ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月8日 カタール
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦カタールGP
■開催日:2006年4月8日(土)決勝結果
■開催地:カタール/ロサイル(5.380km)
■周回数:22周(118.36km)
■コースコンディション:ドライ
■気a温:26度 ■路面温度:41度
■PP:C・ストーナー(ホンダ/1分55秒683)
■FL:V・ロッシ(ヤマハ/1分57秒305)
REPORT
YZR-M1のロッシが今季初優勝!
ヤマハ、ホンダ、ドゥカティの上位3選手が約1秒内で最終周に突入する接近戦の末、ヤマハYZR-M1を駆るロッシがN・ヘイデン(ホンダ)に0.9秒差をつけ優勝を飾った。ロッシにとってはMotoGP(GP最高峰クラス)で54回目の勝利。これで通算優勝回数ではM・ドゥーハンと並ぶ2番手となり、あとはトップのG・アゴスチーニ(68勝)を追うだけとなる。
予選6番手、グリッド2列目イン側発進のロッシは、序盤から3番手につけ上位をうかがう。ポール発進のC・ストーナー(ホンダ)が先行する序盤、後方にヘイデン、ロッシがつける。6周目にロッシとヘイデンは激しい抜き差しを繰り返すがロッシがヘイデンをパスし、先をいくストーナーを追う。
10周目に入る第1コーナー進入でロッシはストーナーをパスして首位に浮上。その後もロッシはトップを維持するが、中盤以降、徐々に後退するストーナーに代わってヘイデンが12周目に2番手まで浮上してロッシの後ろに迫る。そして19周目の第1コーナー進入で、ロッシはヘイデンにかわされるが、次の周と同じ場所で今度はロッシが抜き返して決着。その後の終盤3周はロッシがその差を拡大しトップでチェッカーを受けた。
C・エドワーズはフロントに問題を抱えて厳しい展開。グリッド8番手から好スタートを切り一時は6番手まで順位を上げたが、ハイペースをコンスタントにキープすることができず、徐々に順位を下げて9位でチェッカーを受けた。
テック3・ヤマハ・チームのC・チェカとJ・エリソンは12位と13位。エリソンは初めてポイントを獲得した。1周目に二人の目の前でR・ドピュニエ(カワサキ)が転倒したため最後尾まで順位を下げてしまったが、懸命のライディングで挽回を図っての結果。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 43'22.229 |
2 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 0.900 |
3 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1.494 |
4 | S・ジベルナウ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 4.638 |
5 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 7.575 |
6 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 10.820 |
7 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 11.784 |
8 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 19.481 |
9 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 22.920 |
10 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 34.286 |
11 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 35.316 |
12 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 49.245 |
13 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'01.469 |
14 | 玉田 誠 | JIR Konica Minolta Honda | Honda | 1'10.778 |
15 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'22.051 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | L・カピロッシ | Ducati | 41 |
2 | N・ヘイデン | Honda | 36 |
3 | D・ペドロサ | Honda | 30 |
4 | V・ロッシ | Yamaha | 27 |
5 | T・エリアス | Honda | 21 |
6 | C・ストーナー | Honda | 21 |
11 | C・エドワーズ | Yamaha | 12 |
14 | C・チェカ | Yamaha | 7 |
16 | J・エリソン | Yamaha | 3 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 41 |
2 | Honda | 40 |
3 | Yamaha | 30 |
4 | Kawasaki | 14 |
5 | KR211V | 14 |
6 | Suzuki | 7 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(優勝)
「素晴らしいレースだった。かなりハードだったけど、楽しかったんだ。YZR-M1も今日は絶好調。周回が進んでグリップが落ちてくると振動もなくなった。だから終盤はすごく速くなったんだ。またファステストラップを3周目で出しているので、YZR-M1の実力を証明できたと思う。この勝利は、ポイント獲得の面で重要な意味を持つが、それ以上にメンタル面での意義が大きい。ストーナーを追いかけ、彼のタイヤが消耗してきたところで勝負に出た。そのあとは差を広げられると思っていたが、ニッキーがついてきたので懸命に抑え込んだ。また、これでドゥーハンの記録に並んだので、あと僕の前にいるのはアゴスチーニだけだ。ヘレスは悪夢だったが、ここで目が覚めた。ジェレミーをはじめ頑張ってくれたスタッフ全員に感謝している」
C・エドワーズ選手談(9位)
「スタートがうまくいって、そのあとも5周くらいは好調だった。ところがその次の周にはフロントが3回も切れこんで、危うく転倒するところだった。タイヤが流れるにはまだ早すぎると思ったのでもう一度プッシュしてみたがうまくいかず、そのあとはペースを緩めてゴールを目指した。プラクティスでは1分57秒2が出ていたが、決勝では3秒も落ちているので何か問題があったことは間違いない。明日のテストで原因を調べたい」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「今週は難しい状況がいろいろあったので、こうして優勝で終わることができて本当にうれしい。どんなときでもチームが一丸となって努力したからの結果だと思う。コーリンは問題を抱えていたので、こういうときこそチームのサポートが重要。なんとか、二人揃って上位を走れるようになりたいからだ。課題はまだあるが、今日、重要なポイントを獲得することができたのはとてもうれしいこと。この調子で次回も頑張っていきたい」
C・チェカ選手談(12位)
「マシンもタイヤも素晴らしかった。チームも僕もこのことは非常にうれしく思っている。怪我のほうも今日はずいぶん楽になったが、やはりまだ影響があったので、次のイスタンブールまでにはなんとか治したい。チームは常に前進を続けているので、次のレースでは万全の状態で臨めると思う」
J・エリソン選手談(13位)
「とても、とてもハッピー! 1周目に他の転倒に巻き込まれてしまったけれど、これがなかったらもっと上へ行けたと思う。マシンがとても乗りやすくなったので、ハードに攻めることができるようになった。1周で2秒ずつ縮めていたが、玉田をなかなか抜けず順位が上がらなかった。タイヤは最後までほとんど変わらずもってくれた。これで貴重なポイントを獲得できたので、この調子で頑張っていけば今後もきっといい結果につながるだろう」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談
「総合的に見て充実したウイークだった。マインもタイヤも好調で、レース距離を問題なく走りきった。今日のこの強風と、カルロスの体調を考えれば、かなりいい成績を残すことができたと言っていいだろう。ドピュニエの転倒に巻き込まれたのは不運だったが、二人とも最後まで懸命に走ってくれた。結果には満足しているし、ここまでの経過にも自信を持っている」
辻幸一談(ヤマハ発動機モトGPグループ)
「強風の中のレースでしたが、見事バレンティーノが優勝を飾ってくれました。予選はセカンドグリッドでしたが、3回のフリー走行を通じ、マシンバランスが良く、初日から決勝レースを見据えたセッティングに集中できたことが、この結果をもたらしたと思います。レースウイークを通じ、順調な仕上がりをみせていたコーリンですが、レースでは9位にとどまりました。テック3・ヤマハ・チームのカルロスは左肩の痛みにもめげずに12位、ジェームスも13位とヤマハ全車がポイントを獲得したことは、今後にとって非常に価値のあるものでした。次戦はトルコのイスタンブールで開催されます。今後とも皆さんのご声援をよろしくお願いいたします」