全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.05 9月2日 中国
RACE DATA
■開催日:2018年9月2日
■開催地:広島県・灰塚ダムトライアルパーク
■観客:1,500人
■気温:30度
■天候:晴れ
■競技:8セクション×3ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:5時間(8セクション×3ラップ)
■最多クリーン数:野崎史高(ヤマハ)/21
REPORT
野崎史高と黒山健一、今季2度目のワンツー!
全日本トライアル選手権シリーズ(全7戦)の後半戦へと突入した第5戦中国大会は、初めての会場である広島県三次市の「灰塚ダムトライアルパーク」で行われた。最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦している黒山健一(ゼッケン2)は、トライアル世界選手権の電動バイククラスに参戦したため全日本第4戦は欠場しており、今回は2戦ぶりの全日本参戦となった。第4戦終了現在のランキングは小川友幸(ゼッケン1)72ポイントがトップで、今年からファクトリーマシンTYS250Fiに乗り第3戦で圧勝した野崎史高(ゼッケン3/YSP京葉xKEN OKUYAMA)が67ポイントで2番手、黒山は54ポイントで3番手となっているため、今大会で勝って上位との差をつめたいところだった。
国際A級スーパークラスの競技は14名が出走、5時間の持ち時間で8セクションを3ラップした後、上位10名がより難易度が高くて見ごたえがあり観客が観戦しやすいように配慮された2つのスペシャル・セクション(SS)に挑んだ。当日は雨の予報もあったが、好天に恵まれた。とはいえ前日の朝に降った雨により、土の路面は泥々で、その泥が岩やヒューム管などの障害物に付着して非常に滑りやすくなっていた。それでも次第に路面は乾いていき、グリップも良くなり、勝負は僅差で争われる接戦となっていった。
1ラップ目、黒山は第1セクションをクリーン(減点0で走破)する好スタート。その後ライバルたちが早くも減点5となる失敗を見せる中で、黒山は足着き2回の減点2となることは4度あったが、減点5は1度もないまま1ラップ目を終了。この時点では減点8で2位となっていた。一方、野崎は第3セクションで減点5となったが、その後は足着き1回のみのミスに抑え、野崎が減点6で1ラップ目のトップに立った。1ラップ目の3位以下は、氏川政哉(ゼッケン15)・減点11、小川友幸・減点12、柴田暁(ゼッケン5)・減点13と1点刻みの接戦となっていた。
2ラップ目の黒山は、1ラップ目の半分の減点4で回る追い上げを見せたが、野崎はなんと2ラップ目はオールクリーン(全てのセクションをクリーン)。減点6の野崎がトップのまま、2位の黒山(減点12)以下にダブルスコアの差をつけた。ところが、3ラップ目は減点4を喫した野崎に対して、黒山もまた見事にオールクリーンを実現して激しく追い上げた。3ラップ終了時点の順位は、野崎10点と黒山12点がわずか2点差でトップ争いを演じる展開となっていた。また、小川も14点で迫っており油断はできない状況だった。
こうして迎えたSSは、1つ目のセクションで先に走った黒山が斜めに置かれた巨大タイヤを上るところで1回足を着き、減点1を加算。ここを野崎はクリーンしたことにより、2人の差は3点に広がったが、2つ目の最後のセクションまで逆転の可能性は残されていた。注目の最終セクション、黒山はセクションのマーカーを動かしたというオブザーバーの判定によりまさかの減点5となり、この時点で野崎と8点差。続いて走った野崎も減点5となったが、3点差で野崎が優勝し、通算7勝目を獲得。黒山は惜しくも2位となったが、野崎とともに第3戦以来今季2度目のヤマハ・ワンツーを決めた。
ポイントランキングは野崎と小川が同ポイントに並び、最も近い大会で優勝した野崎がトップに躍り出た。野崎は残り2戦で初のチャンピオンをめざす。
次回第6戦・中部大会は10月7日、愛知県のキョウセイドライバーランドで行われる。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
黒山健一選手談(2位)
「今回は勝つチャンスが何度もあったにもかかわらず2位になってしまって、非常に残念です。8セクションを3ラップする競技では減点5となる失敗はひとつもなかったことと、とくに3ラップ目は8セクションをオールクリーンできたことは、良かったと思います。2位は非常に悔しいですが、残り2戦をしっかり頑張りたいと思います。全日本の残り2戦の前に、世界選手権の最終戦(9月16日/イタリア)とトライアル・デナシオン(国別対抗戦/9月23日/チェコ)に日本代表チームとして参戦しますので、応援よろしくお願いします」
YSP京葉xKEN OKUYAMA
野崎史高選手談(優勝)
「今日はかなり気温が上がって集中力が奪われるほど暑い状況で、セクションの渋滞が多くて時間がなくなりましたが、我慢で走りきり最後までリードを保って優勝することができました。絶好調ではなかったですが、大きな失敗はなく、3ラップ目はとくに時間がなかったですがオンタイムでゴールできて良かったです。チャンピオンは夢ですけど見えてきたので、あまり意気込まないようにして、次回も優勝できるように頑張りますので応援よろしくお願いいたします」
木村治男監督談
「今回を含めて残り3戦、後半戦のスタートということで各チームとも一生懸命準備して大会に臨んだわけですけれども、結果的には1位と2位とヤマハ関連チームとしてはほぼベストに近い数字だったと思います。年間ランキングについても野崎選手が同点トップになりましたから、これからまたより集中して勝負に臨みたいと思いますので、皆さんも引き続き応援よろしくお願いします」