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全日本トライアル選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。

Rd.02 4月24日 九州・熊本

RACE DATA

全日本トライアル選手権 第2戦九州大会
■開催日:2022年4月24日
■開催地:熊本県・矢谷渓谷キャンプ場特設会場
■気温:19度
■天候:曇り
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間30分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:小川友幸(ホンダ)/8

REPORT

黒山は5位、野崎は2戦連続3位表彰台

全日本トライアル選手権の第2戦九州大会は、6年ぶりに熊本県の矢谷渓谷キャンプ場特設会場で開催された。新型コロナの感染拡大防止対策のため観客は大会当日のみの入場となったが、多くのファンが集まった。最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する#2黒山健一は、新型ファクトリーマシンTYS250Fiで開幕優勝しており、今回は当然のことながら開幕2連勝をめざした。同じくTYS250Fiに乗る#4野崎史高(Team FwO with YAMALUBE)は、第1戦の3位以上を狙い、今大会に挑んだ。

最高峰である国際A級スーパークラスの競技は19名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名だけがより難易度が高くて見ごたえがある2つのスペシャル・セクション(SS)に臨んだ。セクションは渓谷にある険しい斜面や大岩が連なる沢を生かした非常に難易度の高い設定だったが、土曜日に降った雨によって路面がぬかるんで滑りやすくなり、極めて困難なコンディションとなった。それらをいかに攻略するか、ライバルたちの出方を探るにも時間がかかり、1ラップ目から時間不足となった結果、失敗(減点5)が見込まれるセクションは申告減点5でトライせずに先を急ぐ姿も多く見られた。

開幕戦の優勝で自信をつけた黒山は、2年目を迎えて完成度を増したニューマシンで、第2戦もあちらこちらのセクションでキレの良い走りを披露した。ところが、ライバルたちが苦戦していた第6セクションの岩場の登りを黒山はクリーン(減点0)に迫ったものの、3秒のタイムオーバーで惜しくも減点5になるなど、調子の良さがダイレクトに結果にむすびつかないようなきらいも見られた。

競技の1ラップ目を終えた時点で、黒山(減点29)はまさかの6番手となり、トップの小川友幸(ホンダ/減点15)を追う展開となった。1ラップ目終了時点の2番手は野崎(減点24)で、逆転優勝を狙うかまえ。その後に、1点差で柴田暁(TRRS/減点25)、さらに1点差で小川毅士(ベータ/減点26)、そして吉良祐哉(シェルコ/減点27)と続く、1点きざみの大接戦となっていた。また、ヤマハのファクトリーマシンに乗る期待の若手、#7久岡孝二(VICTORY/減点39)は1ラップ目は8番手となっていた。

2ラップ目に追い上げた黒山は、2ラップ目だけの成績で言えば、小川(毅)16点、氏川政哉(ホンダ/22点)に続く24点で、野崎(同じく24点)とも並んでいた。2ラップ目の小川(友)は28点と減点を増やしていた。これらの減点を1ラップ目の減点と合計した場合の順位は、小川(毅)が42点でトップに立ち、以下、小川(友)43点、野崎48点、氏川52点、黒山53点。それぞれが、残る2つのスペシャルセクションで逆転を狙う状況となっていた。また、久岡(減点77)は2ラップ終了時点で9位となり、SS(10位以内)への進出を果たした。

こうして迎えたSS、1つ目のセクションは急斜面を登るとともに岩場を越える難関で、10名中5名が失敗して減点5を加算した。ここを走破した5名の中では、黒山がわずか足着き1回のみの減点1という驚異的なパフォーマンスで他の柴田2点、小川(友)3点らを圧倒、ここで黒山(54点)が氏川(57点)を逆転して5番手から4番手に順位を上げた。トップから3番手までは、小川(友)46点、小川(毅)47点、野崎53点。残すはSS2つ目のセクションのみ(最大5点の差が縮まる可能性はあった)で、この時点で1位と2位の優勝争い、3位と4位(つまり野崎と黒山)の争いが注目される形となった。

2つ目のSS(最終セクション)は、10名中7名が失敗することとなった超難関の超絶ヒルクライム。黒山も、残念ながらここで失敗、5位という結果となった。ここでは柴田が最高1点で上がり、黒山を逆転して4位。小川(友)が3点で、5点の小川(毅)を逆転。野崎も見事にここを3点で走破してニューマシンと自身の実力を見せつけ、3位表彰台を獲得した。

次回第3戦・関東大会は6月5日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われる。

RESULT

RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

黒山健一選手談(5位)

「1ラップ目の第6セクションなど、運が悪かったで片付けてはいけないですけれども、ちょっと運が巡ってないなという感じはしましたね。でもこれは僕でなんとかできることなので、僕のミスでした。5位ということで、非常に残念な結果に終わってしまいました。体調の方は決して悪くなく、バイクの方も全然問題はなく、ただただ僕のコントロールミスがちょっと多かった日となってしまいました。今年の全日本も残り6戦ありますので、あと6戦しっかり頑張ります。次の第3戦までは1ヶ月以上のインターバルがありますので、関東大会からまたしっかり走りたいと思います。これからも皆さん応援よろしくお願いいたします」

佐藤美之監督談

「応援いただきまして、ありがとうございました。残念ながら勝てなかったことに対してはファンの皆様に申し訳なく思っています。今回は雨のコースに翻弄されたような戦いで、黒山選手に頑張っていただきましたがやはりちょっとアンマッチングというかセクションと人とマシンの若干のズレといいますか、そういったことがあったのが敗因かなと思っています。その中で、野崎選手が3位で表彰台の一角を取っていただいたことはヤマハとして非常に感謝しています。切り替えて、次回また頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします」

Team FwO with YAMALUBE

野崎史高選手談(3位)

「今日はSSのヒルクライムを登頂することができ、ヤマハ車の実力を見せることができたなと思いますが、もったいない減点がけっこうあって、なおかつ体調面も不安定でした。今週月曜日の練習中に背中と足のスネを負傷して、その後はギックリ腰にもなり、かなり辛い状態でした。ストレッチなどして腰はギリギリ回復できたかなという形でしたが、今朝の公式練習で挟んだ指が痛くて動かなかったので、その状態にしては上出来だったかなと思います。2戦連続3位となりましたが、幸い1位と2位は入れ替わりがあったので、タイトル争いの望みはまだ十分あると思います。次は完璧な状態で優勝を目指して頑張りますので、また応援よろしくお願いいたします」

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