全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月15日 近畿
RACE DATA
■開催日:2018年4月15日
■開催地:和歌山県・湯浅トライアルパーク
■観客:1,150人
■気温:15度
■天候:雨のち晴れ
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:5時間(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:小川友幸(ホンダ)/13
REPORT
黒山健一が2位表彰台
全日本トライアル選手権シリーズ(全7戦)の第2戦近畿大会は、今年も和歌山県の湯浅トライアルパークで行われた。最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦している黒山健一(ゼッケン2)はファクトリーマシンTYS250Fiに乗り開幕戦から圧勝、開幕2連勝すべく第2戦に臨んだ。また、今年からTYS250Fiにマシンを変えた野崎史高(ゼッケン3/YSP京葉xKEN OKUYAMA)、今季よりTYS250Fを駆る若手の久岡孝二(ゼッケン8/Victory)と、今年は3人のヤマハライダーが最高峰に挑んでいる。
国際A級スーパークラスの競技は5時間の持ち時間で10セクションを2ラップした後、さらに難易度が高くて見ごたえがあり観客が観戦しやすいパドックの近くに用意された2つのスペシャル・セクション(SS)にトライした。会場は前夜からの雨で土の路面はひどくぬかるみ、競技序盤は強い風とともに雨が続いたが、その後天気は回復。足元が悪い状態ながらも、多くの観客が訪れた。セクションの配置は、昨年よりもコンパクトにまとめられて、観戦しやすくなっていた。沢の岩盤や急斜面などに設けられたセクションはどれも難易度が高く、失敗(減点5)となるライダーが多く見られた。
黒山は1ラップ目の第1セクションからただ一人3連続クリーン(減点0)と絶好調で、最大のライバルである小川友幸(ゼッケン1)に第3セクション終了時点で10点差の大差をつけ、競技序盤は開幕戦と同じ展開になるかと思われた。その後、黒山も第4セクションから失敗が続き、減点を増やした。一方、好調な野崎が第4セクションから黒山に代わってトップに躍り出た。その野崎を追って、黒山も調子を取り戻していった。1ラップ目終了時点の結果は、黒山と野崎が同じ減点19・クリーン数4でトップに並び、減点28の小川に対して黒山と野崎が2人そろって大きな差をつけていた。
2ラップ目の黒山は、野崎とともに抜きつ抜かれつの激しい優勝争いを展開。第2セクションで黒山がトップに立つと、第5セクションでは野崎が黒山を逆転。さらに第8セクションで再び黒山が野崎を逆転するという大接戦に、観客もおおいに沸いた。ところが、2ラップ目に入りクリーンを続けていた小川が、第9セクションで黒山と同点に追いついてきた。同じ減点28で、クリーンの数は黒山の9に対して小川の10が上回っていた。そしてまた、わずか1点差の減点29で野崎も続くという、競技終盤は三つ巴の大接戦になっていた。しかし、2ラップ目最後の2つのセクションで野崎は連続減点5となり、優勝争いからはなれてしまう。一方、黒山は小川に1点差をつけられることになったが、SSで逆転の可能性も十分に残されていた。とはいえ、SSは両者とも減点0で終えて、黒山は1点差で惜しくも2位。野崎は3位となった。
黒山はエンストによる痛恨の減点5が2回あり、野崎は土壇場での失敗が惜しまれたが、それでも両者とも力強く表彰台に上がった。その表情には今後の巻き返しにかける自信がうかがわれた。
次回第3戦・九州大会は5月13日、大分県の玖珠(くす)トライアルヒルズで行われる。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
黒山健一選手談(2位)
「1ラップ目は非常に良いペースで走っていたのですが、2ラップ目に自分の中で非常に情けないミスをしてしまい、結果的に2位となりました。点差的に1点差ということで非常に残念ですが、エンストが2回あったのは非常にもったいないですし、手がすっぽ抜けてのエンストは久しぶりですごく悔しいなと思います。勝てる試合をひとつ逃してしまったということで、反省点の多い試合になりましたが、走り的には決して悪くないので、これからシーズンを戦う上でしっかり自分の走りで頑張っていきたいと思います」
木村治男監督談
「ともかく良いペースでいって、結果的には残念ながら勝てなかったということで。次にまた笑顔で終われるようにしたいと思います。マシンはなかなか良い感じで仕上がってきているので、今日はアンラッキーな面が色々あったけれど、それは気をつければ直ることも多いので。スーパークラスでヤマハに乗ってくれている選手は3人いて、野崎選手もだいぶ調子が上向きだし。久岡選手も調子が良くてSSに進めたはずだけれど、採点カードにパンチを受けるのを忘れての減点10があって11位と残念でしたが、この3人で頑張りますので引き続き応援よろしくお願いいたします」
YSP京葉xKEN OKUYAMA
野崎史高選手談(3位)
「今日は最後まで勝負をすることができ、開幕戦の3位とは意味が違うと思います。2ラップ目の第7セクションまではトップを守れたのですが、第8セクションのヒルクライムは2回とも減点5を取ってしまったので、自分とマシンとのマッチングを改良していきたいと思います。第8セクションで気持ちが沈んでしまい、その後に2つ連続して減点5を取っちゃったので、そのへんがまだまだ自分の弱さかな。マシンの完成度は高く、自信が持てるところも出てきたので、今後はさらに良い結果を望めると思います」