ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 10月14日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第16戦オーストラリアGP
■開催日:2007年10月12日(金)フリー、13日(土)予選、14日(日)決勝
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド
CIRCUIT DATA
■開設:1956年
■コース長:4.448km
■ファステストラップ:1分29秒337(2005年:N・ヘイデン)
■MotoGPラップレコード:1分30秒332 (2005年:M・メランドリ)
■2006年の優勝者:M・メランドリ
REPORT
高いモチベーションを保って!
フィアット・ヤマハ・チームは今週末、第16戦オーストラリアGPに臨む。今シーズンのチャンピオン獲得が不可能となった今、これからの3戦は、進化したYZR-M1で優勝だけを狙っていく。チームが掲げてきた目標は来シーズンのチャレンジへと持ち越されることとなったが、依然として重要な3レースであり、優勝を目指すとともにランキング2位を確実に手中にするために戦い続ける。
前回の日本GP終了後、V・ロッシとC・エドワーズは、ツインリンクもてぎでマシンテストを行った。二人はミシュランと協力しながらタイヤに関する作業で成果を挙げ、またロッシは2種類のプロトタイプシャシーを試した。
大きくカーブを描き、流れるような高速コーナーが連続するフィリップアイランドサーキットは、ライダーの勇敢さが要求されるだけでなく、究極のマシンコントロールと正確なスルットル操作が不可欠となる。また、海のすぐそばに造られていることから天候の影響を受けやすく、とくに崖に面したバス・ストレートは注意が必要だ。昨年は断続的な雨のために、MotoGP史上初めてフラッグ・トゥ・フラッグのルールが採用されている。
昨年のロッシとエドワーズはタイヤチョイスで明暗を分け、ロッシが表彰台を獲得したのに対してエドワーズは転倒リタイヤ。しかしそれ以前は二人とも多くの好成績を残している。ロッシはMotoGPで5年連続優勝したほかGP250でも2回成功をおさめている。一方のエドワーズはスーパーバイク時代、2001年の優勝を含めて8回の表彰台を獲得している。
COMMENT
V・ロッシ選手談 ー “素晴らしい思い出”
ロッシにとっていつもと違うシーズンのフィナーレが幕を開ける。タイトル獲得の可能性がなくなった状態で最後の3レースを戦うのは、これまでの彼のキャリアのなかで初めてのことだ。しかし、現状をしっかりと受け止めてモチベーションを高く保ったまま、11回目の参戦となるフィリップアイランドに臨む。これまでに9回の表彰台獲得。2004年にはヤマハでの初タイトルをここで決定している。
「チャンピオン争いはもう決着がついてしまったけれど、勝ちたい気持ちに変わりはないし、シーズンを良い形で終えたいんだ。日本GPは本当に残念だったが、翌日の月曜日にテストを行って残りの3戦に役立つ成果を得ることができた。フィリップアイランドは好きなコースの一つ。何度も優勝していて素晴らしい思い出がたくさんある。とくに2004年のヤマハでの初タイトル決定は忘れられない。
だから今回も何としてもいいレースがしたい。メカニックの多くがオーストラリア人なので、彼らにとってのホームGPを成功させたいんだ。チャンピオンの可能性をここまで持ってこられなかったことが残念だが、プレッシャーのない状態で一つ一つ優勝を狙っていくだけ。ウイークが始まるのがとても楽しみだ」
C・エドワーズ選手談 ー “好きなコースの一つ”
エドワーズもまた、シーズンを良い形で終えようと決意を固めてオーストラリアGPを迎えている。オーストラリアの家系のエドワーズはロッシ同様、友人や親戚を含め多くの強力なサポーターに恵まれており、これを味方に好成績を狙う。
「もてぎはチーム全体にとってとても過酷なものになった。でもその翌日にはテストを行って解決しており、タイヤに関しても成果が得られた。残りの3戦で役に立ってくれる何かを見つけ出すことが目的だったけど、それについては確かな一歩を踏み出せたと思う。フィリップアイランドは好きなコースの一つで、MotoGPマシンで走るととても気持ちがいいんだ。
スーパーバイクのときにも何度も走っていて良くわかっているし、成績も悪くなかった。でも昨年はウエットコンディションが災いして最悪の結果になってしまった。天候が味方してくれればきっといいレースができると思う。シーズンは残り少ないけれど、それまでにどうしてももう一度表彰台に上りたい。そのための準備は整っているんだ」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談 ー “失うものは何もない”
ブリビオは、チャンピオン獲得の可能性が消滅したことを残念に思いながらも「ダウンアンダー」への旅を非常に楽しみにしている。前回のもてぎでC・ストーナー(ドゥカティ)のチャンピオンが決定した後も、チームは、銀杯の獲得に向けてこれまで以上に決意を固めているという。
「チャンピオンはもう決まってしまったが、我々としては引き続き、ランキング2位を目指して戦っていく。もう失うものは何もないので、この残りの3戦はとても楽しめるものになるだろう。できれば接近戦を見たいし、とにかく我々自身が楽しんで参加し、そして優勝したい。ポイント争いは関係なく、勝利へのモチベーションは依然として強力だからね。
フィリップアイランドにはいくつもの良い思い出がある。バレンティーノがヤマハで初めてのタイトルを決定した場所だし、我がチームのメカニックたちはほとんどがオーストラリア人なので、彼らにとっても特別の思い入れがある。ストーナーとC・バーミューレンがライバルの筆頭だが、このコースを好きなライダーは多く、最初から最後まで激しいバトルが続くだろう。去年は雨で大変だったが、今年は好天が期待できると思う。楽しいウイークエンドになるよう願っている」
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