ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月14日 中国
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦中国GP
■開催日:2006年5月13日(土)予選結果
■開催地:中国/上海(1周5.281km)
■レースコンディション:ドライ
■気温:19度 ■路面温度:21度
■FL:D・ペドロサ(ホンダ/1分59秒009)
REPORT
YZR-M1のエドワーズがフロントロウを獲得!
キャメル・ヤマハ・チームのC・エドワーズが予選3位、フロントロウを獲得した。午前中に行われたフリープラクティスは待望のドライコンディション。ここでドライ用のセッティングを詰めて午後からの公式予選に臨んだが、セッション中盤からは時折、雨に見舞われる難しいコンディションとなり、最後のタイムアタックを前に慌ただしくピットインするライダーも多かった。エドワーズはD・ペドロサ(ホンダ)、J・ホプキンス(スズキ)とトップ争いを展開。100分の1秒差で3位となった。一方、チームメイトのV・ロッシはドライ用のセッティングを詰め切れずペースが上がらなかった。予選13位、5列目からのスタートとなった。
一方、テック3・ヤマハ・チームのC・チェカとJ・エリソンはそれぞれ14位と17位。順位はあまり上げられなかったが、ラップタイムでは向上を見せており、またウエットとドライの両方のコンディションで十分にタイヤのテストを行えたことの意義は大きかった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'59.009 |
2 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'59.373 |
3 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'59.383 |
4 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'59.570 |
5 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'59.574 |
6 | S・ジベルナウ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'59.639 |
7 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 1'59.890 |
8 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 2'00.014 |
9 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 2'00.044 |
10 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 2'00.078 |
11 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 2'00.176 |
12 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 2'00.304 |
13 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 2'00.720 |
14 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 2'01.052 |
15 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 2'01.275 |
16 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 2'01.972 |
17 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 2'02.088 |
18 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 2'02.311 |
19 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 2'02.948 |
COMMENT
C・エドワーズ選手談(予選3位/1分59秒383/15周)
「きのうはウエット、今日はドライ。こういうことはあまりないことで、本当に難しかった。きのうはマシンのフィーリングがとても良くて気持ち良く走れたので、13位という結果を見て非常にがっかりした。でもタイムが上がらなかった理由もわかっていたから、今日は必ずうまくいくと信じていたんだ。トルコでは全くだめだったのに、ここ中国では好調。マシンはほとんどいじっていないのだから、自分でも説明がつかない。チャターは今も、場所によって発生する。グリップが良いほど振動が大きく、また予選タイヤを履いたときのほうがひどくなるのが特徴だ。レースタイヤでは、ほとんど感じないので、明日の決勝は問題ないだろう。ここまでの3戦は、スタートは絶好なのに、その後ペースを維持できなかった。明日はこれを克服したい。フロントロウはとてもいい気分!」
V・ロッシ選手談(予選13位/2分00秒720/18周)
「きのうはあんなに好調だったのに、こんなに後退してしまって悔しい。今日のコンディションのように路面のグリップがノーマルになると、チャターがひどくなって、とても乗りにくいんだ。たくさんの問題が起きていることは明らかで、今の状況はかなり悪いと言わざるを得ない。これではヘレスの再現になってしまいそうだ。しかもグリッド5列目だから厳しいレースになることは間違いない。予選終了後、チームのみんなととことん話し合い明日の朝のウォームアップの作戦を立てた。そこに最後の望みをかける。今のままでは守りの走りをするしかない。ミスをおかさず、少しでも多くポイントを取ることだ」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「コーリンは非常に良かった。彼が上位に復帰した姿を見ることができて本当に喜んでいる。走りを見ればとても気持ちよく乗れているようだし、それがタイムにもしっかりと表れている。その一方でバレンティーノは、昨日とはうって変わって調子が悪い。これからエンジニアたちと一緒にデータを分析し、明日のウォームアップに備えたい」
C・チェカ選手談(予選14位/2分01秒052/18周)
「天候のことを考えれば、そんなに悪くない結果だと思う。午前中のドライセッションでは決勝用タイヤを履いてかなりいい感じで走ることができた。それから僕の怪我のほうも良くなった。これで全力を使うことができるようになったので、レースでは最後までハードに攻めていく自信ができた。このことは非常に重要だ。明日のウォームアップでもう少しやりたいことがあるので、なんとか晴れてほしいと願っている。そしていくつかの部分で最後の詰めを行い、決勝に向けて少しでもいい状態にもっていきたい。フロントタイヤはとてもいい感じ。でもリアはグリップ感と安定性がまだ十分ではない。決勝用のタイヤはもう決まっているからいいんだけれど、本当はもう少し別のものも試しておきたかった。今日の後半では予選用を使わなければならなかったので、決勝用を存分にテストすることはできなかったんだ」
J・エリソン選手談(予選17位/2分02秒088/16周)
「予選用タイヤがよく走ってくれるようになったので、昨日までと比べてまた格段に進歩したと思う。カルロスとの差が1秒まで縮まったこともうれしいこと。だって今までで一番、彼に近づくことができたんだから。明日のウォームアップでは、おそらく実際に使うことになるはずの少し大きいサイズのタイヤをもう少しテストする予定。それを使ってセッションを走りきってみるつもりだ。この大きめのタイヤを履くと、今まで欠けていた安定性が確保できて、それによって自信を持って攻められる。さらに天気予報通りに晴れてくれれば、これ以上もう言うことはない。今回もセッションの度に大きく前進することができたと思う。ドライが一度しかなかったことを考えれば素晴らしい成果だ。いつも3日間のレースウイークで予選用、スリック、レインと多くのタイヤをテストしなければならないのだから、決勝用のセッティングを煮詰める作業は本当に大変だ。でも、それこそ我々の最も大事な仕事だ。開幕からここまでやってきて、今はしっかりとした方向性が見えてきた。他のチームと違って過去のデータがないところからの出発だということを考えると、ついに目指すところに向かって進み始めたというのが実感だ」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談
「この2日間は非常に有益で、ウエット用、ドライ用両方のタイヤについての貴重なデータをダンロップに提供することができたと思う。カルロスもジェームスもドライタイヤに好感触を得ている。カタール以来、決勝用タイヤばかり使ってきたが、今は予選用タイヤも良くなってきている。カルロスはエリアスとロッシの間に食い込んだ。ともに素晴らしいライダーであり、またメーカーの違う二人に加われたことの意義は大きい。またジェームスのパフォーマンスにも非常に満足している。彼がもう少し自信を持てるようになったときには、もっともっと大きく成長するだろうと確信している。明日はできることならドライで走りたい。優勝や表彰台は難しいだろうが、ダンロップと始めたこの大切なプロジェクトをしっかりと遂行することがミッションだ。カルロスの怪我も良くなったので本来の走りが戻るだろう。期待したい」