ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月14日 中国
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦中国GP
■開催日:2006年5月14日(日)決勝結果
■開催地:中国/上海(5.281km)
■観客数:42,529人
■周回数:22周(116.182km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:31度 ■路面温度:26度
■PP:D・ペドロサ(ホンダ/1分59秒009)
■FL:D・ペドロサ(1分59秒318)
REPORT
YZR-M1のエドワーズが3位!ロッシはリタイヤ
キャメル・ヤマハ・チームのC・エドワーズがYZR-M1を駆り3位、今季初の表彰台を獲得した。チームメイトのV・ロッシは予選13番手からの追い上げで中盤5番手まで挽回するもマシントラブルでリタイヤした。優勝はD・ペドロサ(ホンダ)でMotoGP初優勝。
好天に恵まれた決勝。予選3番手フロントロー右側イン発進のエドワーズが好スタート。これにJ・ホプキンス(スズキ)、S・ジベルナウ(ドゥカティ)、中野真矢(カワサキ)、D・ペドロサらが続く。序盤2~4周目はトップのエドワーズ、2番手のホプキンスが他選手とのリードを拡大する。エドワーズはトップを維持して中盤に差しかかるが、10周目、順位を上げてきたペドロサにかわされ2番手に。さらにN・ヘイデン(ホンダ)にもぬかれて3番手に後退する。ペドロサ、ヘイデンの1、2位コンビは終盤59秒台にペースを上げそのままの順位で逃げ切った。エドワーズは堅実な走りでポジションを守り、3位フィニッシュし今シーズン初の表彰台を獲得した。
金曜日、雨のフリー走行ではトップタイムを記録したものの、土曜日、ドライの予選で13位と振るわなかったロッシは、グリッド5列目からスタート。しかしスタートから10番手に上げると、5周目に8番手、7周目に6番手、さらに8周目には、先行するS・ジベルナウ(ドゥカティ)を抜いて5番手まで浮上する。ところがマシンの不調に見舞われ16周目にピットイン。再スタートするも結局リタイヤとなった。
テック3ヤマハ・チームのC・チェカとJ・エリソンは、それぞれ14位と16位。順位はあまり上がらなかったが、今回はダンロップ・タイヤ開発のための貴重なデータ収集ができたことの意義が大きい。耐久性についても一定の判断ができたため、次回からは結果につながる走りができるとチームは考えている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 44'07.734 |
2 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1.505 |
3 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 14.634 |
4 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 19.265 |
5 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 23.061 |
6 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 23.879 |
7 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 24.101 |
8 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 24.467 |
9 | S・ジベルナウ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 28.358 |
10 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 33.815 |
11 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 35.316 |
12 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 52.004 |
13 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 56.293 |
14 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'03.575 |
15 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'11.172 |
16 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'23.075 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | N・ヘイデン | Honda | 72 |
2 | L・カピロッシ | Ducati | 59 |
3 | D・ペドロサ | Honda | 57 |
4 | M・メランドリ | Honda | 54 |
5 | C・ストーナー | Honda | 40 |
6 | V・ロッシ | Yamaha | 40 |
8 | C・エドワーズ | Yamaha | 35 |
15 | C・チェカ | Yamaha | 10 |
17 | J・エリソン | Yamaha | 3 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 90 |
2 | Yamaha | 59 |
3 | Ducati | 59 |
4 | Suzuki | 29 |
5 | Kawasaki | 28 |
6 | KR211V | 20 |
COMMENT
C・エドワーズ選手談(3位)
「絶好のスタートが切れたので、そのあとはできるだけ速いペースでいこうと決めた。そんななかで何度かコントロールを失いそうになったこともあったが、今日の僕は、ペースをおとして表彰台のチャンスを逃すくらいならクラッシュしたほうがましだ、と考えていた。だからとにかくプッシュして走り続けたんだ。その後ダニとニッキーがものすごいスピードで追い上げてきてぬかれたが、ついていくのは難しかった。今回はチャターなどの問題がいくつかあって表彰台は無理だと思ったこともあった。それなのにここまで来ることができて、チームやヤマハやミシュランにいくらお礼を言っても言い尽くせない。たしか昨年も第4戦で初めて表彰台に立った。ここからが本当のスタートだと思いたい」
V・ロッシ選手談(リタイヤ)
「スタートはうまくいって、その後も何台かパスすることができた。でもメランドリの後ろにつくと、彼の挙動が激しすぎて抜くのに時間がかかってしまったんだ。リタイヤするまで、マシンの状態はすごく良かったし、調子は悪くなかったから本当に残念だ。それまではすべて順調で、ホプキンスとエドワーズをパスできると考えていたのだから。事実上は16ポイントと表彰台を逃してしまったわけだけど、予選であれほど苦しんだことを考えれば今日はいい出来だったと言えると思う。ポイント争いで差をつけられていることは悔しいが、シーズンはまだ長い」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「まずはじめにコーリンとそのスタッフたちにおめでとうを言いたい。ここまで厳しい戦いが続いていたが、今日ようやく、彼らの懸命の仕事ぶりが報われたのだ。3位表彰台は素晴らしい成績だ。そしてここからが本当のスタートになるといいと思う。バレンティーノは残念な結果になった。開幕ヘレスの第1コーナーに始まってここまで、彼は今シーズン、どうもついていないようだ。自分のミスでないところで結果が決められてしまうということは、ライダーにとっては本当に悔しいこと。でもどうすることもできないんだ。あとは残りのレースのなかで一つ一つ挽回していくしかない」
C・チェカ選手談(14位)
「ウイークを通じてハードワークの連続だった。簡単ではないとわかっているが、我々の使命は第2グループとの差を詰めることだ。タイヤについてはレース距離をしっかりと走れるようになってきた。これからは我々自身のレベルを上げていき、ラップタイムを縮めていくことが課題になる。今まではコーナリングの途中でスピードを維持できなかったのだが、今はタイヤがしっかりともってくれるので、問題を解決してタイムも上げていけるだろう。この4戦におけるダンロップの仕事ぶりには信頼がおけた。我々の要求をしっかりと聞き、またそれに応えるだけの力量もある。これなら少しずつでもラップタイムを詰めていけるし、トップに近づくことも可能だ。僕自身はラップタイムに一喜一憂したくないほうだが、たいていの人は数字が気になるもの。どんなチームでも状況は似たようなものだと思うが、僕はただライダーとしての自分の仕事をやり抜くだけだ。トップに追いつきたいと思ったら、何があってもあきらめてはいけない。今よりももっと、他の誰よりももっと懸命に頑張るしかないんだ」
J・エリソン選手談(16位)
「タイヤの耐久性が上がってきた。全体的にはかなり安定性が増してきているのだが、レース終盤になるとコーナースピードを維持できなくなってしまう。やはり、マシンとタイヤについて、課題はまだ多いということだ。ダンロップは、ル・マンに向けてすでにニュータイヤをたくさん用意していて近くテストを行う予定。彼らは本当に頑張ってくれているので、状況を見守っていきたい」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談
「14位と16位。良くも悪くもなかったが、全体としては満足できる出来だし、実際にこれまでで最高のレースと言ってもいいと思う。というのはラップタイムでもそれほど大きく差をつけられていないし、トップグループのペースにはついていけないとしても、他のファクトリーマシンにかなり接近できたからだ。またタイヤの耐久性向上に成功したこともうれしいこと。今は前の集団に1秒程度離されている状態だが、ここから何とか詰めていかなければならない。ダンロップとのプロジェクトが始まった頃に比べれば、ここまでに本当に大きな進歩が見られた。カルロスは自分の使命をしっかりと遂行し、ジェームスは常に成長を続けている。中国GPを終えた今、いいレースができた、という実感を持って次に臨んでいけそうだ。ここで立ち止まることは許されない。今こそ攻め続けるのだ」
辻幸一談(ヤマハ発動機モトGPグループ)
「昨日の予選では苦しんだロッシ選手も、今朝のウォームアップ走行では快走を見せ、コーリン選手も好調さを維持し、決勝レースは期待していました。今週一番の快晴のもと行われたその決勝では、コーリン選手が見事にホールショットを奪い、レース中盤までトップを快走。最後は3位でフィニッシュし、今季初の表彰台を獲得しました。ロッシ選手も13番手スタートながら徐々に順位を上げ、中盤には5番手まで追い上げたものの、トラブルに見舞われ残念ながらリタイヤせざるを得なくなりました。テック3・ヤマハ・チームのカルロス選手とジェームス選手もそれぞれ14位と16位でフィニッシュしました。ポイントの差は広がってしまいましたが、マシンは着実に進化しております。次節フランスGPはYZR-M1と相性の良いサーキットですので、ぜひ、ご期待ください。皆さんのご支援、ご声援をよろしくお願いします」