ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.17 10月29日 バレンシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第17戦バレンシアGP
■開催日:2006年10月28日(土)予選結果
■開催地:スペイン/バレンシア(4.005km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:31度 ■路面温度:34度
■PP:V・ロッシ(ヤマハ/1分31秒002)
REPORT
ロッシ、チャンピオン獲得に向けてポールスタート
キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシは、タイトルを賭けた戦いとなるシーズン最終戦、バレンシアGPをポールポジションからスタートすることとなった。トップタイムを確実にするためにロッシは何度もポールレコードを更新し、最終的には1分31秒002の記録で追いすがる2台のドゥカティ、T・ベイリスとL・カピロッシを振り切った。明日の決勝では、N・ヘイデン(ホンダ)との間にある8ポイントのアドバンテージを守りきり、連続6度目のチャンピオン獲得を目指す。計算上で唯一のライバルとなるヘイデンは5位、グリッド2列目からのスタート。またロッシのチームメイトのC・エドワーズは予選タイヤでのタイムが伸びず10位。しかし決勝用のセッティングでは良いペースで走っており、午前中に行われたフリープラクティス最終セッションではロッシがトップ、エドワーズも4位につけ好調だった。
テック3・ヤマハ・チームのC・チェカとJ・エリソンはそれぞれ16位と19位。チェカは予選のほとんどを決勝用タイヤで走行。エリソンはタイムを伸ばそうと懸命にチェカについていく途中でクラッシュを喫してしまった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'31.002 |
2 | T・ベイリス | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'31.210 |
3 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'31.307 |
4 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'31.341 |
5 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'31.378 |
6 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'31.385 |
7 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 1'31.470 |
8 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'31.606 |
9 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'31.663 |
10 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'31.711 |
11 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'31.892 |
12 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 1'32.062 |
13 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 1'32.144 |
14 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 1'32.358 |
15 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 1'32.467 |
16 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'32.747 |
17 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'33.289 |
18 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'33.755 |
19 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'33.953 |
20 | G・マッコイ | Ilmor SRT | Ilmor X3 | 1'34.811 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(予選1位/1分31秒002/30周)
「予選用のタイヤを履いたときのポテンシャルは最高。午前中のフリープラクティスでも試し、それから午後の予選で使ってどんどん良くなって、最終ラップは本当に速かった。1分31秒0台というタイムは素晴らしい。フロントロウからスタートすることが作戦の重要な部分だから、このポールポジションはとても大切。しかもニッキーとの間に何人かが入っているという結果だから、今日の予選はとてもうまくいったと言えるだろう。コーリンが上位に入っていないのは残念だが、レースペースはとても良いからエストリルの時と同様、僕を助けてくれると思う。マシンに関しては、スタッフのおかげでバランスがとても良くなっている。明日までにあと1、2個所ちょっとした変更を行う予定で、後はその成果を見守ることになる。明日は大勢のファンが見にきてくれると思うので、彼らのためにも、そして僕らライダーのためにもこのままの天気が続いてくれることを願っている。いよいよ明日、目標達成のための最後の30ラップが始まる」
C・エドワーズ選手談(予選10位/1分31秒711/28周)
「決勝用のセッティングには非常に満足しているんだ。でも第2セクションではもっとタイムを縮められるはずなので、その点は明日の朝のウォームアップで解決していきたい。また第1コーナー進入のブレーキングでちょっと問題があるが、そういう部分があるにもかかわらず、明日の決勝では前のほうを走れるペースが出ているのだからきっといいレースができると思う。
マシンはきのうに比べて格段に良くなっている。こうすれば良くなるだろうと考えたことをやったら、その通り良い結果が出たので、これにはチームのみんなに感謝している。チームが一丸となって、最終レースのために頑張っているんだ。でも予選タイヤでは残念ながらタイムが上がらず、グリッドは我々が思っていたよりもかなり後ろになってしまった。でも僕はこのコースを知り尽くしているので、スタートでできる限りたくさん抜いて前へ出て、そしてバレンティーノのチャンピオン獲得に貢献したい」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「この大事な一戦のための準備として最高の出来。でもそれよりも大切なのが、バレンティーノのマシンに対するフィーリングがとても良いということ、そして明日の決戦に非常に気分良く臨んでいけるということだ。もちろんレースではどんなことでも起こりうるが、今我々は、最終戦の準備を整え、マシンが十分に競争力を持っていることを確信できている。コーリンのほうは残念ながら予選タイヤでタイムが伸びなかったが、決勝タイヤでのペースは満足できるものなので明日は期待している。スタートさえうまくいけば、トップグループについていってバレンティーノをサポートしてくれるだろう、エストリルと同様にね。D-Day(計画実施予定日)の準備は万端!」
C・チェカ選手談(予選16位/1分32秒747/31周)
「もちろんもっとトップに近づきたかったけれど、そんなにがっかりはしていないんだ。新品の決勝用タイヤで走行しいい感じだったので、明日もきっと同じようなタイムをキープしながら最後までタイヤを持たせることができると思う。一番の問題は安定性で、最初から最後まで33秒台で走ろうと思えばかなり難しいだろう。また予選タイヤではチャタリングがひどく、結局これを解決することができなかった。
グリッドの位置は良くないが、今日も決勝用タイヤで好タイムが出ているので自信は失っていない。スタートがうまくいけば、その後はどんどんプッシュして何台か抜いて上位に近づけるだろう。でもここはパッシングの難しいコースだということも忘れてはならない。だからこそスタートが肝心なんだ。また、明日はこのチームで最後のレースになるのでこれまでの恩返しのためにも良い結果を残したいと思っている。シーズン前から厳しい戦いになることは承知の上だったが、今言えることは、この1年いろいろなことがあって、個人的にはやはり、今までのレースキャリアのなかでも最も充実したシーズンの一つになったということだ」
J・エリソン選手談(予選19位/1分33秒953/25周)
「まず初めに、予選セッションはうまくいったということ。ポジションも悪くないが、どうしても越えられない壁に当たってしまったような感じはある。そこを越えようとするとチャタリングが激しくなるんだ。チャタリングが始まって、それを克服しようと頑張ると時には急にチャターがなくなったり、そしてまた出たり…。そんな時に第2コーナーに差しかかったところでフロントを滑らせ転倒してしまった。カルロスとまったく同じライン、同じスピードでついていけたのだが、後でデータを見てみるとマシンの動きはまったく異なっていた。決勝用セッティングに関しては良いアイディアがいくつもあって、タイムも34秒台で快調に走れているから明日はきっとうまくいくと思う。厳しかったシーズンだが、最終戦は何とかポイントを獲って終わりたい」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談
「まず初めに、バレンティーノのポールポジション獲得を祝福したい。我々のほうも決してひどい状況ではなくて、予選結果以上に実際には調子がいい。カルロスはセッションの序盤で約20周、決勝用タイヤを履いているが、そのときのタイムは非常に安定していおり、33秒台をコンスタントに出すことができた。予選の結果としては思っていたような位置を確保できなかったが、カルロスはエストリルでも、1コーナーの事故で遅れたあとすぐに挽回してきた実績があるので心配はしていない。カルロスの母国、スペインで、このチームのライダーとしては最後のレースを走ることになる。彼の活躍を期待し、我々も精一杯のことをしたい。ジェームスのほうは転倒はあったが走りはとてもいい。ハードにプッシュする彼を見るのはうれしいことで、あのアグレッシブさが彼の良さなのだ。明日もその能力を存分に発揮し、最後のレースを満足して終われるよう願っている」