全日本トライアル選手権 IAスーパー
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月19日 近畿
RACE DATA
■開催日:2015年4月19日
■開催地:奈良県・名阪スポーツランド
■観客:1,850人
■気温:20度
■天候:雨のち曇り一時晴れ
■競技:8セクション×3ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:5時間(8セクション×3ラップ)
■最多クリーン数:小川友幸(ホンダ)20
REPORT
野崎史高が2位、黒山健一は3位表彰台を確保
前回の第1戦ではファクトリーレーシングチームからの参戦1戦目にして開幕優勝を成し遂げた黒山健一(ゼッケン2)が、さらに勢いにのって連勝するか? あるいは4サイクルエンジンから新たに2サイクルエンジンのTYS300Rへと乗り換えた野崎史高(ゼッケン3)が本領を発揮するか? 注目の第2戦・近畿大会は今年も奈良県の名阪スポーツランドで行われた。当日は朝から小雨が降り路面状態の悪化が懸念されたが、国際A級スーパークラスがスタートする頃には雨が止んで曇りとなり、薄日が差すようにもなった。競技はモトクロス場のコース脇や山の中に用意された8セクションを5時間の持ち時間で3ラップした後、約10分のインターバルをおいてより難易度の高い2つのスペシャルセクション(SS)にトライした。
1ラップ目の持ち時間は3時間45分と多め(注・第1戦は3時間)だった。先にスタートした国際B級や国際A級の選手たちによりセクションが渋滞することが考慮された時間設定だったが、実際に第1セクションから第3セクションまで競技序盤から激しい渋滞が続き、多くの時間を費やすことになった。黒山は第1、第2セクションをクリーン(減点0で走破)して好調な出だしだったが、最初の勝負所になった第3セクションの崖上りで失敗して減点5。続く第4セクションは減点3となり、さらに第5セクションの岩の上でエンジン底が岩に着いた状態でエンストしたことにより減点5となった。その後さらに減点1を加えた結果、1ラップ目の黒山は減点14で3位と出遅れてしまう。一方、野崎は第4セクションまでを唯一人4連続クリーンして1ラップ目の前半はトップに立っていた。その後の野崎はやや乱れ、減点9で2位。1位小川友幸(ホンダ)減点4との差は5点あったが、まだまだ逆転は可能と思われる点差だった。
2ラップ目は黒山が最少減点3で回る激しい追い上げを見せ、野崎も調子を上げて2ラップ目は減点4に抑えた。だが、小川も減点3と好調を保ち、2ラップ合計では1位小川7点、2位野崎13点、3位黒山17点とやや差が開いていた。しかし、いよいよ調子を上げた野崎は3ラップ目に最少減点3をマークして、合計16点。トップの小川は減点6を加えて合計13点。その差は、3点に縮まった。一方、黒山は3ラップ目に減点11を加えて合計28点となり、この時点で3位以下が決定的となっていた。注目のSS、1つ目のセクションは小川がクリーン、野崎は1点となったためその差は4点となったが、まだ一発逆転の可能性はあった。最後のセクションを先に走った野崎がクリーン、次に走る小川が失敗すれば野崎が逆転優勝という場面だったが、小川もクリーンした結果、小川1位、2位野崎となった。黒山は1つ目のSSで失敗したため、2つ目も失敗すると表彰台を逃す恐れもあったが最後はしっかりとクリーンして、3位を確保した。
次回第3戦・九州大会は5月17日、熊本県の矢谷渓谷トライアル場で行われる。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | 減点/クリーン |
---|---|---|---|---|
1 | 小川友幸 | HRCクラブMITANI | Honda | 減点13/クリーン20 |
2 | 野崎史高 | YSP京葉×KEN OKUYAMA | Yamaha | 減点17/クリーン15 |
3 | 黒山健一 | ヤマハファクトリーレーシングチーム | Yamaha | 減点33/クリーン13 |
4 | 小川毅士 | So7 Wise Beta Team | Beta | 減点41/クリーン11 |
5 | 柴田暁 | HRCクラブMITANI | Honda | 減点73/クリーン5 |
6 | 田中善弘 | So7 Wise Beta Team | Beta | 減点89/クリーン5 |
7 | 加賀国光 | トライアル エクスチェンジ | Sherco | 減点95/クリーン4 |
8 | 斎藤晶夫 | ブルーヘルメット | Honda | 減点97/クリーン3 |
9 | 野本佳章 | モトベント&Beta | Beta | 減点100/クリーン5 |
10 | 成田亮 | ハザードブレーカーズBETA | Beta | 減点101/クリーン3 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小川友幸 | Honda | 37 |
2 | 黒山健一 | Yamaha | 35 |
3 | 野崎史高 | Yamaha | 32 |
4 | 小川毅士 | Beta | 26 |
5 | 柴田暁 | Honda | 22 |
6 | 田中善弘 | Beta | 20 |
COMMENT
野崎史高選手談(2位)
「今日は久しぶりに勝負ができたな、という感じです。去年の最終戦で黒山選手と勝負して2点差で2位(1位黒山)となった以来ですかね。前回の第1戦は勝負になっていない感じだったので、今回は上の二人と勝負できて良かったです。勝てなかったのは悔しいですけれども、新しいマシンにもっと乗り込めばさらにパワーアップできると思います。今回の最終セクションは先にクリーンして小川選手にプレッシャーを与えられたし、思いきりアクセルを開けていくセクションが多かった中でだいぶ自信がついたので、今後がさらに楽しみです」
黒山健一選手談(3位)
「決して悪い走りではなかったと思いますが、今日は残念でした。第3と第5セクションの失敗はタイミングが合わなかったですね、完全に。不本意な減点5もありましたが、思い通りに走れなかったのが非常に悔しいです。でも3位で最低条件はクリアーできたと思いますし。まだ2戦終わったところなので。来週は世界選手権・日本大会と続きますし、しっかりと頑張ります」
木村治男監督談
「今日は野崎選手が最終セクションまで優勝争いをして、イイ走りをしていたので、次回につながると思います。黒山選手はちょっとアンラッキーなところもあったりして結果的には上手くいかなかった感じもありますが、もう一回彼と相談して次回に備えたいですね。今年は4サイクルと2サイクルの2モデルを出しているので、その2台の包囲網でチャンピオンをめざします」