ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月14日 中国
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦中国GP
■開催日:2006年5月12日(金)フリー走行2
■開催地:中国/上海サーキット(1周5.281km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:17度 ■路面温度:17度
REPORT
ウエット路面の上海でロッシがトップタイム!
第4戦中国GP初日のフリープラクティスで、キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシがトップタイムを記録。前回のトルコGPの翌日に行ったテストの成果が実った格好だ。一日中降り続いた雨のなかロッシは、昨年の同大会と同様にウエットでの強さを見せつけ、二つのセッションでともに最速タイムをたたき出した。
午前中のセッションではC・ストーナー(ホンダ)をわずかに0.002秒差で振り切り首位を獲得したロッシ。午後から行われた2回目のセッションでは、午前中のタイムを3秒近く短縮し、2位のL・カピロッシ(ドゥカティ)を0.355秒差で抑え込んだ。一方、チームメイトのC・エドワーズは復調を見せてはいるものの、今のところ記録につながっていない。
テック3・ヤマハ・チームはこのウエットコンディションを利用してダンロップ製ウエットタイヤのテストを継続。C・チェカ、J・エリソン両選手は、2回のプラクティスでさまざまなタイヤコンビネーションを試し、貴重なデータを収集した。ラップタイムではチェカが16位、エリソンが17位につけている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 2'09.393 |
2 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 2'09.748 |
3 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 2'10.007 |
4 | S・ジベルナウ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 2'10.187 |
5 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 2'10.247 |
6 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 2'10.411 |
7 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'10.815 |
8 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 2'11.016 |
9 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 2'11.313 |
10 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 2'11.425 |
11 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 2'11.438 |
12 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 2'11.615 |
13 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 2'11.838 |
14 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 2'12.496 |
15 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 2'12.807 |
16 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 2'14.914 |
17 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 2'15.880 |
18 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 2'15.897 |
19 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 2'19.416 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(フリー走行1番手/2分09秒393/36周)
「トルコのテストで、このところの問題の解決策がみつかった。そして今朝、そのときのデータを使ってマシンにモディファイを加えたらとてもフィーリングが良くなったんだ。今は完璧にマシンを操ることができる。ウエットコンディションでもグリップ性はとても良く、コーナリングで十分にマシンを寝かせることができるし、思い通りに走れるので楽しい。今日は両セッションでトップに立つことができた。このことは、決勝に向けてとてもいい兆候だ。今日の方向性はウエットでうまくいったわけだが、ドライでも効果を発揮してくれると思う。でもできることなら、それを実際に確認しておきたい。最悪のシナリオは、明日も雨で、そして決勝でいきなりドライを走るようになることだ」
C・エドワーズ選手談(フリー走行13番手/2分11秒838/24周)
「まずまず満足。今日は主にマシンセッティングを行ったが、それがかなりいいところまで来た頃にはタイヤのほうが消耗し始めていた。それでタイヤを替えたら今度は調子が変わってしまったんだ。それでも気持ちよくマシンに乗れているので、明日はコンディションに関係なくタイムを大きく更新できると思っている。トルコのテストで見つけたドライ用のセッティングでスタートし、そのあとこのウエットに合わせて少しずつ変更を加えてみた。最終的にはサスペンションのセッティングがとてもうまくいったので、明日からはタイヤを含め全体的な仕上げをしていきたいと思っている」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「イスタンブールのことを考えれば、今日は本当に好調だったと言えるだろう。セッティングについてはエンジニアたちが懸命に頑張ってくれて前進できた。彼らのおかげでバレンティーノがまたトップに立つことができたんだ。彼がその能力のすべてを注ぎ込んで走っているのを見るのは非常に楽しい。そして今日の彼は、トルコでのウエットのときとは全く違っている。コーリンについては、今日のタイムは彼の本当の実力を反映していないと思う。彼にとっては不本意な一日になったのかもしれないが、マシンセッティングについて答を出すことができたことは、これから決勝に向かっていくなかで非常に大きな意味を持つだろう。今までの3戦は、ウイークの序盤は好調だが、それが結果につながらなかった。今回こそ、日曜日の午後まで好調を維持できるようにしたい」
C・チェカ選手談(フリー走行16番手/2分14秒914/36周)
「タイヤのテストで大忙し。このウエットコンディションが絶好のチャンスを与えてくれたのだと思う。おかげでダンロップのたくさんのウエットタイヤをテストすることができ、その方向性を見つけるための助けになってくれた。これこそ我々が今やるべきことで、近いうちにきっと成果が得られるだろう。タイムでは5秒も離されているので悔しいが、何かを繰り返しテストしたり、セッティングを煮詰めていく段階ではこれも仕方のないことだ。このあとは、このコンディションに合わせたタイヤを見つけていかなければならない」
J・エリソン選手談(フリー走行17番手/2分15秒880/36周)
「今朝から、マシンのシート高を低くしたり、サスペンションをソフトにしたり調整し、それが功を奏してラップタイムも徐々に上がってきた。タイヤはセッション中に何度か替えていくつも試してみたが、最後のものがとても良かったと思う。カルロスもそれが気に入ったので、明日の午前中はもう少しこれを詰めていくつもり。しかしその一方で、もう一つ問題があって、タイヤのサイドをもっと暖める方法を見つけなければならない。それができたら順位も必ず上がってくるだろう。ウイーク中にテストをするのはちょっと大変だが、こうして一日を走り終えてみると、我々はそのためにこそ、ここにいるのだということが良くわかる」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談
「カルロスもジェームスも順位は決して良くないが、今日の二人の仕事ぶりには非常に満足している。ウエットコンディションで数時間走ることができ、二人ともたくさんのタイヤを試してくれた。これは本当に厳しい仕事だが、ダンロップにとってはMotoGPのファクトリーバイクに初めて履かせるわけだから、学ばなければならないことがたくさんあるし、他メーカーに追いつくために理解しなければならないことも多い。我々はこのテストプログラムを最後まで完遂する…。これこそ今我々がするべきことだと思っている。そのすべてが報われるわけではないが、これが使命なのだから途中で止めるわけにはいかないんだ。二人のライダーの仕事ぶり、とくにカルロスの貢献には本当に感謝している。願わくは、このタイヤテストを糧に、シーズン終了までにもっともっとトップに近づいていたい。照準は2007年の戦いにおいている」