタートし、セッティングのためにマシンを替えてもタイヤは同じものを履き続けたんだ。ソフト・コンパウンドを履けばもっとタイムが上がることはわかっていたけれど、ブリヂストンの考えでは決勝は前後ともにハードを履くのが僕には合っているとのこと。僕の感触ではタイヤの左側がちょっと硬過ぎるので、慎重に暖めていかなければならないだろう。右側はとてもいい感じだけれど、左側は初めのうちはあまりリスクをおかすことはできない。暖まってくれば問題ないけれどね。マシンは好調に走ってくれて、そこにはヤマハの素晴らしい仕事ぶりが現れている。ウイーク初日としてはとても順調。ヤマハのホームグラウンドである日本で、好成績をプレゼントできるよう頑張りたい」
J・トーズランド選手談(フリー走行10番手/1分50秒432/19周)
「もうちょっとうまくできたと思うんだけれど…。セッション終了直前までとてもいい感じできていて、6位以内を獲得できると思っていたんだ。最終ラップに高橋選手に追いついたときはタイヤが好調に走ってくれていたので、1分49秒台に入ったと確信したんだけれどね…。今日はブレーキングでのコントロール性を向上させるためにフロントフォークのセッティングを少し変更したが、チームのみんなのおかげでそれがうまくいった。このサーキットはハード・ブレーキングのコーナーばかりなので、ここがとくに重要なんだ。ブレーキングの初期段階でのコントロール性が良くなったので、倒し込んでいくときにマシンが激しく動いてしまうことがなくなった。明日の天候も考慮して、今日はずっとハード・コンパウンドを使用していたが、最後に少しだけ、チェックのつもりでソフト・コンパウンドを装着した。日曜日に気温がかなり低かったとしても、ソフト・タイヤを使用できるかどうかちょっと疑問。だから明日が雨であさってが晴れた場合は、やはりハード・タイヤで行くことになるだろう。第1戦は残念だったが、モチベーションは少しも失っていないし、チーム全員が一丸となっている。雨でも晴れでも僕は、チームとヤマハのために少しでも上を目指して頑張るよ」