ロードレース世界選手権 MotoGP（モトGP）

RACE DATA

■大会名称：MotoGP第7戦カタルニアGP
■開催日：2008年6月7日（土）予選結果
■開催地：スペイン／カタルニア・サーキット（4.727km）
■コースコンディション：ドライ
■気温：21度　■路面温度：34度
■PP：C・スト―ナー（ドゥカティ／1分41秒186）

REPORT

エドワーズ、トーズランドが2列目スタート。ロッシは3列目から

フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは2日目、午前中のフリープラクティス、午後からの公式予選でいずれもセッティングに悩み、予選9位に留まった。昨年はポールポジションを獲得していたが、今回はそれとはまったく異なる展開となっている。

ロッシはここまでの４セッションでブリヂストン＋ヤマハの最適セッティングを追求してきたが、依然としてコーナー進入のスピードが不足。公式予選で予選用タイヤを履いてもこの問題を改善できず9位、3列目の外側のポジションとなった。その一方でライバルのC・ストーナーがトップ、D・ペドロサが2位を獲得している。チームは夜を徹して作業を行い、さらに明日のウォームアップを最大限に利用して、ロッシに挽回を可能にさせるようなマシンを作り上げようとしている。
一方、チームメイトのJ・ロレンソは、昨日の転倒で頭部に衝撃を受け、また右手も負傷したが、昨晩はバルセロナの大学病院のザビエル・ミル医師のもとで過ごし順調に回復している。あと24時間以上は病院で静養することになっており、明日以降に容態を報告できる予定。

X・ミル医師談：「嬉しいことにホルヘの容態は順調に回復している。昨晩はよく休めたようだ。今はまだ、詳細については何もお話することはできないが、彼の記憶が100％戻ったことは本当に良かったと思っている。明日になったらまた神経系の検査を行い、また右手の怪我のほうも診て、その後、皮膚移植が必要かを決定する」

テック3ヤマハ・チームのC・エドワーズとJ・トーズランドは、公式予選でともに一時トップに立ち、その後それぞれ5と6位を獲得した。明日の決勝は揃って2列目からのスタートとなる。

エドワーズはフロントロウにはコンマ2秒届かなかったが、開幕以来全戦で５位以内を獲得している。一方のトーズランドはカタルニアのテクニカル・コースを驚くほどの短時間で攻略し、エドワーズのひとつうしろの6位。ふたりはウイークを通じて好調で、決勝用タイヤでも好タイムをキープ。このことが自信となって、明日の決勝では上位グループに絡んでいくことができるだろう。1分43秒台でコンスタントに走行することが可能になっており、明日朝のウォームアップでさらにセッティングを煮詰めることが出来れば、決勝では好結果が望める。

COMMENT

V・ロッシ選手談（予選9位/1分42秒420）

「最悪の予選だった。問題がいろいろあって、明日は9位からのスタート。これは今シーズン最低のポジションだ。当然、明日は非常に厳しい戦いになる。セッティングを改善していきたかったが、最後まで問題を解決することができなかった。一番大きな問題は、コーナー進入で十分なスピードをキープできないこと。明日までに何としてもこれを解決し、ウォームアップに臨みたい。明日の25ラップは非常に難しいものになるが、何とか方法を考えて、まずスタートで出来る限り前へ出て、続くいくつかのコーナーでリズムに乗りたい。今晩の作業で少しでも改善が見られれば、明日も可能性があるかもしれない。状況を見守りたい」

D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談

「明日は厳しいものになる。9位という結果は望んだものとはほど遠いが、もっと下のポジションも経験したことがあるので希望は捨てていない。これから今日のデータを分析し、明日までに何ができるか考えたい。この2日間は様々なセッティングを試したが、残念ながらここまで、適切なものが見つからなかった。今やらなければならないことは、すべてのことを注意深く慎重に考えて、何か良いアイディアを引き出すこと。そしてそれをひとつの形にすることだ。我々がマシンを改善することができれば、バレンティーノは必ず良い走りをしてくれる。だから、そこまでの作業は我々に課せられた使命なのだ」

「C・エドワーズ選手談(予選5位/1分41秒609)

「予選タイヤは3本あって、それを使ってタイムアタックでは何としてもフロントロウを獲りたかったが、結局は5位になった。それはなぜかと言えば、僕は決勝用のセッティングに十分に満足しているからなんだ。予選タイヤのグリップがあればもっと速く走ることはできたはずだが、結果的にはそうはならなかった。

1本目で41.7秒、3本目でも41.7秒。つまり何らかの壁にぶつかっていたのだろう。そういう経過の中での5位で、がっかりしたということはまったくない。今日の予選も激しい戦いで見応えある舞台だったが、本番は明日。決勝用のタイヤでのタイムは非常に速いので、明日もきっと良い走りをお見せすることができるだろう。

今回はいつにも増して、マシンをいろいろと変更などしてきた。昨日の時点ではセッティングはうまくいっているのにリアグリップが不足していたが、今日はチームのみんなのおかげでその問題を解決することができた。

これで方向性は正しいことがわかっているが、フロントについてはまだちょっと調整が必要。それは、リアグリップが良くなってくれば別の問題も出てきて、結局フロントのほうも手を入れなければならなくなるというようなことなんだ。明日のウォームアップでまたいくつかの変更を試してみるつもり。タイヤについての方向性も間違っていないことはわかっている。なかでも重要になるのがスタートなので、決勝ではまずスタートに集中し、最初の4ラップは最大限アグレッシブに行きたいと思っている。そこまでにトップについて行きたい」

J・トーズランド選手談(予選6位/1分41秒820)

「2列目を獲得できて嬉しい。2列目の最後だが、どうしてもそれより後ろには行きたくなかったので、今はほっとしている。このコースは第１コーナーがかなりタイトなので、序盤から各車の差が広がってしまう。だからこそスタートが非常に重要になるんだ。難しいコーナーだが、何とかうまく抜けたいと思っている。

今日はマシンにいろいろ変更を加えた。とは言ってもベースのセッティングがしっかりとでき上がっているので、特別に大きな変更をしたわけではなくて、僅かな調整をした程度だが、それがすべて良い方向へと進んだ。すべてはチームのおかげだ。リアグリップを上げるためにフロントをいくらか犠牲にすることとなったが、この変更によって高速コーナーでの安定性が高まった。2列目と3列目の違いはとても大きいので、6位に入れたことが非常に嬉しい。

本当なら予選タイヤでもっと走り込む時間が必要なのだが、今の僕は少しずつスピードが上がり、自信が持てるようになり、ミシュランを信頼できるようになってきている。公式予選はかなり激しい戦いなので、そのなかで6位に入れたことは自信につながるものだ。

ライバルたちはみんな強豪で、まばたきの時間さえ与えてくれない。僕はおそらく、あの周回でまばたきしてしまったのだろう。そうでなかったら、もっと上へ行けたかもしれないが...。上位は皆、接近しているのでスタートが重要になる。上位グループのペースについて行けると確信しているので、明日がとても楽しみだ」