ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.01 4月12日 カタール
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第1戦カタールGP
■開催日:2009年4月11日(土)予選結果
■開催地:カタール/ロサイル・サーキット(5.380km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:25度
■PP:C・スト―ナー(1分55秒286/ドゥカティ)
REPORT
ロッシとロレンソがフロントロウ獲得
ロサイル・インターナショナル・サーキットで2009年開幕戦の公式予選が行われ、フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンソが、それぞれ2位、3位と揃ってフロントロウを獲得した。ふたりの差はわずかに0.024秒。ポールポジションはC・ストーナーで、今大会予選の3セッション全てでストーナーとロッシが1位と2位をキープしたことになる。
シングル・タイヤ・ルールが適用される初めての予選。ロッシ、ロレンソを含むほとんどのライダーはソフトコンパウンドのタイヤを選択。45分間のセッションの終盤でのタイム更新を目指した。明日の決勝では、硬めのコンパウンドを使用することになると考えられるが、これまで決勝用セッティングで好調を見せてきたロッシは自信を持っている。一方のロレンソもソフトコンパウンドで好タイムを記録、明日に向けてはいくつかの変更が必要とされる。朝のウォームアップを利用し、マシンセッティングの精度アップと決勝用タイヤでのフィーリング向上を狙う。決勝は現地時間23:00にスタートする。
モンスター・ヤマハ・テック3のC・エドワーズは、6位獲得で2列目からのスタート。1分56秒149のベストラップはフロントロウから0.5秒差。今シーズンから新しく施行されたシングル・タイヤ・ルールに伴って、今大会からスーパーソフトの予選タイヤを使用できないが、予選は依然として見応えある戦いとなった。エドワーズはセッションのほとんどで3位をキープ。残り2分の時点で3本のソフトタイヤのうち最後の1本を使用してベストラップを記録したが、このときのタイムが4位。その後さらに2台に抜かれて6位となった。
チームメイトのJ・トーズランドは13位。ソフトコンパウンドのリアタイヤを2本使用したが、フロントのハードコンパウンドのほうにいくらか不具合がありペースを上げることができなかった。その結果グリッドは5列目と厳しい状況となったが、初日、2日目と10位以内をキープしてきたトーズランドは自信を失っておらず決勝は6位以内を目指す。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'55.286 |
2 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'55.759 |
3 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'55.783 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'55.977 |
5 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'56.149 |
6 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'56.194 |
7 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'56.358 |
8 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'56.493 |
9 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'56.790 |
10 | M・カリオ | Pramac Racing | Ducati | 1'56.852 |
11 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'56.962 |
12 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'57.225 |
13 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'57.510 |
14 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'57.729 |
15 | S・ジベルナウ | Grupo Francisco Hernando | Ducati | 1'57.899 |
16 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'58.215 |
17 | 高橋裕紀 | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'58.784 |
18 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'58.999 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(予選2位/1分55秒759/19周)
「このコースは決して得意な場所じゃないが、ここでフロントロウにつけることができたことは本当にハッピー。ストーナーは非常に手強いが、大きく離されてしまっている訳じゃなくて、差はセッションごとに少なくなってきている。また、このコースの路面がどのようにタイヤに負担をかけてくるかは、まだまだ未知数なので、2位というポジションが非常に重要だったと思う。
路面はかなり汚れていてタイヤにとって厳しい。その点でも、とくに決勝の最後の数ラップはとても見応えあるものになるだろう!僕のほうが速い場所もいくつかあるので期待はある。これからもう一度データを見直し、明日のウォームアップでさらに一歩前進したい。ただ、最後の6ラップ、7ラップは、どうなるか本当に見当がつかなくて、みんなが滑ってばかりということも...。でも条件は皆同じ、タイヤも同じ、きっと面白いレースになるだろう。お楽しみに!」
J・ロレンソ選手談(予選3位/1分55秒783/19周)
「僕にとっての初めてのモトGPとなった去年のこのレースで、僕はポールポジションを獲得した。今回は、ポールポジションは取れなかったが、フロントロウに残れたことを嬉しく思う。テストではハードコンパウンドのタイヤで速く走れていたが、どういう訳か今回はまったく反対の状況になっていて、ソフトコンパウンドのほうがずっと速かった。
ハードタイヤではまだ課題がいくつかあるが、決勝ではこれを履くことになるのでちょっと問題。これを解決するため、今晩も懸命に作業を続けなければならない。優勝は考えていない。ただ自分のベストを尽くすこと。そして与えられた状況のなかで最大限のポイントを獲得することだ。もちろん、決勝ではどんなことだって起り得るよ!」
D・ブリビオ、チーム監督談
「フロントロウが目標だったので、今日の結果には満足。もう少し調整する部分が残っているが、セッティングはさらに良くなってくるだろう。今回から走行時間が短縮されたが、そのなかでも十分な仕事ができたと思っている。ストーナーとの間にはまだ差があるが、明日の午前中にまた変更を行ってみて少しでも近づきたい。あとはバレンティーノの力に任せるだけ」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「悪くなかった。ホルヘがこのコースでまたフロントロウを獲得できたことをチームの皆が喜んでいる。ソフトタイヤでの速さは誰もが認識していることだが、ハードタイヤではまだ問題があって、とくにコーナー進入でアンダーステア気味になってしまう。チームとしていくつかアイディアを持っているので、明日のウォームアップを有効に利用してできるかぎり改善し、それによってホルヘが最大限の力を発揮できるようにしていきたい」
C・エドワーズ選手談(予選6位/1分56秒194/19周)
「2列目という結果には満足。でももう少しのところで3位になれるチャンスもあったと思っている。僕はライダーとしては、ベテランのほうに入るだろうけれど、依然として学ぶことが多い。冬の間に使用してきたセッティングは、ハードにプッシュするとフロントの挙動に問題が出ていたので、今回はそれとは異なるものを試した。新しいセッティングで改善はされているが、すべてが解決したわけではないし、まだ少し手間取っているんだ。
バレンティーノはとても速くて問題もない。ホルヘもそうだ。僕には課題が残っているというわけだが、少しずつ良くなっているし、もっと速く走れる気がしている。ただ挙動を心配してしまって、それがラップタイムに響いていると思う。フロントフォークを柔らかめにするか、硬めにするかを決めなければならない。ライダーである僕はどちらの方向性が正しいのか判断しかねているが、僕がエンジニアだったら分かるかも・・・。新しい予選のシステムはとても面白いと思う。僕はソフトタイヤ3本を、それぞれ2ラップだけ使って残しておいた。そのときは、その度にタイムが上がったが、フロントロウにはまだ届かなかったというわけだ。今は決勝が楽しみ。準備は整っている。ケイシーは、まるで別世界の人のようだが何とかバトルを仕掛けていきたいと思っている」
J・トーズランド選手談(予選13位/1分57秒510)
「すでに13ラップを走ったフロントタイヤでスタートしたが、それでもすぐに58秒台前半が出たので良かった。そのあとハードコンパウンドのニュータイヤに履き替え、リアにはソフトコンパウンドの1本目を装着したら、フロントがなかなか暖まってくれなかった。2本目のリアタイヤを使用したときもコーナー途中でフロントが落ち着かない。ここまでくると、新しいルールによって、次のタイヤに履き替えるということができず、リアのほうがとても好調だっただけに悔しい思いをした。
厳しい状況のなかで2度も、膝でマシンを立て直す場面があり、それでも57秒台を記録できたことは非常にうれしい。マシンは好調で6位以内を狙っていけると確信していたが、フロントの小さな問題によってそれが実現できなかったのは残念だ。大変な思いもしたが、セッション終盤までにはいくらか改善できた。
すべてがプラン通りに進んでいれば10位以内に入れたはずで、そうなれば6位入賞を目指して戦うことができただろう。決勝ではスタートを成功させ、その後はただひたすら身体を伏せて少しでも前を目指していくだけ。僕自身、調子はいいので、明日を楽しみにしている」