ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 9月17日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦オーストラリアGP
■開催日:2006年9月16日(土)予選結果
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド(4.448km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:17度 ■路面温度:25度
■PP:N・ヘイデン(ホンダ/1分29秒020)
REPORT
ロッシ&YZR-M1、3位フロントロウ
キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシとC・エドワーズはオーストラリアGPの予選で前日までのタイムを短縮、それぞれ3位と5位を獲得した。きのうのフリープラクティスでは気温の低さもありマシンセッティングに悩んだ二人。2日目の今日はリアタイヤのグリップ向上を目指して作業を進め、ラップタイムでは2秒近く短縮することに成功した。
今季6勝目を狙うロッシは、ポイントリーダーのN・ヘイデン(ホンダ)との差を詰めることが目標。このところの好調で26ポイント差まで迫っているが、今回ヘイデンがポールポジションを獲得していることから二人のトップ争いも予想される。またチームメイトのエドワーズも、オーストラリアの親戚や友人たちの前で今季最高の成績を狙っていく。
テック3・ヤマハ・チームのC・チェカは予選タイヤの好調もあり午前中のフリープラクティスではトップタイムを記録、午後からの予選でも6位獲得と健闘した。また予選タイヤでの好タイムと同時に、決勝用のタイヤでも良い走りを見せており、明日の決勝に期待がかかっている。チームメイトのJ・エリソンはきのうまでのタイムを2秒近く短縮したが、予選グリッドは18位に留まった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'29.020 |
2 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'29.258 |
3 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'29.271 |
4 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 1'29.662 |
5 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'29.680 |
6 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'29.865 |
7 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 1'29.949 |
8 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 1'29.969 |
9 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'30.037 |
10 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.081 |
11 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 1'30.132 |
12 | S・ジベルナウ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'30.237 |
13 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'30.393 |
14 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 1'30.498 |
15 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'31.143 |
16 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'31.288 |
17 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'31.676 |
18 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'31.998 |
19 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'32.870 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(予選3位/1分29秒271)
「きのうはマシンセッティングで難しい状況にあったが、チームのみんなが頑張ってくれたおかげで、とても良く走るようになった。そして、このサーキットでは非常に重要となるフロントロウの位置につけることができたんだ。ただ気温が低いためにリアタイヤがなかなか暖まってくれないので、予選タイヤを履いてタイムアタックに移るまでに時間がかかってしまった。この点については、決勝用のセッティングではもう少し作業が必要になるが、予選タイヤを履くとグリップも十分。コースアウトしたり最終コーナーでウイリーしたりしながらも3番手のタイムを出すことができたんだ。とにかく今はとてもハッピー。この結果に導いてくれたチームのみんなとミシュランのスタッフに感謝している。カピロッシとジベルナウがかなり後ろにいるのは驚き。でも二人の強さはわかっているから、ニッキーと一緒にスタートから飛ばしていって逃げなくちゃね」
C・エドワーズ選手談(予選5位/1分29秒680)
「最悪の状況から一気に最高の状態へ! きのうは本当にひどい状況だったんだけど、今はセッティングもうまくいってすべてに満足している。とってもいい気分だ! セッティングを大幅に変更し、中国やル・マンの頃のものに戻してみた。でもあの頃とはシャシーも変わっているし、あの頃はチャタリングに悩まされていたのだから決して同じ状態にはならないが、チームのみんなが頑張ってくれてちょうど良いところが見つかったんだ。きのうと比べると、電気系統からサスペンション、エンジン、シャシーまでほとんど全部を変更。とても同じバイクとは思えないほどだ。何時間もかけてこの大変な作業をやってくれたスタッフには本当に感謝している。レース用タイヤはとても気に入ったし、予選タイヤも糊みたいにねばってくれる! きのうまではこのタイヤについてもひどく悩まされていたので、夜の間にここまでにしてくれたミシュランにも感謝しなければならない。明日が楽しみで、待ちきれないくらいさ!」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「とてもいい一日になった。第一にコーリンが上位に戻ってきてくれて、マシンのフィーリングもとても良くなっていることがうれしい。バレンティーノの方も目標にしていたフロントロウを見事獲得。これは明日の決勝で非常に重要になってくるだろう。二人ともレースのペースはとてもいいので、面白いレースになると思う。例年通り抜き差しが繰り返される激しいバトルになりそうだが、二人そろってその上位争いに加わってくれることを望んでいる」
C・チェカ選手談(予選6位/1分29秒865)
「今季最高の出来。1分29秒台で走ることができたのは非常にうれしい。ダンロップの予選用タイヤがとても良くなっていたことも大きな要因で、フィリップアイランドのようにタイヤに負担のかかるサーキットでここまでできたことはダンロップの努力を証明している。午前中のセッションではトップタイムを記録することができて、今までレースをしてきたなかでも最高の気分だった。このコースは大好きで、これまでにも好成績をいくつか挙げているので明日も期待している。また決勝用タイヤでも優れた耐久性と安定性を持ちながらハイペースをキープすることができているので、きっと今季最高のレースができるだろう。グリッド2列目という好位置につけることができたことで、序盤から上位陣についていくチャンスが与えられたと思う。数週間前なら、こんなことはとても考えられなかったことだが、支えてくれるスタッフとダンロップのおかげでここまで来ることができた。心から感謝している」
J・エリソン選手談(予選18位/1分31秒998)
「フロントとリアにリムサイズとプロファイルの異なるものを使っていて、基本的にはいつもと同じような問題に悩まされている。カルロスが使用しているものと良く似たものを使っているのに、いつのまにかタイムに差が出ている。それでも着実に前進していて最終的には1分31秒台を出すことができた。この次に立ちはだかっている壁は三つの高速コーナーで、その進入でスピードをキープすることができない。でも解決のためのアイディアは出てきているので、明日の朝それを試してみようと思っている。カルロスの好調は僕も本当にうれしい。チームのこれまでの努力が報われたのだし、ダンロップが良くなってきていることの証明でもあるからね」
H・ポンシャラル、テック3ヤマハ・チーム監督談
「まずカルロスにお礼を言いたい。彼はシーズンを通じてここまで本当に懸命に頑張ってくれた。彼が与えてくれたデータがこうして我々とダンロップを助けてくれているのだ。今回は今シーズンで最も好調。こうして着実に前進できていることをチーム全員が心から喜んでいるし、カルロスが午前中にトップタイムを記録したのを見たのは素晴らしい瞬間だった。このコースはタイヤに負担がかかるのでグリッド2列目を確保できたことは非常に大きい。2列目は我々にとってこれまでで最高のポジションなのでとても楽観的な気持ちになっているが、ここでのレースはいつも非常に接近するのでどんな展開になるかは始まってみなければわからない。5位になれるかと思ったら14位や15位になってしまうことだってあるんだ。
序盤から果敢に攻めていくためにはスタートが肝心。それができれば、もしかしたらすごい結果も期待できるかもしれない。これまでにも何度も言ってきたことだが、ダンロップがレースのたびに良くなっていることをこれでまた証明できたと思う。ヤマハのマシンとともに素晴らしい一台ができ上がっているのでこれからが楽しみだ。最後にもう一度、見事な仕事を成し遂げたカルロスを祝福したい」