ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 9月17日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦オーストラリアGP
■開催日:2006年9月15日(金)フリー走行2
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド(4.448km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:18度 ■路面温度:28度
REPORT
V・ロッシ&YZR-M1、初日総合8番手
第14戦オーストラリアGPのフリープラクティスが、気温18度という涼しく明るい青空の下で行われた。この絶好のコンディションのおかげでキャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシとC・エドワーズは、YZR-M1のセットアップ作業を順調に開始することができた。
しかしその一方で、難しい面もあった。路面温度が前回マレーシアの45度から28度へと一気に下降したためグリップが低下。この状況にマシンを合わせるのに苦労したのだ。二人ともリアトラクションのフィーリングに悩み、ロッシが8位(初日総合/フリー走行2本目は6位)、エドワーズが13位でこの日の走行を終えた。明日は午前中に行われる最後のフリープラクティスで主にこの部分の改善を目指し、午後からの予選に臨む。初日のトップはR・ド・ピュニエ(カワサキ/1分29秒745)。
テック3・ヤマハ・チームのC・チェカは順調にフリープラクティスをこなして10番手のタイムを記録。午後から行われた第2セッションでは7位まで上がったが、午前中のタイムと総合した結果、10位となったもので、キャメル・ヤマハのロッシとのタイム差はわずか0.092秒。またチームメイトのJ・エリソンは19位。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'29.745 |
2 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'30.310 |
3 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.471 |
4 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'30.716 |
5 | S・ジベルナウ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'30.719 |
6 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'31.045 |
7 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'31.137 |
8 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 1'31.154 |
9 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 1'31.346 |
10 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 1'31.358 |
11 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 1'31.512 |
12 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'31.719 |
13 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'31.785 |
14 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'31.846 |
15 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'31.978 |
16 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'32.304 |
17 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'32.419 |
18 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 1'32.696 |
19 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'32.778 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(フリー走行6番手/1分31秒045)
「金曜日っていうのはいつも大変なんだ。だって前のサーキットのものから今回のサーキットのものへと大幅にセッティングを変えていかなければならないんだからね。今日もそれと同じ状況だったというわけ。とくにここは、路面温度やその他のコンディションがマレーシアと違いすぎるから大変。その分、作業も増えるのは当たり前のことなんだ。
またグリップ感が去年までより落ちていて、コーリンも僕もリアのフィーリングに悩まされた。僕の場合はタイヤをちょうど良い温度、しっかり攻められるような温度になるまで暖めるのに4、5周かかってしまっているのだから決して良い状況とは言えない。明日は、この涼しいコンディションにマッチしたセッティングとタイヤを見つけ出すことが目標になる。今回のレースは非常に重要だし、オーストラリアのファンのみんなの前でいい走りがしたいんだ。データはたくさん収集できたし明日に向けてのアイディアもあるので、自信はあるよ」
C・エドワーズ選手談(フリー走行13番手/1分31秒785)
「順位を除けば、1日目としてはまずまずという感じだったんだ。唯一の問題がリアの挙動。フロントの方はとてもいい感じなのだが、何しろ路面温度が低いのでリアの分まで埋め合わせるには至らない。明日もこの部分を中心に作業を進めていくことになるだろう。解決できればラップタイムは劇的に縮まると思う。バレンティーノも同じような問題を抱えているようだが、どちらも良いアイディアは浮かんでいるので明日が楽しみだ」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「今日はとっても寒くて、予想していた通り前回のマレーシアとはまったく違う状況になった。バレンティーノは決勝用のタイヤを見つけることに多くの時間を割いた。一方コーリンは、マシンセッティングに集中した。他のチームと違って、ここではオフシーズンのテストをしなかったから、他より作業が多くなるのは仕方がない。ライバルたちはすでにペースをつかんでいるので決勝でも手強い存在になるのは明らかだが、我々も順調に前へと進んでいると確信している」
C・チェカ選手談(フリー走行7番手/1分31秒137)
「今シーズン中で最も好調なセッションの一つと言っていいだろう。ダンロップタイヤの進化は素晴らしく、これまでの努力の成果がはっきりと現れたという感じ。バレンティーノにここまで近づくことができて、コーリンの前に来ることができたことは、やはりとてもうれしいことだ。フィリップアイランドは好きなコースの一つで、ここでこうして好タイムを記録できたことは僕らの好調ぶりを証明していると思う。
タイヤはとても安定してきているし耐久性も上がっている。前回のマレーシアでは苦労したが、ここではリアのサイドグリップが良くてしっかりと立ち上がってくれる。このサーキットはマシンを寝かせている時間が長いので、サイドグリップが非常に重要。とくにストレートへと続く部分などでは、これがラップタイムに大きく影響する。明日はもっと天気が良くなりそうなので楽しみ。このままいけば決勝も良い結果が期待できそうだ」
J・エリソン選手談(フリー走行19番手/1分32秒778)
「カルロスと同じように喜びたかったんだけれど…。僕の方はこれまで同様、思うような走りができずにがっか。いろいろ試してみたが、何をやってもうまくいかない状況で、僕もチームもかなり参っている。今晩中に何か良い方法を見つけ出し、明日に臨みたいと思う。フィリップアイランドは大好きなコースだから、どうしてもいい走りがしたいんだ。今日は残念な結果だったが、明日は一転、好調を目指していく」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談
「このフィリップアイランドはみんなが楽しみにしていたコース。天気もとても良くて明日、あさってとますます良くなっていくようだ。今日のプラクティスはとても順調で、オフシーズンにテストをしていないことを考えれば十分に満足のいく結果だと言っていいと思う。ダンロップタイヤがとても良くなっていて、初めから存分に性能を発揮し、期待通りのパフォーマンスをしてくれた。タイヤへの負担が大きいこのコースで、レースタイヤではラップタイムも非常に安定していたことに、チーム全員が喜んでいる。明日からは気温が上がって来るようなので、さらなる性能向上と耐久性を追求していきたい」