ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.15 9月24日 日本
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第15戦日本GP
■開催日:2006年9月22日(金)フリー、23日(土)予選、24日(日)決勝
■開催地:栃木県/ツインリンクもてぎ
CIRCUIT DATA
■コース長:4.801km
■2005年のPP:1分46秒363(L・カピロッシ)
■2005年のFL:1分47秒968(L・カピロッシ)
■2005年の優勝者:L・カピロッシ
REPORT
シーズン終盤、チャンピオン争いも佳境へ!
マレーシア、オーストラリアに続く3連戦の最終回が今週末(9月22~24日)ツインリンクもてぎで開催される。キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシは前回のフィリップアイランドで3位表彰台を獲得、ランキングでは2位に浮上してトップのN・ヘイデン(ホンダ)との差を21ポイントまで詰めた。これで第3戦トルコGP以来、最もチャンピオンに近い位置まで上がってきたことになる。今回のもてぎで、さらにポイント差を縮め最後の3戦、ポルトガルGPとスペインGPに臨みたいところだ。
フィリップアイランドでの3位はロッシにとって、最高峰クラスで89回目の表彰台獲得となり、G・アゴスチーニの記録を抜いて歴代2位へ浮上。その上にいるのは95回の記録を持つM・ドゥーハンただ一人となった。2001年に優勝したことのあるもてぎで、自己通算59回目の優勝とともに表彰台獲得回数の記録も伸ばすことが目標だ。
一方のC・エドワーズは、ロッシに比べ厳しい状況。連続ポイント獲得回数を着実に伸ばしていたが、前回のオーストラリアで転倒したため記録は34回でストップ。ドゥーハンが持つ記録に、あと3回及ばなかった。もてぎでのこれまでの成績は6位が最高。7月の鈴鹿8耐ではマシントラブルでリタイヤに終わっていることもあり、日本のファンの前で今回こそ上位でのチェッカーを披露したいところだ。
COMMENT
V・ロッシ選手談 ー “ナッシング・イズ・インポッシブル”
もてぎは、必ずしも好きなコースではないと自ら認めているロッシ。しかし今週末、好成績を挙げることができれば、そんな考えもすぐに変わるだろう。ここ数戦はシーズン序盤の不調を脱して好調を維持しており、残り3戦となった今、依然としてタイトル獲得の可能性を残している。
「正直なところ、ここは好きなコースではないんだ。これまであまり良い思い出もなかったしね。でも今回はベストを尽くして最高のパフォーマンスをしなければならない。このような3連戦は本当にきつくて、とくにその三つ目となる今回は最悪だ! しかもコースとマシンがマッチしないとなればプラクティスでは大変な作業が要求される。昨年はひどかった。プラクティス中もずっと問題に悩まされ、決勝もあんな結果に終わってしまったんだからね。
21ポイント差というのはかなり大きな差だが、不可能ではないので、最後まで戦い続けていく。ニッキーとの差をさらに詰めていきたいので、もてぎの結果は非常に重要になる。でもYZR-M1はこのところ絶好調だからきっといい走りができると思う。最大限ベストを尽くし、少しでも多くポイントを取って、タイトルを狙える状況でヨーロッパへ戻れるように頑張りたい」
C・エドワーズ選手談 ー “ポジティブ・シンキング”
オーストラリアでは家族や友人の声援を受けて戦ったエドワーズ。今週もまた、日本の熱烈なファンに迎えられることになる。鈴鹿8耐での2度の優勝を含めスーパーバイクで多くの成功をおさめており、今回もその再現を狙う。
「もてぎは大好きなコースだとは言えないけれど、そんなに心配するようなところでもない。とても面白いレイアウトで、とくにトンネルを抜けてからの4つのコーナーは気に入っている。去年は6位だったけれど、ウイーク中はずっと問題に悩まされていた。今年はそんなことにならないようにと願っている。日本でのレースはいつもとてもエンジョイできて、大勢のファンもいるし雰囲気もとてもいい。楽しいウイークエンドだ。
フィリップアイランドは本当に残念だった。金曜、土曜と大きく前進して、自分では本来の走りが戻ってきたと感じていただけに悔しくて仕方がない。でもあのときのことはもう忘れて、先のことをポジティブに考えたい。そして金曜日の朝から絶好調でいけるようにしたいんだ。今となっては、次のレースがすぐなので、良かったと思っている。終わったことをくよくよ考える暇がなくなるからね」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談 ー “ポイントを渇望”
ブリビオは、従来からヤマハのマシンと相性の良くなかった今回のもてぎは、厳しい戦いになるだろうと予測している。しかし彼は、チームの目標が揺らぐことはないことを強調する。目標はもちろん、チャンピオンにまた一歩近づくために優勝して最大限のポイントを獲得することだ。
「もてぎは去年も非常に苦労したサーキット。決して楽なコースじゃない。去年はマシンセットアップに関してたくさんの問題があり、決勝ではバレンティーノが転倒してノーポイントに終わってしまった。今年は本当にポイントが欲しいから、去年とはまったく違うものにしなければならないんだ。
ここ数戦の状況はとてもいい。だから何らかの運が、ここもてぎでさえも味方してくれるに違いない。難しいコースだということは良くわかっているが、我々のほうのコンディションがとても良く、準備がしっかりとできているので期待できる。コーリンは前回のフィリップアイランドで素晴らしい走りを見せてくれた。ただ残念なことに雨がそれをストップしてしまって結果としては何も残すことができなかったんだ。あの転倒での痛みなどが何も残っていなければいいが…。チームの全員が彼の復活を願っているので、前回同様、良い仕事ぶりを見せてほしい」
A・ズグナ談(エドワーズのデータエンジニア) ー “テクニカル情報”
1997年にテストコースとして設計されたもてぎは、パドックには超近代的な設備をそろえている。凹凸のない路面はグリップ性が高いが、2速使用のコーナーが非常に多く、減速と加速が好タイムのための必須条件となる。また安定性が好レースを展開するための重要な鍵となる。
「もてぎはストップ&ゴーのサーキットだから、ブレーキングでの安定性が非常に重要だ。そのためにはフロントフォークのセッティング、それからエンジンブレーキのセッティングが大切。またコーナーで素早く立ち上がるための加速力も必要。そうでないと次のブレーキングポイントで抜かれてしまうことになるからだ。またブレーキング箇所が多いためフロントタイヤへの負担が大きいので、それに対処できるよう適切なフロントのセッティングが必要になるのだ。
昨年、コーリンはかなり苦労した。我々は彼に、決勝で自信を持って攻めていけるだけのフロントのセッティングを見つけることができなかったんだ。だから今年は金曜日の朝から、その部分を中心に作業を行っていく。マレーシアではとても好調だったので、あのときのセッティングから始めて行く予定。きっとうまくいくと思う」